女性写真家のまなざしは、うつろう2020年の世界をどう写しとるのか?

厄災とともに始まった2020年。そんななかでも写真家たちはイメージを撮り続ける。日本をルーツに、各方面で活躍する5人の女性写真家たちがまなざすもの、そしてシャッターを切り続けるモチベーションとは。

by i-D Japan
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21 August 2020, 9:52am

写真研究者の小林美香が、写真や映像を表現手段としてきた女性の芸術家たちは「社会の中での女性のあり方や、ジェンダーに関わる問題を考えるうえで重要な視点を提示している」と、本誌に語っていたことを思い出す。

世界的なCOVID-19のパンデミックや、マイノリティへの抑圧、SNSの負のエネルギーの顕在化など、2020年を生きるわたしたちに投げかけられている問題は数え切れない。そんななかで「女性のまなざし」は何を見つめているのか?

そんな疑問に、今回参加してくれた写真家のソノダノアは、自分にとってのフィメール・ゲイズを「世界をみるとき、何かを選択するとき、視点の重心が自分の内側にあるかどうかを問う姿勢のことなのかなと思う」と答えてくれた。

男性中心的な価値観やものの見方が根強い社会のなか、多くの女性の写真家たちは闘い、〈当たり前〉に異議を唱え、多様なフィメール・ゲイズのありかたを提示してきた。彼女たちは語らず、シャッターを切る。イメージを撮り続ける。生活のなかのふとした眼差しのあり方を問うている。

5人の日本人写真家たちに、シャッターを切る理由を聞いてみた。

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上田桐子

「興味深く人や物事を見つめながら、いろいろな写真表現に挑戦して新しいイメージを作り続けていきたい」

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ソノダノア

「煮詰まった自我を介入させない透明な管みたいになって撮った写真には、時々どういう訳だかかつての小さな私が見ていたあの驚きに満ちていて、私に向かって爆発的に開いている無限の世界が写っているように見えることがあって。写真を撮る動機はいくつかあるけど、今真ん中にあるのはそういう得体の知れなさへの好奇心なんだと思う」

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高橋夏海

「写真を撮るモチベーションもインスピレーションも被写体に対しての言葉に表せない内からくる衝動的なもの」

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Kanade Hamamoto

「写真を撮ること自体は生活の一部ですが、図書館で読む専門書、友人との会話、SNSでのやりとり、電車で隣から聞こえてきた知らない人の会話など、気になった言葉から着想を得ることが多いです」

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八木咲

「月が沈んで朝が来る時の、刻々と変わりゆく空の青を知っている。誰にも知られずに、咲き、朽ち、また芽吹く、あの美しい花を忘れたくない。季節の巡り、流れ行く雲や雨の音、消えてしまいそうな光。当たり前のような記憶たちを、大切に紡ぎ、美しく在りたい」

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