ファクトリーでの貴重な”肖像”を収めた Screen Tests / A Diary が復刻発売

ジェラード・マランガとアンディ・ウォーホルによる書籍「Screen Tests / A Diary」が、初版刊行から50年という節目の年に、日本限定版という形で復刻発売され、さらにこの復刻を祝って展示会も開催される。

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apr 28 2017, 2:35am

Originally Published in 1967, BY Kulchur Press © Gerard Malanga

1960年代、アンディ・ウォーホルがニューヨークのマンハッタンに構えたスタジオ、通称「ファクトリー」では、ウォーホルの代名詞ともなっているシルクスクリーンの作品や、60年代から手掛けはじめた実験映像などが制作されていた。と同時に、ルー・リードやミック・ジャガーといったミュージシャン、トルーマン・カポーティやアレン・ギンズバーグなどの詩人、モデルのニコやイーディ・セジウィックなど数多くの才能が昼夜を問わず集う、サロンとしての役割も果たしていた。その頃のファクトリーが、ニューヨークのカルチャーシーンにおける中心地となっていたのは周知の通りだろう。

そして、そのファクトリーでウォーホルとマランガが訪問者たちを被写体にして制作していた作品が、固定した16ミリカメラで彼らのバストアップを撮影した映像作品[Screen Tests]だ。また、1967年にはフィルムの一部をプリントした写真と、ファクトリーで初期から作品制作に携わっていたジェラード・マランガによる散文詩が淡々とページを連ねる[Screen Tests / A Diary]が刊行された。カメラを向けられた人々がその前でただジッとしている様子を記録した本作は、ウォーホルが初期に手がけた実験映画として広く知られている。しかし、同年に出版されて高い評価を得た[Andy Warhol's Index (Book)]の陰に隠れてしまい、その在庫も断裁処分されてしまうのだった。

結果として現存する数が極端に少ない、このレアブックが初版刊行から50年目にあたる2017年、復刻版の刊行が実現した。本作品でのさほど変わらない表情が続くフィルムロールから上端と下端のイメージは被写体が途中で切れているラフなトリミングがされたデザインは、キャンバス内で完結しているウォーホルの他の絵画作品とは明らかに異なる性質を持っており、重要な特徴でもある。これはジェラードによるアイデアで、二人の「共作」によって生まれた表現が肖像作品としての斬新さをもたらしており、60年代のアメリカ文化を築いた人々のポートレートという側面からみても非常に価値のあるアートブックに仕上がっているのは間違いない。

本作は日本限定で復刻発売される。さらに、5月12日(金)~6月4日(日)の間、「Screen Tests / A Diary」の復刻に合わせ、展示会も開催。

「Screen Tests / A Diary」
発売日:2017年5月12日
企画・発行:POST(株式会社limArt)
日本限定販売 

「Screen Tests / A Diary」展示会
会期:2017年5月12日(金)ー6月4日(日)12:00-20:00 *月曜休
会場:POST
住所:150-0022 東京都渋谷区恵比寿南 2-10-3

INTERNATIONAL VELVET from [Screen Tests / A Diary] © Gerard Malanga

Credits


Text Yuuji Ozeki