Photo by Camille Blake Courtesy of Berlin Atonal 2017

Berlin Atonalのクラブ・イベント、New Codesが2月東京と京都で開催決定!

2月東京と京都で開催が決定!フェスティバル出演者たちと振り返るBerlin Atonalの魅力とは。

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28 December 2017, 7:00am

Photo by Camille Blake Courtesy of Berlin Atonal 2017

Pan Daijing Photo by Helge Mundt Courtesy of Berlin Atonal 2017

2017年2月、ドイツ、ベルリンを代表する先駆的な音楽とアートのフェスティバル Berlin Atonalは、日本における国内外のアーティストによる新たな音楽やサウンドアートの制作、奨励、発表することを使命とする実験音楽のプラットフォームとして、サテライト・イベント New Assemblyを3日間に渡り東京で開催した。会場には、多くの来場者が訪れ、大きな反響を呼び、これをきっかけにNew Assemblyで初公演を行ったEnaとRashad Beckerによるコラボレーション・ライブ、日本を拠点にリアルタイム・コーディングで音楽を奏でるアーティストRenick Bell、BLACK SMOKER RECORDSのKILLER BONG、THE LEFTY、DJ YAZI、大阪で活躍する行松陽介、東京のベテランDJであるCompuma、さらに東京でイベントMNML SSGSを主催するDJ、Chris SSGや新進気鋭の女性アーティスト、Lemnaが今年の夏、ベルリンの本フェスティバルへ招聘され出演を果たした。来年以降もこの国際的な音楽交流を継続すべく、 2018年からは名称を N/A(「該当しない」という意味の略語でもる)に変更し、まずはBerlin Atonalがベルリンでオーガナイズしてきたクラブイベント、 New Codes の日本版を2月に東京と京都の二都市において開催することとなった。

この日本でのイベント開催に先がけ、ここでは今年のベルリンでのフェスティバルに出演した日本のアーティストを紹介しながら、彼らのコメントを交えたBerlin Atonalの魅力についてお伝えしよう。

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Yousuke Yukimatsu Photo by Helge Mundt Courtesy of Berlin Atonal 2017

行松陽介

大阪を拠点に活躍するDJの行松陽介は、その独特な解釈でアンビエントから日本語ラップ、ヘビーメタルまで、あらゆるタイプの楽曲をドラマチックにミックスしていくスタイルが魅力。New AssemblyでBerlin Atonalのディレクターたちを虜にした。Berlin Atonalにおけるプレイも複数のヨーロッパ媒体に取り上げれるなど、大きなインパクトを残した。「海外で良い反応が得られたことが励みになりました。長距離飛行体験も自分にとっては初めてでした。ベルリンに一緒に滞在した日本チームとも濃密で新しい関係性が築けたと思います。ヨーロッパに行く前は体調がかなり悪かったのですが、長期ベルリン滞在ですごくリラックス出来て、力が抜けて帰って来れました。今もその状態をかなりの部分キープ出来ています」とコメントをくれた。

行松陽介のBerlin Atonal ハイライト:Peder Mannerfelt。最近Twitterで「feminism is the only way forward(フェミニズムこそ唯一の前に進む道)」とツイートしたり、「equality」というタイトルの曲で「equality」と連呼したり、その辺りも含めて今1番気になる人を観れて良かったです。

Lemna Photo by Michal Andrysiak Courtesy of Berlin Atonal 2017
Lemna Photo by Michal Andrysiak Courtesy of Berlin Atonal 2017

Lemna

今回日本から唯一の女性出演者だったLemnaは、ベルリンのレーベル〈Horo〉から11月にデビューEP『Urge Theory』を発表したばかりの期待の新人アーティストだ。日本でもそれほどプレイした経験がない中、Berlin Atonalの2番目に大きなステージNullで堂々のライブセットを披露。そのディープでややインダストリアルなテクノ・サウンドが会場の雰囲気とマッチし、満員のフロアを熱狂させる鮮烈なヨーロッパ・デビューを飾った。このように、あまり経験のないアーティストにも自由にパフォーマンス出来る大きな舞台を用意するのがこのフェスティバルの素晴らしいところ。その経験から、本人は「言葉を介さない純粋な”音”よるコミュニケーションの価値と可能性」を感じることが出来たとのこと。控えめながらも物怖じしない物腰で、今後国内外で活躍の幅を広げていくこと間違いなしの才能の登場だ。

