南ロンドンの悪ガキ5人組、シェイムが東京で大暴れ!

サウスロンドンから世界に挑む、ゴート・ガール、ソーリー、HMLTDたちの先頭に立つ期待の5人組、シェイムがついに来日公演を実現。人懐っこい性格で愛嬌を振りまくボーカル、チャーリー・スティーンと、冷静沈着なギターのショーン・コイル=スミスに話を聞いた。

by Ayana Takeuchi
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03 December 2018, 4:00am

2011年に結成され、イギリスのギターロックシーンに新たな可能性をもたらした悪名高きバンド、ファット・ホワイト・ファミリーを覚えているだろうか?そんな彼らから寵愛を受けた悪ガキ5人組のシェイムが、11月8日新代田フィーバーにて、待望の初来日公演を行った。

2014年に活動を開始したシェイムは、ほどなくして南ロンドンのブリクストンにあるライブハウス“ウィンドミル”で準レギュラーナイト「チムニー・シッターズ」を主宰。そこでは、ヘッドラインを務めるだけでなく、お気に入りの若手バンドを続々と前座に起用し、ゴート・ガール、HMLTD、ソーリーなどの精鋭たちとともにライブを重ねた。そして、そのエネルギッシュなパフォーマンスが高評価を得て、彼らを可愛がっていたファット・ホワイト・ファミリーはもちろん、ザ・ガーデン、スレイヴス、ウォーペイントなどの前座に抜擢されることに。2017年には130公演以上をこなし、みるみるうちに実力派ライブバンドへと成長した彼らが、ついに東京のステージで大暴れ!ライブの直前、メンバー全員で協力し合い、物販用のTシャツにスプレーペイントをし終えると、ボーカルのチャーリー・スティーンとギターのショーン・コイル=スミスが、インタビューに応えてくれた。真っ黒な手でもお構いなしに、ビールとスナックへ手を伸ばしながら。

──まずは、日本の印象からおしえてください。

チャーリー・スティーン(以下チャーリー):最高だね!着いたその日にカラオケで飲むこともできたし、ラーメンにも行けたよ。途中、道路を走るマリオカートを目撃したんだ。
ショーン・コイル=スミス(以下ショーン):あれは、興奮したよね。ツアーでいろんなところを訪れたけど、これまで行った国のなかで一番イギリスと違うのが日本だね。素晴らしいよ!
チャーリー:まるで未来に来たみたいな感覚というか。ここにいるのが信じられないな。昨日はヴィンテージショップにも行けて大満足だよ。
ショーン・コイル=スミス(以下ショーン):僕は今日着てるジャケットをゲットしたんだ。

──かなりエンジョイしていますね。2人ともファッションは好きですか?

チャーリー:まだ21歳でファッションの知識があるわけではないけど、好きだよ。
ショーン:イギリス人は全然おしゃれじゃないけど、日本人はすごくクールだよね。

shame
左上からチャーリー・スティーン(Vo.)、ショーン・コイル=スミス(Gt.)、チャーリー・フォーブス(Dr.)、ジョシュ・ファインアティ(Ba)、エディ・グリーン(Gt.)

──バンド名のShameは「恥ずかしい思い」を意味しますね。どうしてこの英単語を選んだのでしょうか?

チャーリー:サウスロンドンにファット・ホワイト・ファミリーが拠点にしていた“クイーンズ・ヘッド”というステージを併設するパブがあるんだ。そこで初ライブをしたときに、ドラムの(チャーリー・)フォーブスのお父さんが、命名したんだ。

ショーン:皆、あれこれ真剣に考えすぎず、「いいね!」って満場一致したよね。自分たちを揶揄う、イギリス人らしいユーモアがあって気に入っているよ。

──デビューアルバム『ソング・フォー・プレイズ』では、ダン・フォートとネイサン・ボディというテクノ畑のプロデューサーに依頼しているのが意外でした。普段どんな音楽を聞いていますか?

