©MARC JACOBS

灰野敬二の存在と祈り

i-D Japan NO.2のMUSICの見開きを飾り、Marc Jacobsの広告キャンペーンにも登場した灰野敬二。i-Dは今回、彼に衣服を纏うということについて聞いた。

by i-D Staff
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09 November 2016, 5:35am

©MARC JACOBS

もはや私が行っていることは、音楽とは呼べないかもしれない。私の行っていることは、神秘に私が いる ことを、ただ示しているだけのような気がしてならない。音から始まり、音から溢れ出て、次の何かに向かって、放たれ続けている意志。

しかし私は常に言っている。生きるとは非日常を包含している日常を実践して歩み続けなければならないと。その実践とは自分と自分以外の他者(他物)との関係性。

そう、こう言ってしまおう。 いのる (私の言う祈りとは、あらゆる教義などまったく必要がなく、自分と自分以外の者[物]のために自らを捧げる覚悟)ことを、そこにどのように滲ませることが出来るのか。

それは他者(他物)という意味で観念的ではなく、視線を外に向けた瞬間、自分の一番近い位置にある、この肌に貼りついたり離れたりしている密着している衣、これが第一番目の関係性ではないだろうか?

呼吸という自分の内での第一番目にするべき意識と同時に、すでに肉体を持つ羽目になった私たちが、次に繋げる第一の扉を開けること。自分の内の意識と外との関係性の総合的な結果としての衣服を羽織っていなければ喜びを得られず、流され続けてゆく時間の餌食の欠片になってしまっては、決して永遠の微笑を知ることはないだろう。わたしは、私のこのような個人主義を満たしてくれる衣服を探し続けている。

ここにあったのかな? もし出会えたならばとても幸せだ。

灰野敬二

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Text Keiji Haino

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