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新フェスティバル〈MAZEUM〉 のために来日する注目すべき3名の女性アーティスト

11月30日(金)と12月1日(土)に京都で開催されるMAZEUMは、日本国内のアーティストに焦点を当てた国際的フェスティバルを目指して始動する。国外から招聘されるアーティストは3名のみで全員女性だ。彼女たちの魅力とフェスティバルのみどころを、主催チームの浅沼優子が紹介。

by Yuko Asanuma
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22 November 2018, 6:47am

©CJHarvey

日本国内では意外に実感されていないが、日本のアヴァンギャルドな音楽やアーティストはこれまでも海外のマニアな音楽ファンから熱い注目と尊敬を集めてきた。日本国内でも主要なメディアや流通ラインには乗らないような、逸脱した作品やパフォーマンスほど、海外では高い評価を受けている。こうした日本が誇る鬼才たちを一堂にショーケースする音楽フェスティバルが日本で開催されたら?そこに海外の音楽ファンたちも集うようになれば素晴らしい文化交流の場になるのではないか?という着想がMAZEUMの出発点だ。そのためフォーカスはあくまでも日本のユニークな音楽文化なのだが、それに匹敵する個性と可能性を持つアーティスト3名を国外から招いた。

音楽的・文化的な多様性と、より公正なジェンダー・バランス実現への願いを込め、3名とも女性だ。まだ日本ではほとんど知られていない彼女たちだが、それぞれのフィールドにおいて先端に立ち、未来のビジョンを持って新たな地平を切り開いている、今後確実に飛躍していく重要なアーティストたち。MAZEUMをきっかけに日本でもより多くの人たちが彼女たちを知り、その活動に触れて刺激を受けてもらえたらと思う。

MOOR MOTHER
「2017年にリガで開催されたSkaņu Mežs FestivalでRoscoe Mitchell (The Art Ensemble of Chicago)、Pharmakonと並び、特に印象に残ったアクトがMoor Mother。Black Quantum Futurismを掲げるCamae Ayewaの今後の動向に期待する」 ーMerzbow

12月1日(土)のOCTAVEでのクラブ・イベントにBLACKSMOKERSやBIM(THE OTOGIBANASHI’S)らと共に登場するフィラデルフィアを拠点とする詩人、ミュージシャン、ビジュアル・アーティスト、アクティヴィストのMoor Motherはノイズ、パンク、ヒップホップ、フリージャズなど、実に様々なスタイルの音楽を傑出した存在感で乗りこなし、その力強い声と言葉でエネルギーを注入していく唯一無二のパフォーマー。現在あらゆるジャンルの同業者やリスナーから熱い注目を集めており、フェスティバルのゲスト・キュレーターを務めたり、個展を開催したり、無数のコラボレーションも行っており多忙を極めている。常に未来を向いていながら、常に歴史や先人たちへの敬意を忘れず、そして地元のコミュニティにも還元していく彼女の活動を追っていると、自分たちの力で世界は変えていけるのかもしれない、と本当に勇気付けられる。すでに時代のアイコンと言っても過言ではない、彼女の初来日公演をぜひ見逃さないでほしい。

SARAH DAVACHI
「Sarah Davachiの音楽は時に”アンビエント”と呼ばれるが、決してそうではない。彼女のドローンはもっと古くから音連れる(おとづれる)。それは人間の作為を超えた物理の響きであり、先史時代の音楽から、宗教音楽、戦後実験音楽、エレクトロニカまでの記憶が宿る、無時間的な一つの場である」 ー山川冬樹

