Sik-K Photo by Yoon Jiyong

ファンからコラボレーターに。5年越しに叶えた特別な夢:Sik-K interview

「VERBALさんに明洞駅で自分のデモテープを渡したことがあった」僕らは誰もがファンから出発している。

by YOSHIKO KURATA; photos by Yoon Jiyong
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03 April 2020, 10:30am

Sik-K Photo by Yoon Jiyong

2004年から2008年にかけて、m-floが当時まだ日本の音楽シーンでは知られていなかった「フューチャリング」を総勢41組の豪華アーティストと仕掛け、一世風靡した”loves”プロジェクト。そんな挑戦的なプロジェクトが、2020年3月6日に世代と国境を越え新曲「tell me tell me」をドロップした。フューチャリングのお相手となったのは、日本のR&B/J-POPシーンで活躍する向井太一とeill、そして韓国ヒップホップシーンの若手実力派・Sik-K。m-floの大ファンだというSik-Kに明洞駅でのm-floとの意外な出会いから、将来像について語ってもらった。

「実は5年前、VERBALさんに明洞駅で自分のデモテープを渡したことがあるんだ。最初はデパートのエスカレーターでVERBALさんを見かけて、また明洞駅で遭遇したからいきなりだったけど、思い切って声をかけて。今回その話をしたら覚えてくれていて嬉しかったよ」。

照れながらも、m-floとの最初の出会いについて語るSik-K。デビューから7年目にして、彼は韓国ヒップホップ界で見逃せないR&Bシンガーソングライター / ラッパーのひとりになっている。

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2013年にインディペンデントデビューしたのち、2016年に初のフルEP「FLIP」を発売。そして2017年に彼の恩師であるJay Parkが設立したレーベル・H1GHR MUSIC RECORDSの第一弾アーティストとして、Crush、Simon Dominic、The QuiettやDPR Liveなどを招き、EP「H.A.L.F (Have.A.Little.Fun)」をリリースした。このEPをきっかけに、ヨーロッパやアメリカでツアーを開催するなど国内外で音楽活動を広げるほか、 OFF-WHITE 20-21年秋冬のメンズコレクションにモデルとして登場するなどファッションアイコンとしても注目を浴びている。

「10代の頃から勉強よりもアートや音楽に夢中で、高校二年生の時に自分で機材を買って曲を作り始めたのが音楽とのきっかけ。勉強熱心な父親にはよく怒られていたけど、デモテープを作っては周りの友人に渡しまくってた。その習慣からいつでもデモテープを人に渡せる感じだったんだ」。

その”作り続ける”日々のルーティンは、スタジオ付きの家にこもることで今でも続いてる。というか、そうであったからこそ、飛躍的な活躍に彼の実力が燃え尽きることはなかったのだろう。「周りの友達から、ハードワーキングなんだね。とよく驚かれる(笑)。でも、自分からしてみれば、アーティストとして音楽を作ることが唯一の使命だと思って生きてるよ。逆にそれ以外やることがないって言ってもいいくらいにね」。

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しかし、そうは言ってもまだ無邪気な20代の間に音楽へシリアスに向き合い続けることやフロントマンとして前に出続けることに疲れたりすることはないのだろうか?「音楽は……ただ単なる仕事。なんていうのは冗談で(笑)。高校生の頃に遊んで楽しみながらつくっていた感覚がずっと残っているから、音楽は”初心に戻る”ための居心地の良いスペースなんだ。だから辛くなったことはなくて。むしろエネルギーチャージになってるよ」。

そんな努力家の彼は、デビュー当時から今までにSimon Dominic やThe Quiettなど数々のミュージシャンとのコラボレーションを行ってきた。もちろん今までのコラボレーションも彼にとって欠かせないものだが、今回のm-floとのコラボレーションは特にスペシャルなものだったようだ。

「Instagramのアカウントを作って、最初にフォローしたのは m-floのメンバー。そのくらいずっとファンで、まさか5年経ってコラボレーションできるなんて夢にも思ってなかったよ。m-flo以外にもANARCHY、AKLO、SALUなどをはじめに日本のヒップホップシーンは、デビュー前から自分に影響を与えてきたもの。そのシーンに自分も共演できたなんてやばい」。日本に住むことまで考えるほど、実際に来日して撮影したMVで共演者とフラットに世代や言語を越えて感覚を共有できたことに感激したという。

実力で勝負する彼が描くさらなる野望は、常に周りへのリスペクトから生まれる。「将来は、恩師であるJay Park、そして尊敬するm-floの皆さんのようにファッションや音楽の垣根をこえて、世代や国関係なく化学反応を起こさせるような存在になりたい。彼らはそういう概念がない時代から、世界中を巻き込んだ新しい表現やプロジェクトに挑戦してきたよね。本当に凄い。まだ年齢的にはそういう挑戦に参加する側だけど、将来はアジア全体を巻き込んでグローバルに発信する側になりたくて。でもこの時代なら、きっとみんなもそういう夢を描いているはずだよね?」

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Credits

Text Yoshiko Kutara
Photography Yoon Jiyong
Styling Park Anna

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