封印されてきた幻の音楽フェス、ハーレム・カルチュラル・フェスティバルのドキュメンタリー映画『サマー・オブ・ソウル』が劇場公開

1969年ニューヨーク、ハーレムで30万人の黒人が集まった大規模な音楽フェス『ハーレム・カルチュラル・フェスティバル』が開催。同フェスティバルの50年間封印されたライブ映像がドキュメンタリー映画となり蘇る。

by Kazuki Chito
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25 August 2021, 12:25am

人類が初めて月に降り立った1969年、歴史的音楽フェスとして今なお語り継がれるウッドストックと同じ夏にニューヨーク、ハーレムではそれと同様、またはそれ以上の規模の音楽フェス『ハーレム・カルチュラル・フェスティバル』が開催された。若き日のスティーヴィー・ワンダーやB.B.キング、当時人気絶頂のスライ&ザ・ファミリー・ストーンなど、全米ヒットチャートを席巻していたブラック・ミュージックのスターが集結したその幻の音楽フェスに参加したのは当時、激しい抑圧を受けていた30万人もの黒人たち。アフリカン・アメリカンのミュージシャン、文化人、政治指導者の最高峰が集結し6週連続して開催され、時代を変えたその黒人文化イベントはまさに革命であった。

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この大規模なフェスティバルの存在は130キロ先で開催されていた伝説的ロック・フェスティバル、ウッドストックとは違い、撮影された映像はその夏以降日の目を見ず、50年も地下室に眠る結果となり、この重要な祝祭は今日まで人の目に触れることはなかった。 

しかし今回、5回のグ ラミー賞を受賞し、音楽・カルチャー界の最重要人物であるアミール・クエストラブ・トンプソンの手により、封印されていた同フェスティバルの映像は『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』というドキュメンタリー映画へと変貌を遂げ、復活した。同作品は彼のデビュー作品となり、彼が持つ類まれな知性、洞察力と溢れんばかりのエネルギーにより見事に現代に甦った作品となっている。

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同作品、『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』は躍動感溢れる新たに修復された映像・サウンドと、出演したアーティストおよび参加者への新規インタビューを通して公民権運動の先駆者とブラック・パワー・ムーブメントの新世代が同じ舞台に立ち、ソウル、R&B、ゴスペル、ブルー ス、ジャズ、ラテンを含む広いジャンルの音楽が一つの頂点に達し、 音楽のみならず、文化、ファッション、人生の選択を変えた大きな瞬間を明らかにしている。

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サンダンス映画祭ではオープニング作品として上映され、ドキュメンタリー部門審査員大賞と観客賞をW受賞した同作品は8月27日(金)より劇場公開される。伝説のミュージシャンたちの歴史的ライブパフォーマンスの数々に圧倒されるのはもちろん、子供から大人まで、男女を問わない30万人の人で埋め尽くされ、興奮と熱気に包まれた会場の空気、変革期として重要な意味を持つ1969年当時のアメリカ社会を映し出した本作は、未公開の映像と共に揺れ動く社会の中で正しい道を模索する様を初めて世に問う、これまでにない、貴重なドキュメンタリー映画となっているので是非チェックしてみてほしい。


Information

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•8月27日全国公開
•公式サイト:https://searchlightpictures.jp/
•配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
•クレジット:© 2021 20th Century Studios. All rights reserved.