Sarah Davachiの奏でる音楽は、ドローンと呼ばれるもの。無人飛行物体のアレではなく、音楽用語では継ぎ目のない持続音のことを指す。バグパイプやパイプオルガン、シンセサイザーや弦楽器などで演奏される。UCLAで音楽学の博士課程に在籍している彼女は、このシンプルなようで非常に奥深い音の世界をアカデミックに研究しながら、自身も作品を制作しパフォーマンスも行っている。複雑な倍音構造を操り、聴く者の深い心理に働きかけるような微細な感情の変容をもたらし、瞑想に近い状態に誘う彼女の音楽を体験するのに、数ある京都の寺院の中でも最も美しい場所の一つ、法然院という会場を用意した。ある種の神聖さを備えたSarah Davachiのパフォーマンスを、日本の寺院で披露することは彼女にとっても特別な体験となるはずだ。11月30日金曜日の夕方からのコンサートには、日本からは国内でも最高峰の演奏技術を誇りながらジャズの枠を超えた挑戦を続けるピアニスト、スガダイローも出演。対照的な演奏手法を用いながら、孤高の音楽表現を追求する二人の、寺院を舞台にした共演は非常に貴重なものとなるだろう。

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©Dastan Zhumagulov

Nazira
「Naziraのミックスを初めて聞いたのは、今年の2月に公開されたDiscowomanのポッドキャストでした。誤解を恐れずに言えば、カザフスタン、というか中央アジアにこんなかっこいいDJがいたのか!?と衝撃を受けました。テクノのレコードが買えるお店とかあるんだろうか…?と。(あったらすみません!)その後夏にベルリンに行った時にちょうど彼女が://about blankでプレイしていたので聴きに行ったら、凶暴なテクノ~エレクトロ~レイヴでベルリンのクラバーたちをガシガシ踊らせていて、そのパワーに圧倒されました…。こんなに早く来日が実現するとは思いませんでした、しかも日本が誇るDJ NOBUとの共演です。皆さんも是非Naziraのプレイで衝撃を受けてみて下さい」ー RA Japan 直嶋智子

カザフスタンのアルマティを拠点に活動するNaziraは、まだ20代でありながら「ニュー・イースト」、旧ソ連圏における新たなエレクトロニック・ミュージック・ムーブメントを牽引する輝かしく頼もしい存在だ。既にMixmag、Pitchfork、Resident Advisorといった重要音楽メディアで特集が組まれるなどして紹介されてる。地元アルマティでは2016年からZVUKというDIYイベントをオーガナイズし、レジデントDJを務めながらVia App、An-i、Giant Swan、Don’t DJといった一癖も二癖もある気鋭アーティストたちを招聘。文字通り、自らの手でシーンを築き上げている。レフトフィールドなテクノ、エレクトロ、アシッド、インダストリアルなどの尖ったサウンドをパワフルにミックスしていくDJとしてのスキルも高い。既にヨーロッパでは活躍の場を広げており、オンライン・ラジオ、Radio Cómemeで月一のレギュラー番組を担当し、ベルリンの先進的クイアー・パーティー、Room 4 Resistanceのレジンデントも務めている。11月30日金曜日に京都の老舗クラブMETROで開催されるオールナイト・イベントでは世界的に活躍するDJ NOBU、神戸のベテランDJデュオhalptribeと肩を並べる。

MAZEUM
日程:2018年11月30日(金) - 12月1日(土)
会場:法然院、METRO、極楽寺、UrBANGUILD、誓願寺、OCTAVE
入場:¥9,000(2days)、¥4,500(各日デイタイム)、¥3,000(各日ナイトタイム)

DOMMUNE〜京都で始まる新たなフェスティバルMAZEUMスペシャル〜
日時:2018年11月28日(水)
19:00〜 トークセッション
w/ DJ NOBU (FUTURE TERROR), JUBE (BLACK SMOKER RECORDS), 浅沼優子/聞き手:Jun Yokoyama
21:00〜 パフォーマンス
DJ: KILLER-BONG (BLACKSMOKER RECORDS), Torei (from Kyoto)
LIVE: Moor Mother (from Philadelphia, US)
会場:DOMMUNE
住所:東京都渋谷区東4-6-5 ヴァビルB1F
入場:¥2,000

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