i-Con: 川久保玲

言わずと知れたComme des Garçonsのブレーンである川久保玲。もっとも重要にして、もっとも強い影響力を持つ現存のファッション・デザイナーのひとりだ。徹底してプライバシーを守る川久保は、インタビューをめったに受けない。世界が待ちわびた「川久保玲/コム デ ギャルソン/間の技」展がメトロポリタン美術館で開催されることを記念し、i-Dは、川久保がこれまでの25年を、私たちに残してくれた言葉とともに振り返る。

by i-D Staff
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02 May 2017, 10:50am

「独立心があったからこそ、わたしたちはここまでやってこれました。独立(インディペンデンス)は自由を意味します。だからComme des Garçonsは今後も独立性を守り続けます。自由がもっとも大切なのです」

「簡単に達成できてしまうのはつまらないですよね。頑張って、苦しい思いをしたからこそ得られる達成感について考えながら、わたしは仕事をします」

「わたしはアーティストではありません。ファッション・デザインはビジネスです。わたしの仕事なのです。それでもComme des Garçonsを通して人々に自由や独立心を与えられたらという思いもあります。服は自由を与えることができる便利でシンプルな手段です。服は誰もが着るものですから」

「人に惹かれます。まわりにいる人たちに触発されます。"美しい"や"スタイリッシュ"といった感覚は、個人的なものです。美の定義はわかりません」

「情熱をもち、自分の強い信念に従って働く人がすきです」

「Comme des Garçonsは、つねに美しさと自由を表現する新たな方法を模索していましたが、それも徐々に難しくなってきました。それでも、わたしはやり続けなくてはなりません。大勢の仕事がかかっていますし、わたしはまだ成し遂げるべきことを成し遂げきれていないと思いますから」

「多くのデザイナーは、男性が好ましいと思う女性像に基づいてデザインをします。ですから、それとは異なる女性像で服を作るのには勇気がいるのです。すでに受け入れられている女性像をベースに作った服は、売れやすいということでもあります。今はどの文化も似たり寄ったりになっていますから、それが商業的になるのです。デザイナーはほかのデザイナーたちと同じことをしていると感じながらも、それが体制の一部となっていき、悪循環が生まれるわけです。それは安全な方法ではあります。ですが、人と違うことをやろうと思ったらそこから自分を解き放たなければなりません」

「ファッション・デザインは「一生懸命やる。強くなる。一緒に作り上げる。信念をもって生きる」といった、わたしにとって大切な価値観を表現する良い手段です。わたしにとって、ファッション・デザインは人生観の表現にほかなりません」

「服は着てもらって初めて意味をなすものですし、ある程度の数が売れなければなりません。それが画家や彫刻家といったアーティストと、デザイナーとの違いです。ある意味で、ファッションはとても商業的なジャンルです。わたしが作るコレクションは、ごく限られたアイデアに特化させて作るので、商業的には問題でもあります。もっとバリエーションをとも思いますが、そうもいかない。わたしのやり方とは相入れないものになってしまいますから」

「一瞬でも満足してしまうと、次が作れなくなるのではないかと不安になります。この仕事を続けるかぎり、わたしは新たなものを求めていなければならない。ですからそうした飢えのような、乾きのようなものが必要なのです」

Credits


Quotes from i-D, No. 104, The Glamour Issue, 1992. i-D, No. 218, The Landscape Issue, 2002. i-D, No. 249, The Expressionist Issue, 2004.

Portrait Leonard Koren
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.