インターネットでのセクハラを告発するジン『Love Letters(vol.1)』

シドニー・リマとグレイス・スモールは世界中の女性たちに向けて、これまでに送られた性的で不快な内容のダイレクトメッセージがあれば転送してほしいと呼びかけている。ふたりはそれらを印刷して、雑誌という形で公開する予定。

by Tish Weinstock; translated by Atsuko Nishiyama
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08 March 2018, 12:54pm

モデルのグレイス・スモールとシドニー・リマは、うんざりして、疲れ切っていた。頼みもしないのに日々送られてくるディック・ピック(男性器の写真)や、不愉快なセクハラメッセージ(例えば「お前のケツでめちゃくちゃイってやるぜ、ビッチ」)の攻撃で、受信トレイはいっぱいだった。もうたくさん、とふたりは思い立つ。ネット上で起きているこうしたハラスメントもトラウマになるという意味では、路上で嫌な言葉を浴びせられるのと同じだ。それなのに、不快なメッセージに対してできることは、ただ無視して、ブロックして、有害な行為の証拠を消去するだけ? その上もし声を上げなければ、これから先もずっと止まらず起こり続けることになるのではないだろうか?

「同意も得ていないのに性器の写真を送ったり、〈お前の体をこうしてやる〉などと露骨で暴力的な言葉をぶつけたりするのは、誰が相手でも許されない」とシドニーとグレイスは言う。「インターネットが、性暴力をふるう奴らにとっての安全な場所であり続けてはダメ。彼らは自由にぶらついて、しかも制裁を受けることはほとんどない」

ユーザーネームを何度も乗り換え、ダイレクトメッセージという人に見られない方法を使うため、彼らの大半は特定できず、ハラスメント行為も明らかにされないままだ。そしてもっと深刻なのは、ほとんど問題にされないことだ。この状況を正すために、グレイスとシドニーは、ソーシャルメディアを通して女性たちの元に送られてきたメッセージや写真を募集している。それらを編纂し、雑誌を作ろうと考えているのだ。皮肉たっぷりのタイトルは「Love Letters(vol.1)」。なぜそんなことをするのか? セクハラメッセージを送られた女性たちが、孤立しなくてすむように。そして目障りなメッセージに対して、主体的に対処できるという感覚を取り戻してもらうため。さらにこのような有害な行為が、実際どれほど広く蔓延しているかを明らかにするためでもある。

「以前は、送られてくるメッセージのことや、それに対する自分たちの気持ちを、重くとらえすぎているのでは、と感じてしまうこともありました。この問題についてふたりで話し合うことができたおかげで、自分たちの感情的な反応は、大げさなものではないと気づけたんです。そして私たちがこんな気持ちにさせられているのだから、他にもたくさんそういう女性がいるだろうと思いました。そんな状況でいいわけがない、と大きな声で言いたかった。ストリートで女性が不快に思う言葉をかけられることに対しては、抗議の動きが起きています。ネット上でのセクハラ行為に対しても、同じ態度をとるべきです。ヴァーチャルな暴力なんて、気にせず受け流せばいいのに、と女性に求める考え方は卑劣ですよね。そういう意見があるからこそ、私たちはメッセージを印刷物にするんです。そうやってハラスメントを表に出して、たくさんの人に見てもらいたい」

ふたりの元にはすでにかなりの数のメッセージが集まって来ている。けれど、まだまだ受付中とのこと。もしあなたも送りたければ、メッセージのスクリーンシメールで送るか、サイトで投稿してみてほしい。

This article originally appeared on i-D UK.

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