LemnaのBerlin Atonal ハイライト:Pan Daijing。

Fis and Renick Bell Photo by Camille Blake Courtesy of Berlin Atonal 2017

Renick Bell

巨大なメインステージでの出演を果たしたRenick Bellは、東京に10年以上住み、多摩美の博士号を修得しているコンピューター・ミュージシャン。「ライブ・コーディング」という、即興でプログラム・コードを編集しながら音楽を演奏していくという極めてユニークな手法を実践する。大画面に投影されたコードが砂嵐のように流れていく、そのビジュアルも大事なパフォーマンス要素のひとつ。ソロで出演したNew Assemblyをきっかけに、フェスティバルではニュージーランドのアーティスト、Fisとのコラボレーション・プロジェクトが実現した。「遠く離れた場所の相手とコラボレーションするのは苦労もありましたが、自分の音楽やアプローチを改めて確認し、新たなことを学ぶいい機会にもなりました。現在も一緒に作品作りを行っているので、そう遠くないうちに発表したいと考えています」と、これからの展開も楽しみだ。

Renick Bellの Berlin Atonal ハイライト:自分のリハーサルで忙しくてEna x Rashad Beckerが見られなかったのがとても残念ですが、見られた中ではPact Infernalが一番自分の好みにマッチしていました。

Chris SSG Photo by Patrick Lehrmann Courtesy of Berlin Atonal 2017

Chris SSG

オーストラリア出身のChris SSGはもともとテクノの人気ブログ、MNML SSGSを運営していた人物だが、現在は東京をベースに同名のイベント・シリーズを主催、自身もDJとして活躍している。Berlin Atonalではアンビエントとダウンビートを織り交ぜたプレイで、ダンスフロアを心地よく温めた。昨年イギリスのDJミックスのプラットフォーム、Electronic Explorationsで「Japan Week」をキュレーションし、国外にも通用する日本のDJたちをより広いオーディエンスに紹介した彼は、「これまでいくつかの外国のフェスティバルが日本での開催を試みてきましたが、現地のシーンに貢献するというよりは、自らのブランドを押し付けるようなものが多かったと思います。でもBerlin Atonalは本当に面白いアーティストたちを取り上げ、さらに本国のフェスティバルにこうしてその一部を招きました。このような純粋なコラボレーションや交流の実現を見るのはとても嬉しいです。自分のプレイのときも素晴らしいエネルギーがあって、すごく楽しかったです」と語ってくれた。

Chris SSGのBerlin Atonal ハイライト:残念ながら初日しか参加できなかったので、見たかったアーティストをたくさん見逃してしまいましたが、初日にプレイした、全く知らなかったスペインのDJ、TUTUが素晴らしく、いい発見でした。

Ena Rashad Becker Photo by Helge Mundt Courtesy of Berlin Atonal 2017

Ena

3年連続、しかもメインステージでのBerlin Atonal最多出演を果たしているEnaは、もうレジデントと呼んでもいいくらいこのフェスティバルにはお馴染みのアーティストだ。ここ数年、年に2〜3回ヨーロッパ・ツアーを行っている彼は、「2015年から出ているので既にその影響は沢山あって、今年と去年のヨーロッパでの新しいブッキングの多数はAtonalで自分のパフォーマンスを見てもらった事がきっかけでした。あとは去年のFelix K、今年のRashad Beckerと個性的なアーティスト達とのコラボレーションで作曲、リハーサルの為に長い時間を共有出来たのは何物にも代えがたい経験です」と述べている。ヨーロッパで非常に高く評価されている彼の、多様なポテンシャルを披露する絶好の舞台となっている。

EnaのBerlin Atonal ハイライト:Fis & Renick Bellは映像も良かったし、音楽も少しリラックスした雰囲気(本人達はそうでもなかったみたいですが)で良かったのですが、Fret名義でライブをしたMick Harrisが凄まじく満員のフロアを文字通り圧倒していました。

Compuma Photo by Michal Nndrysiak Courtesy of Berlin Atonal 2017

Compuma

日本のレコード業界では有名なレコード・バイヤーであり、長年DJ及び様々なプロジェクトで制作活動を続けるCompuma。意外にも今回が初の海外DJギグだったという彼は、「Berlin Atonalという、あの巨大で圧倒的アートそのものとも言えそうな会場Kraftwerkの存在感と迫力と音響、雰囲気、緊張感、重いセメント感?を全身で感じられた事、そして全日程前売りソールドアウトにして連日満員のお客さん達が夕方から朝までこれらの音と音楽を普通に楽しんでいる感覚、日常にテクノが根ざしてる非日常?を自分なりに感じることが出来ました。3時間を集中して存分にプレイできた事は、嬉しい反応も含めて、今後の自分の活動にとってとてもとても大きな経験になったと思います」と話してくれた。

