映像作家UMMMI.による「I AM A VOTER」が公開

本日21日は参院選。クリエイターたちが多数登場し、投票を宣言する動画「I AM A VOTER」が公開された。映像作家UMMMI.のコメントを全文掲載。

by MAKOTO KIKUCHI
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21 July 2019, 4:51am

本日7月21日に公開となった動画「I AM A VOTER」。映像作家のUMMMI.が監修した本映像では、投票を宣言する多くのクリエイターが登場する。音楽を手掛けたのはyayhelのMIRU SHINODAだ。

動画の公開に際して、作家本人からi-D編集部にコメントが寄せられた。ここに全文を公開する。


アタシは今まで生きてきて、褒められるようなことをしてきたわけではない。すごく大切な人を傷つけてしまったり、泥酔して終電後の道ばたで歩けなくなったり、楽しい空間にいるはずなのに突然なぜか泣き出してしまったこともあるし、友人と会う約束をして待ち合わせ場所まで来たのに、急に人と会う気分になれず仮病を言い訳にして逃げるようにしてひとりで帰ってしまったこともある。毎日だいたい何をしていてもびっくりするくらい悲しくて、それはたとえ愛する人が横にいてもそうで(いなかったらもっと悲惨で)とにかくいつも目が覚めるたびに、ああ今日も1日が始まってしまうのだ、と何よりもまっさきに思ってしまう。生きることはほんとうに残酷だ。ほんとうに残酷すぎて、できることなら今この瞬間、逃げ出してしまいたい。正直いままでの人生経験上、平等なんて存在しない、と思う。アタシたちがそれぞれ違った姿をしていて違った思想や好みを持っているように、生まれついて手にいれたものが多い人、あるいは生まれついて手に入れたものが多くなくても努力をできるという才能や資質がある人、あるいは少なくとも、天気がいい日に幸せだと思える気持ちを持っているひと(アタシはすべて持ち合わせていない)挙げしたらキリがないほど、アタシたちはこんなにも不平等な世界で、目に見えない抑圧にさらされている社会で、規模は違えど、苦しみながらも毎日の生活を生き延びていかなければいけないときがある。

それでも、アタシは少しでもマシな社会になってほしい、と本当に本当に、心から願っている。平等なんて存在しないとわかっている世界で、それでも平等な世界になってほしいという気持ちがある。これはしょせん希望なのかもしれない。でも、選挙にいけばこの希望が、現実になるかもしれないのだ。アタシは学級委員だったことがあるわけでも、日々がんばって生活をしているわけでもないのに、こんな自分が、少しでもマシな世界になってほしいだなんておこがましいことを声に出してしまっていいのだろうかともちょっとだけ思ってしまう。アタシはいつも引っ込み思案だし、小学生のときみたいに、今まで生きてきたように、こうゆうときも口をつぐむべき側の人間なのではないのかと思ってしまう。声をあげることはこわい。それでも、弱いひとたちが弱いまま生きられる世界を、誰もが真夜中の道ばたでひとりぼっちで泣くことがない世界を、声をあげることのできない人が声を手にすることのできる世界を、アタシは自分で目にしたいとおもう。すべてがぐるっと変わることなんてない。きっと多くの金持ちは金持ちのままだし、貧乏人は貧乏人のままだろう。でも、生きているひとたちの全体が、誰ひとり取りこぼしのないように少しでも良い方向にあがっていくことは可能なのだ。どんな環境や状態にいるひとでも、生まれ落ちてしまった限り、アタシたちには幸せになる権利があり、なんでもない毎日を祝福して生きていく権利があるのだ。そしてこんな世の中で、いま、アタシたちにできるとりあえずの、もっとも効果的な方法は、選挙しかないのだ。苦しんできたひとこそ、選挙ごときでなにが変わるの?って思ってしまうもしれない。アタシも10代の半ばはそう思っていたし、社会を呪って怒って好き勝手に生きていた。でも、冗談ではなくて、選挙で社会は変わる。ぐるっと政治状況や財政が逆回転するなんてこともきっとない。でも「本当に」「一票によって」日本の社会は変わるのである。いろんな理由で参政権がないひとも、選挙にいけないひとも日本にはたくさんいると思う。その人たちの代わりにも(そしてなぜその人には参政権がないのか?アタシたちにできることはなんなのか?と、頭の片隅では考えながら)参政権を持っているひとは、どんな社会になってほしいか考えて(もしわからなかったら自分の信用できるひと)(あるいはアタシでもいいから)(聞いて)まだ投票していないひとは、選挙に行ってほしい。

アタシも自分になにができるかわからない。毎日は働いたり愛したり落ち込んだりと、とにかく目まぐるしくいそがしいし、自分にどんな力があるのかも、誰を助けられるのかもわからない。それでも少しでも多くの人に選挙に行ってほしいなと思って、周りの信用しているみんなを集めて、周りのみんな(とくにあきくんとハルとミルくん、そして出演してくれた人たち、ありがとう。時間があったらこれを読んでくれている数少ないあたなも撮らせてほしかったです)選挙に向けた映像を作りました。このたった1分の映像がおもしろいのかはたして意味があるのか、これで何が変わるのか、あるいは観てくれるひとがいるのかなんてわかりません。でも、撮るということがすごく自分にとって重要でした。本当は選挙のはじまる1週間前に出したかったけど、上記の通りのだらしなさと日々の忙しさにかまけて、せっかく撮影させてもらった映像は、選挙日に出すというだらしなさぶりです。だけれど、それでも、この世界が、日本の社会が、少しでも柔らかく、そして時には声をあげて闘いながら、みんなが傷つくことのない、社会になってほしいと思っています。そしてそれを実現する、もっとも効果的な方法が、選挙にいくという、アタシたちの1日のなかの数十分の行動なのです。

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