ヴァージル・アブローが残した哲学を紐解く対話集『ダイアローグ』が発売

2016年から2021年までのインタビューや対談、座談会9本を厳選収録した日本オリジナルで制作された本書は、ヴァージルを知る近道のひとつになるだろう。アダチプレスより2022年7月15日に刊行され、同日には刊行記念のオンライントークイベントも開催。ぜひ一冊手に取り参加してほしい。

by Noriko Wada
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14 July 2022, 4:37am

「あなたのおかげでどれだけこの世界がおもしろくなったことか」。『ダイアローグ』の訳者である平岩壮吾のあとがきに寄せられた言葉である。この一言に集約される事項は膨大だ。2021年11月28日に心臓血管内腫のため41歳でこの世を去ったヴァージル・アブローが、私たちに残したものはとてつもなく大きい。Off-Whiteでストリートとラグジュアリーを融合し、Louis Vuitton初のアフリカ系デザイナーに就任した彼のアイデアや仕事術、思想、生き方、黒人としてのアイデンティティ……対話集『ダイアローグ』にはそれらがあますところなく凝縮されている。

本書は、米メンズファッション誌『Essential Homme』に掲載された現代美術家のトム・サックスとの対話「クールとはなにか?」をはじめに、ベルリンのインディペンデント誌『032c』に掲載された、同誌と『Interview Magazine』の元リード・エディターで『SSENSE』の現編集長トム・ベットリッジとの対話「デュシャンは私の弁護士」と続く。その他、キュレーターのハンス・ウルリッヒ・オブリストとの対話「Tシャツだから苦い薬も飲み込める」、建築家のレム・コールハースとの「物をもたない時代の消費主義」、IKEAとのコラボレーションにまつわるインタビュー「観光客と純粋主義者のあいだ」、『Real Review』編集長で建築家のジャック・セルフとの対話「権力を溶解させる」、「Virgil Abloh: "Figures of Speech"」展の空間デザインを手がけたレム・コールハース、サミール・バンタルとの対話「建築のあとで」、パリのファッション批評誌『Vestoj』編集長のアンニャ・A・クロンバーグとの対話「100パーセント」の7本。そして、「100パーセント」同様アンニャが聞き手を務めた生前最後のロングインタビュー「黒人の正典を定義する」で締めくくられる。

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訳者の平岩壮吾は『i-D Japan』編集部に在籍し独立した編集者・ライターであり、訳書は本書が初となる。翻訳にあたり「ヴァージル用語」と言えるような独自の言葉遣いに苦労したと語り、「原文の歯ごたえを残しながらいかにリーダブルな日本語にできるか」を意識し、服飾学校の1年生にも読んでもらえる訳文を目指したという。

ヴァージル・アブローの哲学とヴィジョンを知る手がかりとなる『ダイアローグ』の刊行を記念し、発売日7月15日に平岩と『“複雑なタイトルをここに”』訳者のYoshiko Kurataとのオンライントークイベントが開催される。さらに7月25日には代官山蔦屋書店でROGICデザイナー、Off-White TokyoのMAOと朝日新聞記者・後藤洋平に司会で平岩が参加するオンラインとオフラインのトークイベントも。ヴァージルの言葉を仲介した彼らのトークを聞いて、この一冊を手に取ってみてほしい。

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『ダイアローグ』
著者:ヴァージル・アブロー
訳者:平岩壮悟
版元:アダチプレス
発売日:2022年7月15日から全国の書店で並びはじめます
価格:1,800円(税別)
仕様:A5変型判、並製、200ページ
ISBN:978-4-908251-15-3
https://adachipress.jp/dialogues/

刊行記念イベント
FashionStudies®︎オンライントークイベント
7月15日(金)18:00 - 19:30
ゲスト:平岩壮悟(『ダイアローグ』訳者)+Yoshiko Kurata(『“複雑なタイトルをここに”』訳者)

「ヴァージルが見つけたこと、残したもの」
7月25日(月)19:30 - 21:00、代官山蔦屋書店トークイベント(オフライン&オンライン)
MAO(ROGICデザイナー、Off-White Tokyo)+後藤洋平(朝日新聞記者)+平岩壮悟(司会)

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