Coach AW17:シアリング、シェルトウ、そしてスマッシング・パンプキンズ

XXLダウンやカントリー・フローラル、ダスティ・カラーのチェックを着た、スチュアート・ヴィヴァースのギャングたちがランウェイに登場。

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feb 20 2017, 1:10pm

Coach 2017年秋冬コレクションのショーでは、サウンドトラックにスマッシング・パンプキンズ(The Smashing Pumpkins)の「1979」が用いられた。90年代の青春時代を彩ったこのアイコニックなアンセムが、「アメリカ郊外とティーンのノスタルジア」というムードを作り出し、Dr. Martensを履いたキッズたちが草原に遊び、親の車を乗り回すという、あの時代を象徴するに至った映像を思い出させた。

野道のようなセットは、太陽に焼け土埃をあげる道を思わせた——MV出てきた、あの風景だ。ランウェイは、雑草やタンブルウィードの草原にできた尾根道のようで、デザイナーのスチュアート・ヴィヴァース(Stuart Vevers)が続けるアメリカン・カルチャーのロード・トリップを反映していた。ヴィヴァースは引き続きカントリーとシティ・スタイルのコードを融合する方向性で進んでいた。しかし、ショーノートによると、今シーズンのCoachコレクションには、カントリーとシティの融合という方向性に加えてさらに「ヒップホップのベース・ライン」という要素も織り込まれたそうだ。ヴィヴァースは、このコレクション制作を前に、ニューヨークに生まれたばかりの時代のヒップホップに魅せられていたという。

デザート・ローズのプリントが広がる特大サイズのダウンジャケットや、シアリングを用いて縦に長い作りのベースボール・キャップ、そして、シェルトウのダックブーツを思わせるラバーソール・ブーツには、アメリカン・アウトドア調と典型的シティ・スタイルが絶妙に融合されていた。

そして、やはりヴィヴァースによるCoachのトレードマークともなっているフローラルやペイズリーのフリル・パッチワーク・ドレスが登場。今シーズンはソフトなブラウンのチェックのルックがデビューした(チェックのプリントは、拡大写真のピクセルのように見え、素朴な印象というよりもモダンな印象を与えた)。また、スタジャン(ウールのパッチやシルク・スリーブが印象的だった)やシアリングのジャケット(2トーンのパープル・バージョンが圧巻だった)など、ヴィヴァースのお気に入りアイテムももちろん見られた。それらジャケットのバック部分からは長くシアリングが覗き、それはカラー(襟)というよりも生革の雰囲気を作りだしていて、典型的アメリカのキュートさとティーンのワイルドな現実逃避の世界観を醸し出していた。

Credits


Text Alice Newell-Hanson
Photography courtesy Coach
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.