CompumaのBerlin Atonal ハイライト:それほどたくさんのアーティストを見れたわけではありませんが、個人的に激アツになったのは、ステージNULLでの大ベテランMick Harrisのパフォーマンスでした。

Dj Yazi Photo by Michal Andrysiak Courtesy of Berlin Atonal 2017

DJ Yazi

BLACK SMOKER及びTHINK TANKのオリジナル・メンバーであり、ヒップホップをルーツとしながら現在はテクノDJとして高い評価を得ているDJ YAZI。今回は初のヨーロッパ上陸ながら、Berlin Atonalの出演をきっかけにベルリンのゲイ・テクノ・パーティーHerrensauna、ミュンヘンのクラブRote Sonneでもプレイした。「沢山のアーティストが出演する中で作品がない自分が通用するかがとても気になるところでしたが、終わってみてコアなオーディエンスからのフィードバックの多さに、自信が持てるようになりました。そして新たな繋がりが生まれたのも嬉しいです。日本でも近い感覚はありますが各国から集まった人達の空気感というのは初めてで、エネルギーというかなんというか、もの凄いパワーを感じる事ができました。ここからスタートするぞ〜って感じに気持ちが昂りました」

DJ YaziのBerlin Atonal ハイライト:やっぱりベルリン、Tresor感がビシッときたMoritz von Oswaldです。深夜帯にテクノーって感じで攻めるプレイを、自分もプレイしたTresorで体験できたのは貴重でした。歴史を肌で感じられた気持ちになりました。

Berlin Atonal 2017

Killer Bong/ The Lefty

今年のBerlin Atonalの実験性の富んだラインナップの中でも、最も意外な変化球だったのが、日本からやってきたBLACK SMOKER頭首KILLER BONGと、KILLER BONGとJUBEによるユニット、THE LEFTYの出演だろう。過去5回の開催においてラッパーが出た記憶はない。しかもそれが日本語のラップなのだから、フェスティバルのオーディエンスにとっては全く新しい音楽体験だったに違いない。実際に、彼らのパフォーマンスもいくつもの媒体のレビューで「最も新鮮だった」あるいは、「最も奇妙だった」と言及されており、確実にBerlin Atonalそのものの音楽性の幅を押し広げた。「言語の壁を越えて表現することの大切さ」を改めて認識したと言うのはJUBE。KILLER BONGも「俺は何処に行っても俺なんだなという実感を得ることができた」と語っており、今年活動20年を祝った彼らの長いキャリアの中でも、印象に残る体験となったようだ。

Killer Bong/ The LeftyのBerlin Atonal ハイライト:自分のライブ(KILLER BONG)と、Mick Harris (JUBE) 。

Berlin Atonal 2017 - short documentary

Berlin Atonalオフィシャルのショート・ドキュメンタリー。

現在のベルリンを象徴する、アンダーグラウンド注目株のトルコ人アーティストNene H.、最も勢いのあるゲイ・テクノ・パーティーHerrensaunaのレジデントDJであるCEM、今年レーベル〈PAN〉からデビュー・アルバムを発表し一躍実験音楽シーンのスターとなった感のある中国出身のアーティストPan Daijingといった面々に加え、自伝的ドキュメンタリー映画『B-Movie』の主人公としても知られるベルリン音楽史のキーパーソンMark Reeder、Atonalで世界初公開されたことで最も事前の話題となっていた写真家Wolfgang TillmansとPowellによるコラボレーション・プロジェクト、日本からのAtonal最多出演アーティストでベルリンの前衛音楽家Rashad Beckerとコラボレーション・ライブを披露したEnaなどがフィーチャーされている。

この中でも出演者が何度も口にしているのが「チャレンジ」と「エクスペリメント」いう言葉。惰性ではなく、新たな挑戦を強いる場でありながら、これまで試したことがないことを試せる実験の場でもある、それが壮大なスケールで行われるのがBerlin Atonalの魅力であり、重要な価値であると言える。


N/A and Berlin Atonal present New Codes

【イベント情報】

2/16(金)京都Metro
2/17(土)東京Contact

ラインナップは1月中旬以降に発表予定。