Photo credit by JOHNNY EGGITT/AFP via Getty Images.

ダイアナ妃のアイコニックなルック7選

サイクリングショーツとスウェットシャツ、英国王室の永遠のアイコンを象徴するルックを、プリンセス・ダイアナの人生とともに振り返る。 

by Roisin Lanigan; translated by Nozomi Otaki
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18 August 2021, 1:00am

Photo credit by JOHNNY EGGITT/AFP via Getty Images.

言うまでもないが、君主制は腐敗した時代遅れな制度であり、圧政、帝国主義、植民地主義によって定義される、厄介で無益で金のかかる過ぎ去った時代の名残だ。これはいくら強調しても強調し足りないが、私自身を含め、私たち英国民は決して英国君主制のファンではない。私たちは90年代のファッションアイコン、ダイアナ妃のファンなのだ。

タブロイド紙に追い回され、国民の注目を一身に浴びたダイアナは、誤解された悲劇的な人物として名を残している。報道番組『パノラマ』のマーティン・バシールによる悪名高いインタビューをのぞき、不幸な結婚生活について打ち明けることも叶わなかった彼女は、執拗なパパラッチに追われた挙句1997年8月の交通事故で非業の死を遂げるまで、プリンセスにはふさわしくない、ひどいときは〈上流社会での社会的自殺〉などと揶揄された慈善活動を通して、自らの考えを発信し続けた。彼女がこの世を去ってから20年以上経った今も、1990年代前半にエイズ患者の男性の手を握ったり、アンゴラの地雷原を歩いたり、インドでのチャリティ活動でハンセン病患者を抱きしめる彼女の姿は、私たちの心に深く刻まれている。

このようなダイアナの写真は、意外にもSNS、特にInstagram上に多く残っている。彼女の死後に生まれたZ世代のティーンエイジャーが運営するファッションアカウントで、ダイアナは90年代英国ファッションを象徴する存在となっている。彼女が残したファッションの影響は絶大で、しばしばヘイリー・ビーバーのプライベートスタイルとも比較され、2020年8月にはダイアナのパパラッチ写真から着想を得た『Vogue』によるヘイリーのフォトシュートが公開された。

メーガン・マークルがその革新的で反君主制的な存在感で私たちを魅了するまで、私たちが唯一尊敬する宮殿の〈ビッチ〉の座に君臨し続けたプリンセス・ダイアナの不朽のルックを振り返る。

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Photo by Steve Back/Getty Images.

1980年〈きわどい〉お仕事スタイル

チャールズ皇太子がダイアナ・スペンサーという女性と恋人関係にあるというニュースが流れると、カメラマンたちは未来の王妃をひと目見ようと、当時彼女が勤めていた幼稚園に殺到した。今となっては信じがたいが、長年の王室フォトグラファーがとらえた仕事中のダイアナの写真は、上品なバイアスカットのシフォンスカートから足のラインが透けて見えていたせいで、かなりスキャンダラスなものとみなされた。女性の足をめぐり国民が呆れるほど大騒ぎした一件に触れ、フォトグラファーのアーサー・エドワーズは、この逆光写真についてこう訴える。「断言しますが、わざとではありません。彼女に恥ずかしい思いをさせたかったのではなく、公開せずにはいられないほど良い写真だったんです。誰も信じてくれませんが、それが絶対的な真実です。撮影中に日が出てきて、美しい足があらわになった。そのおかげでアイコニックな写真になったので、太陽が出てきたことにはいろんな意味で感謝していますよ」これ以上説明は要らないだろう。

 

1981年 ウェディングドレス

現在のセレブの結婚式(もしくはロイヤルウェディング)が、メディアがつくりあげる一大イベントなのは周知の事実だ。しかし、このような結婚式への熱狂はプリンセスダイアナ、もっと正確に言えばダイアナのウェディングドレスから始まった。デヴィッド・エマニュエルとエリザベス・エマニュエルがデザインした1981年の超ロングトレーンのドレスは、ファッション界でもっとも厳重に守られた秘密のひとつだった(結婚式の様子がテレビで放映されるやいなや、数時間以内に世界中でレプリカが作られたことを考えれば無理もない)。

アンティークレースがあしらわれたアイボリーのシルクタフタのドレスは15万1000ポンド(現在のレートに換算すると約5400万円)で、約6メートルのトレーンと140メートルものチュールを使用したベールは瞬く間に話題を呼んだ。いかにも80年代らしい、実用性を度外視したこのドレスは(トレーンは4頭立ての馬車に収まらず、ダイアナ自身もその重みに耐えなければならなかった)今なお色褪せない魅力を放ち、2018年には『タイム』誌の〈史上もっとも影響力のあるロイヤルウェディングドレス〉のひとつに選ばれた。

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Photo by Tim Graham Photo Library via Getty Images.

