70年代初頭の青春、スケート・リンク

まだケータイもなかった70年代の初頭、スケート・リンクで青春を謳歌していた10代を捉え、アメリカ郊外を映し出した写真家がいた。

by Clementine de Pressigny
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17 April 2017, 2:30am

1972年、ビル・イェーツ(Bill Yates)は、サウス・フロリダ大学で写真を学ぶ学生だった。ディズニー・ワールドが1971年にオープンして地域一帯が高級化し、地元の文化が一変するまで、フロリダ州タンパは、労働者階級が暮らす地域だった。ゲイリー・ウィノグランドやダニー・ライオンなど、日常のなかに溢れるシンプルな躍動を捉えたストリート・フォトグラフィの名匠たちに影響を受けたビルは、手に入れたばかりのミディアム・フォーマット・カメラで地元住民を写真に収めたいと、タンパ近郊を車で回った。そんななかで見つけたのが、地元のローラースケート・リンク<Sweetheart Roller Skating>だった。彼は、そこに完璧な被写体を見つけた。なかに入ると、そこには思春期を謳歌している10代の若者たちがいた。

それから40年後、ビルは家族に背中を押されて、当時の写真のネガやプリントを整理しはじめた。そして<Sweetheart Roller Skating>で撮った写真を見つける。彼は気がついた。ここには特別なものが捉えられていたのだと。そこには劇的な変化を経たタンパの街、そして大人になる直前のユースたちの姿があった。好意的な反応が世界中から寄せられ、ビルはそれらの写真を1冊の写真集にまとめることを決めた。そのタイム・カプセルの中から、ビルがi-Dのために作品を選び、公開してくれた。

Credits


Text Clementine de Pressigny
Photography Bill Yates
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.

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