Rani Hatta AW17 都市とスポーティ

インドネシアのデザイナー、ラニ・ハッタによるユニセックスブランドRani Hatta。今季は、渋谷のスクランブル交差点に着想を得て、ミニマルでスポーティなコレクションを作り上げた。

by Sogo Hiraiwa
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23 March 2017, 7:47am

インドネシア発のブランドRani Hattaの2017年秋冬コレクションが、2017年3月22日に東京・渋谷ヒカリエで発表された。
Rani Hattaは、ジャカルタにあるスーザン・ブディハルド・ファッション・スクールを卒業したラニ・ハッタ(Rani Hatta)がその翌年2013年に設立したブランドだ。スポーティでミニマルなデザインが特徴的とされている。

今季のコレクション「CROSSROAD」では、"都市の交差点"から着想を得て、ミニマルなラグジュアリーを打ち出した。首を隠すハイネックのアイテムやヒジャブはあっても、ムスリムらしさは希薄だ。上質のコットンやポリエステルといった素材が軽くてモダンな印象を与えている。また、全ルックを通してモノトーンが基調となっているものの、ヴィヴィッドな赤色の帯がコレクションピース中を縦横無尽に縫うように配され、そこに精彩と動きを生み出した。

この軽さと動的なニュアンスはどこからくるのか? そう訊ねてみるとラニは「いつも自分が着たいと思う服を作っています。つまり、私自身がスポーティなんです。動くのが好きで、高校の頃はバスケットをやっていました」と笑顔で応えてくれた。

今季のテーマ「CROSSROAD」は昨年、彼女が来日時に歩いた渋谷のスクランブル交差点がインスピレーション源になっているという。見知らぬ人、あらゆる人種が絶え間なく行き交い、出会いの可能性が無限にありながらも、つながりが生まれる前に歩き去っていく——そうした交差点という空間は、東京だけでなく、ラニが暮らすジャカルタにも共通する、メトロポリスの象徴なのかもしれない。
ショーノートには「騒がしい強大な都市空間では、静寂(silence)がラグジュアリーになりつつある」と書かれていた。しかし、都市に向けられたラニのまなざしは決して否定的なものではない。街に溢れる音——高校生の笑い声、車のクラクション、巨大スクリーンから流れるヒット曲、耳慣れない言語の会話——は、そのすべてがホワイトノイズとなって、意識から後退していき、いつしか心地よい背景音として馴染んでいく。Rani Hattaのモノトーンは、そうしたホワイトノイズの静けさなのだ。

Credits


Photography Ginjiro Uemura
Text Sogo Hiraiwa

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