アート界を驚かせた台湾人ジョン・ユウイ

インスタント麺のジュエリーを作ったり、iPhoneの充電器を靴紐にしてみたり——果ては生肉に自分の姿をプリントしたりと、天才的な発想でアート界をアッと言わせる台湾人アーティストが現れた。

by Tish Weinstock
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30 August 2016, 1:05am

ジョン・ユウイ(John Yuyi)は、幼少の頃からずっとものづくりを続けてきた。彼女はなんでも、文字どおり"何から何まで"作ってしまう。彼女のアートワークはガチャガチャみたいなもので、次に何が出てくるかが予測がつかない。

そんなスタイルも、すべては彼女の故郷である台湾の台北から始まった。もとは伝統的な中国スタイルで油絵やスケッチを描いていた彼女だったが、数年前にそれを捨て、水着を作り始め、粘土で作ったオブジェをライクラ素材のワンピース水着にプリントしたシュールなコレクションを発表した。

ファッションデザインを勉強した後、ユウイはニューヨークへと渡り、Jason Wuでのインターンを経験した後、アメリカ版『Vogue』でスタイリングのアシスタントを務めた。しかし、やはり彼女が高く評価されているのは、デザイナーやスタイリスト、画家としての彼女のスキルではなく、デジタルアーティストとしての彼女の作品をもってだろう。インターネットをモチーフとし、ソーシャルメディアを自身のミューズとするユウイの作品には、彼女が現代ユースカルチャーへ向けるまなざしが表現されている。

彼女の作品は、他のアーティストの作品とも違っている。Reebokの靴紐がiPhoneの充電器になっていたり、インスタント麺がノーズリングやイヤリング、ピアスになっていたり、Twitter、Facebook、Instagramなどソーシャルメディアをテーマとしたアイコンがタトゥーになっていたり——「Facebookの投稿を顔にアップ」というアイデアをそのまま具現化した『Face Post』のシリーズなど、どれも独創的だ。

なかでも面白いのは、ユウイが自身のヌード画像を食肉にプリントしたシリーズ、『Skin on Skin』だろう。望むならそれをTシャツにプリントすることもできるというコンセプトなのだが——どうだろう?やってみない理由も思いつかないのではないだろうか?現在は新たな水着コレクション制作に着手しているというこのエキセントリックなアーティストに、話を聞いた。

小さい頃からアートに興味を持っていたのですか?
そうですね、さまざまな形式のアートが好きでしたね。小さい頃に油絵やドローイングを習い始めました。以前は伝統的な中国美術のスタイルが好きだったのですが、不安に襲われてしまうと手が震えて、うまく絵が描けないんです。そんなとき、とても悲しくなるんです。

自分の美的感覚を言葉で言い表してみてください。
カラフル。肌や体。純粋。変わってる。面白い。度肝を抜く。

Face Post』プロジェクトを思いついた背景について教えてください。
学校を卒業したとき、自分のファンページをFacebookに開設したんですが、ファン数が2000人を超えたとき、記念として"Like(イイね)"や"FB"のサインを自分の背中にプリントして、写真を撮ったんです。ただの思いつきで撮った写真だったんですが、それが気に入られたんですね。シリーズとして続けることは考えていなかったんですが、1年後にニューヨークで、「顔にFacebookの投稿をプリントする」というアイデアに行き着いて。それが話題になったんです。

何にインスパイアされますか?
あらゆる時代のひとにインスパイアされますよ。今は多くのものはすでにやり尽くされてしまっていますが、若い世代は新たな創造力をもって、そんな"すでにやり尽くされてしまったこと"に新たな解釈を加えた作品を作り出しています。結局、私がインスパイアされるのはインターネット、ソーシャルメディア、そしてストリートの日常なのだと思います。

Skin on Skin』プロジェクトについて少し教えてください。
『Skin on Skin』は、思いつきで始めたプロジェクトです。友達とスタジオでおしゃべりをしていたとき、「自分の肌を動物の肌に重ね合わせてみるというのはどうだろう?」と、急に思いついたんです。『Face Post』や『Body Post 2.0』と同じです。『Face Post』は、自分の投稿を自分の顔に映し出すというテーマ。『Skin on Skin』は自分の肌を豚の肌に映し出すというテーマ。楽しく、奥が深いプロジェクトですよ。ヌード画像は自分で撮っています。精肉屋に肉を買いに行くのが楽しかったですね。その趣旨が、どうしても精肉屋のひとには理解できなかったみたい。お肉は18日間おいたものを電子レンジで加熱して、そこに私の顔を引き延ばしてプリントしました。緑色になって——本当に面白かったです。

作品を通して伝えたいものは何でしょう?
私の作品がばかばかしいと思われようと傑作と思われようと、私はそこで何かを伝えようとは思っていません。ただ、台湾の若者たちに「恐れずトライすること」「何かを失ってしまうかもしれないと恐れないこと」をメッセージとして届けられれば嬉しいです。台湾人はシャイすぎると思うんです。世界は大きすぎるし、私たち人間は小さすぎる。そこは変わらなきゃいけないと思います。

現在はどんなプロジェクトに取り組んでいるのでしょうか?
すごく実験的な水着コレクションに着手しています!

未来に向けた希望や夢について聞かせてください。
健康で幸せであること、そして結婚して子供がいたらいいですね。

Credits


Text Tish Weinstock
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.

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