チャーリー:メンバーそれぞれ色々な音楽を掘っていて、新旧問わず何でも聞くよ。アルバムについては2人に依頼するまで、実は7人のプロデューサーにお願いしたけど、どのひともしっくりこなかったんだ。

──どんな点で上手くいかなかったのでしょう?

ショーン:僕たちもレコーディングに慣れてなかったから、目指すべきサウンドを試行錯誤しながらやっていて、やり方がわかってなかったのもいけなかったね。けど、ダンとネイサンに出会って化学反応が起こったんだ。ジョイ・ディヴィジョンやハッピー・マンデーズと仕事をしていた、マーティン・ハネットってひとがいて、彼のエレクトロニックなアプローチを参照することにした。

チャーリー:おかげでドラムとベースが脈打つ理想のサウンドにできたね。あと、短期間で進めてくれるのも良かったんだ。なかには、半年ずっとレコーディングしようとするプロデューサーもいて、それは全然無理だったな(笑)。

ショーン:メンバー全員、小さい頃から仲のいい友達だから、ずっと一緒にいるのは問題ないんだけど、予算的に厳しかったね。ダンとネイサンは、僕らの輪にすっと馴染むことができる人柄も最高だったよ。

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──アルバムは、あなたたちが16、17歳のときに書いた曲が収録されていますね。そこから4年が経ち、心境の変化はありますか?

チャーリー:ティーネイジャーのときは、タバコを吸って、ピザを食べて、マリオカート三昧という生活だったから、女の子ともまともに付き合ったこともなくて、コンプレックスだらけだった。ライブでも体重を気にして、Tシャツを脱げなかったくらい(笑)。学校では将来のことを考えさせられるし、10代特有の不安を抱えていたけど、ライブを重ねるうちに殻を破ることができた。当時は、こうして東京でプレイするなんて考えられなかったよ!

ショーン:ブリクストンのパブで曲を書いて、演奏する毎日を過ごしていて、サウスロンドンの外でプレイすること自体想像できなかった。今ツアーで東京に来て、この状況がジョークみたいな、現実離れしたものに感じられるね。

──結成から現在まで、あなたたちがバンドを続けるモチベーションは?

ショーン:バンドを始めたからには、より良くしたいということかな。ライブでもっと良い演奏がしたいし、もっと良いレコードを届けたい。

チャーリー:僕は、パブで働くよりこっちのが全然マシということかな(笑)。

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──アルバム収録曲の『ザ・リック』と『ゴールド・ホール』は、映画『ジャッキー/ファースト・レディ最後の使命』のサウンドトラックを手がけるプロデューサーのミカ・レヴィが、ミュージックヴィデオの監督をしていますね。どうして彼女に依頼したのでしょうか?

チャーリー:もともと友達だったんだけど、彼女の奥さんのレアがアイディアを出してくれたんだ。ミュージシャンとしてだけでなく、人としてもリスペクトしているひとだから、ぜひお願いしたいと思ったね。

ショーン:あの映画のサウンドトラックはオスカーにノミネートされたのもあって、今すごく忙しいひとだよ。

──“ウィンドミル”で切磋琢磨していたゴート・ガールは、社会への不安を曲にしていますね。アルバム未収録の『ヴィザ・ヴァルチャー』という曲がありますが、移民政策について歌っているのでしょうか?

チャーリー:そうだよ。当時、テレーザ・メイが首相に当選するんじゃないかと噂されている時期だった。さらに、僕とジョッシュが、TVパーソナリティズというバンドにハマっていて、政治への不満をユーモアのある表現で歌った彼らの姿勢にも影響を受けて、曲にしたんだ。

──最後に“ウィンドミル”で新たな地殻変動が起こっていたらおしえてください。

チャーリー:一緒にライブをしていたゴート・ガールや、ソーリーHMLTDはアルバムを出したり、ツアーに出て世界で活躍している。その次として、ブラック・ミディジョックストラップメラが精力的にライブをやっているよ。

Credit


Photography Celine O'Connor
Text Ayana Takeuchi

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