1981年 博物館でのうたた寝

正直なところ、あまりにも退屈なアフターパーティー、もしくは退屈な博物館で睡魔に襲われないひとがいるだろうか? ネット上のバズはまだ存在しなかったこの時代、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館の夜会の途中でうとうとする若きプリンセスの写真がタブロイド紙を独占したのは、チャールズ皇太子との結婚からわずか3ヶ月後だった。この平和なうたた寝は現代版〈眠れる森の美女〉と称えられ、ダイアナ妃お気に入りのデザイナー、デヴィッド・サスーンが手がけた花柄のイブニングドレスも一躍脚光を浴びた。

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Photo by Tim Graham Photo Library via Getty Images.

1988年 スポーツデー

ダイアナが他のロイヤルファミリーと一線を画し、人びとの記憶に残り続けている所以は、息子のウィリアムとハリーとの強い絆だろう。冷淡でよそよそしいイメージのあるロイヤルファミリーが多いいっぽうで、若き王子たちへの愛情を隠すことのない彼女は、君主制の伝統的な基準における模範というより、等身大の母親という印象が強かった。

この写真のように、ポロの試合で幼いウィリアム王子とお揃いのコーディネートを披露したプリンセスは、あまりにも〈普通〉すぎるという点で革新的だった。子ども連れでジーンズとチャリティセーター(上の写真は〈英国肺財団(British Lung Foundation)〉のもの)を着る母親は特に珍しくないが、特別なのはこの親子がロイヤルファミリーであるということだ。ご覧の通り、カーボーイブーツとブレザーが慌ただしい子どもの送り迎えルックに抜け感をプラスしている。

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Photo by Anwar Hussein/WireImage.

1990年代 ジムルック

ダイアナ妃の登場まで、英国のロイヤルファミリーは今よりずっと浮世離れした存在とみなされていた。それこそが、スウェットシャツ、ダッドスニーカー、分厚い靴下、サイクリングショーツを愛用する彼女のカジュアルなジムルックが、これほどアイコニックな理由のひとつだ。彼女のルックは洗練された、完璧にコントロールされたロイヤルファミリーの世間的なイメージとはあまりにもかけ離れていた。しかし、もうひとつの理由は、彼女のカジュアルな服装そのものがアイコニックだった、ということだろう。今、これらのアイテムがカムバックを果たすなか、昨年夏の『Vogue Paris』でヘイリー・ビーバーがこのスタイルにオマージュを捧げ、ダイアナのジムルックを彼女らしい休日スタイルで2020年に蘇らせた。

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Photo by Tim Graham Photo Library via Getty Images.

1994年 リベンジ・ドレス

世間から見たダイアナの人生は、彼女のファッションを通して振り返ることができる。うら若い、内気な王子のフィアンセとして英国王室に加わったときは、たいていは花柄で、やや場違いで着心地が悪そうにも思える、いかにもプリンセスらしいタフタドレスや手の込んだ繊細なアイテムを着用していた。だからこそ、離婚目前の彼女が着たクリスティーナ・スタンボリアンによる真っ黒(英国王室では伝統的に喪服でしか着ない色)なオフショルダーのシルクドレスは特に注目を集めた。チャールズ皇太子がカミラ夫人との長きにわたる浮気を認めたこの日、サーペンタイン・ギャラリーで彼女がまとったこのドレスは〈リベンジ・ドレス〉と名付けられ、その後Instagramで失恋後のリベンジを象徴するアイテムとなった。

1997年 ヨットのスウィムスーツ

気楽でアイコニックなホリデーファッションといえば、このドディ・アルファイドの17万1000ポンド(当時のレートで約3300万円)のヨットにのるダイアナのルックだ。サントロペで、背中の空いたスウィムスーツを着て飛び込み台に腰掛けるダイアナのこの写真は、亡くなるわずか数ヶ月前に撮影されたもの。豪華ヨットでのロマンチックな休暇をパパラッチにしつこく追い回されながらも、彼女の表情は穏やかで自信に満ちている。20年以上経った今も、この写真は無表情でヨットから海に飛び込むビヨンセのミームと同様、究極の休日の象徴であり続けている。

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