東京コレクションスローバック:Anne Sofie Madsen

Anne Sofie Madsenのプレスリーのルーツを辿る旅から見える、二面性が引き出す女性の魅力。

by Tomomi Hata
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02 May 2016, 8:15am

東京コレクションのハイライトの一つ、招待デザイナーによるショーに、今季は第2期「DHLエクスポーテッド」を受賞したデンマーク、コペンハーゲンのAnne Sofie Madsenが登場した。「Heaven or Las Vegas」と名付けられたコレクションは、エルヴィス・プレスリーと彼の双子の兄にまつわるエピソードからインスピレーションを膨らませていったという。誕生と同時に命を失った兄の影を、生涯にわたり追い求めたというエルヴィス。ジャケットに異なるファブリックのコートを組み合わせたり、ドレスのシルエットにコートの袖を縫い付けたりと、異なる2ピースを対になるように組み合わせ、いないもう一人を意識させるデザインが印象的。John GallianoとAlexanderMcQueenで経験を積み、2011年に自身の名を冠したブランドを立ち上げたデザイナーは、さすが意表を突いた組み合わせが見事。ステッチがそのままだったり、糸をわざとほつれたままにしたり、服の構造をあえて見せるような未完成風の仕上げも、失われたアイデンティティを探しているかのよう。また、もう一つのエルヴィスのバックボーンもコレクションに影響を与えている。それは、曾祖母がネイティヴ・アメリカンだということ。シティ仕様にアップデートされたラバーソウルのウエスタンブーツにウエスタンベルト、ビッグサイズのストールもネイティブ・アメリカン風の柄。ファーのロングジレをネットトップに羽織ったり、深くスリットの入ったシアーなドレスをファーで味付けしたりとスタイリングでもエルヴィスのルーツを演出。総じて、あらゆる面で二面性がポイントになったコレクション。マスキュリンなシルエットにはラッフルやドレープフェミニンなディテールをあしらう。印象的だったショーミュージックは、ブルガリアの女性聖歌隊デンマークのパンクをミックスしたもの。ここにも静と動、対極のミックスが。アクセサリー代わりに多用されたロープの意図も、二面性。何かを繫ぎとめておくことのできることのできるロープだけど、ほどくと逆にそれは自由になる。単純だとつまらない、二面性を持つ女性こそ魅力的で好奇心をかき立てられる、そんな人間の心理をつくようなコレクションだった。なお、来季の17年春夏コレクションもMBFWT内でコレクションを発表する予定。次はどんな意外性を披露してくれるのか、楽しみだ。

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