ベルリンのインディペンデント・マガジン5選

紙媒体の価値が問われるなか、ベルリンではトレンドにとらわれず独自のカルチャーを発信するインディペンデント・マガジンの存在がアツい。 後世にも残るであろう、いま最も勢いのあるマガジン5冊を紹介。

by i-D Staff
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06 April 2017, 1:00pm

032c
ベルリンカルチャーを牽引しているコンテンポラリー・カルチャー誌。元はクリエイティブ・コンサルタント・チームによるプロジェクトであった。当初は新聞のような紙媒体でリリースされ、トレードマークは赤い四角。パントン・マッチング・システムのカラーコードである"赤"にちなんで『032c』と命名された。ファッション、アート、政治に関する、読者の知性や感性を刺激する特集を組んでいる。ゴーシャ・ラブチンスキーなどデザイナーとのコラボレーション、毎年開催されるGucciとのシークレットパーティやPradaとのインスタレーションなど、インディペンデントからハイファッションまで完全網羅し、常に時代の最先端をリードしている。号を重ねる毎にジャンルを超えた豪華クリエイター陣が集い、より強力かつ大旦なアプローチを見せつけ、瞬く間に不動の地位を確立したと言っても過言ではない。最近では、マガジンの延長線としてアパレルラインも精力的に展開し、各界から注目を集めている。雑誌の枠を超えたクリエイティブ集団、今後も孤高の赤いカバーから目が離せない。
@032c

Lodown Magazine
ベルリンのサブカルチャー、ストリートカルチャーを語る上で外すことができない老舗マガジン。1995年の創刊以来、世界中のアーティストたちが同誌でコラボレーションしており、その中で無名時代のアーティストをいち早く見抜くなど先見の明を持つ一面もある。思わずジャケ買いしてしまうインパクト大なカバーの中に詰め込まれた、視覚を刺激する数々のアートワーク、スケートカルチャー特集から音楽や映画のレビューまで、独自の視点で構築された世界観に多くのクリエイターたちがインスピレーションを受けてきた。これほど長いあいだ、様々なアーティストのクリエイションが一同にひしめき合っているマガジンはそうないだろう。昨年2016年には100号目をリリース、これを機にレギュラーイシューを終了した。それ以降、ユースカルチャーに特化した『YOUTH』やベルリン特集号など、スペシフィックな内容に関するイシューを年に4回リリースしている。これからもカルチャーと共に歴史を刻み続けるであろう。

@lodownmag

ABOVE from Exotism Magazine on Vimeo.(創刊号のドキュメンタリー映像)

『Exotism』
2017年1月に産声を上げた期待の新星、異なるアングルからニッチ&サブカルチャー、ファッションを切り取ったルポルタージュ的マガジン。エディトリアルとドキュメンタリーのギャップを融合する新しい切り口でカルチャーとトレンド、アートのルーツを追求する。記念すべき創刊号はモトクロス・カルチャーについてピックアップ。テーマに沿ったエディトリアルに加え、バイクライフの歴史やエナジードリンクについての記事、モーターバイクとコンテンポラリーアートの関係性について特集している。ベルリンの人気ブックストア<Do you read me?>や<Pro qm>パリの<0fr.>で取り扱っている。今後どう変化していくのか、次号に期待が高まるマガジンだ。
@exotismmagazine

INDIE Magazine
ポップ、ユース、サブカルチャーを3本柱に気になる人物やトピックにフォーカスしたインディペンデント・ファッション・マガジン。編集長のキラ・スタコウィッチの音楽からファッションに目覚めた経験から、特にファッションと音楽をベースとし、クリエイティブなスタイルを発信している。そのポップなデザインから、まさにベルリン版『NYLON』、はたまた『The Face』のようなカルト・ブリティッシュなテイストも併せ持っている。カラフルかつ、オルタナティブなエディトリアルは、ミニマル&ノームコアな現代のベルリンシーンにおいて異彩を放ち、ベルリンのユースたちを魅了しているのだ。各都市を訪れ、その都市にフィーチャーしたイシューをリリースするなど、ワールドワイドに展開中。
@indiemagazine

mono.kultur
ベルリナーから根強い支持を得るインディペンデント・ブックストア<Motto>のスタッフたちが声を揃えてオススメするのが、ベルリン発のクリエイター・インタビューマガジン。2005年にスタートした同誌は音楽、映画、文学、建築、メディアといった広範囲に渡るアート&カルチャーを取り扱う。コンセプトはいたってシンプル「one issue, one artist, one conversation.」。毎号1人のクリエイターにフィーチャーし、厳選されたトピックをベースに深く掘り下げ、じっくりとインタビューを行うのだ。ブレスやフランク・リーダーといったベルリンベースのデザイナーや、ブライアン・イーノ、ガス・ヴァン・サントといった豪華クリエイター陣が本誌に名を連ねる。一貫して美しくコンパクトなA5サイズを元に、インタビューのテーマによって書籍デザインが変わることも注目すべき点だ。人の声は純粋な楽器と謳い、その人のクリエイション、生活、人柄まで丁寧に切り取られた読み応えのあるマガジンである。
@mono.kultur

Credits


Text Yukiko Yamane

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