田島ハルコ「同じシーンでも分断の気配を感じざるを得ない心苦しさがある」【離れても連帯Q&A】

ギャル魂とDIY精神をあわせ持ったニューウェーブギャルラッパー田島ハルコが語る、コロナ禍にオススメの映画と音楽シーンの多様さ。〈離れても連帯〉シリーズ第23弾。

by Haruko Tajima and Sogo Hiraiwa
|
22 April 2020, 10:00pm

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大によって、日本ではいま、多くの文化施設が休業を強いられ、感染防止対策として、あるいは政府による“自粛の要請”によって。また「ステイ・ホーム」や「ソーシャル・ディスタンシング(距離をとること)」が求められ、人と人とのコミュニケーションはいまだかつてなく制限されています。

こうした中でわたしたちには何ができるのでしょうか。文化を維持するために、好きな人や場所を守るためには何が? 離ればなれであっても連帯するには? この"非日常"を忘れないためには? さまざまなジャンルの第一線で活躍している方々にアンケートを実施し、そのヒントを探ります。

今回はミュージシャンの田島ハルコが登場。星野源「うちで踊ろう」コラボのなかでも一際異色の「うちで暴れな」を披露した田島は、音楽シーン担う作り手たちも一枚岩ではないという。

離れても連帯, KEEP-DISTANCE-IN-SOLODARITY

──新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、今あなたが属している業界や産業はどんな打撃を受けていますか? 応援・支援するにはわたしたちに何ができるでしょう?

田島:まず、誰にとっても表現をすることがごく自然な行為である現代において、生活者がミュージシャンだったり何らかのクリエイターであることはごく当たり前のことだと思います。音楽の「産業」がコロナで打撃を受けていても、実際音楽を作って生活の中でアウトプットいる人々の生業はそれぞれですので、同じことをやっている人々のシーンでもそこはかとなく分断の気配を感じざるを得ない心苦しさもあります。しかし、そんな我々にとって必ず必要で、必ず帰って来なければいけない場所はライブハウスやクラブです。個人単位でできる支援もそうですが、今後国家という単位がこういった場所に対してどのように働きかけていくか、注意深く見ていく必要があると思います。

──自宅待機以降に新しく始めたこと、もしくはポジティブな影響・変化がありますか?

田島:普段あまり会わない人をこれを機にZoom飲みに誘ったり、むしろ普段より社交的になってるかも。自粛が果てしなく続いても案外平気じゃないか?と思うことすらあります。しかし、この状況を幸福と捉えたいとは思っていません。いかなる理由であっても、制限されることが人間にとっていい影響を及ぼすはずがないと私は思っています。

──コロナのビフォー/アフターで、変化した自分の考え方や、社会への認識があれば教えてください。

田島:日本の社会はこんなにも恐ろしい速さで後進していたのか……というようなことに気づかされることがしばしばあり、その都度青ざめたり焦るような変な気持ちになっています。一方で、今は何かを発信する場がほぼSNSに限定されてしまっており、あらゆる人の立場に巡らせる想像力が必要になってくるので、正直何をするにも疲れるし怖いという感覚があります。

──自宅隔離中の人に試してほしい、オススメの行動やコンテンツを教えてください。

田島:好きなだけ寝たり好きなだけ食べたり、好きなだけNetflix見てたまに散歩して……みたいなすでにみんながやっている行動で間違いないと思います。個人で感染症対策ができたら、あとはストレスを溜めないことを最優先にするしかありません。コロナを予言したと言われている映画『コンテイジョン』は、これから我々がどのような未来を辿るのかシュミレーションをすることで覚悟ができ、私は結果的に勇気をもらえました。今、先が見えないことの絶望感に囚われてる方はぜひ!

──2020年2月の自分に伝えたい・教えてあげたいことは?

田島:特にないですね。絶対こんな未来知りたくなくないですか?

──今の気持ち・気分を音楽で表すとしたら?

田島:田島ハルコの「おやすみハイヤーセルフ」です。

──コロナ禍で人間の「良い面」も「悪い面」も浮き彫りになりました。あなたが見聞きしたなかで、忘れたくないと思う、印象的な出来事やエピソードがあれば教えてください。

田島:「日々の不穏なエアリプ合戦」のようなものが印象的です。自分自身、何を見聞きしてもモヤモヤして何か言いたくなってしまう。現実で人と話さずに過ごすとツイッター上で発言することの心理的ハードルが下がり、脳内の断片的情報だけがダダ漏れになる。こうなると思いもよらない失言や誰かを傷つけてしまう発言が自分から飛び出しかねない。しかし、ツイッターを控えても、「何かに対する意見」のような感情は常に湧き上がってきます。今はみんながそんな状態なんじゃないかと思い、必要な情報であっても「物申し」たくなった瞬間にミュートするなど、そういう種類のエネルギーを一旦は封じ込めることを今は心がけています。怒るのがよくないとかでは決してなくて、友達と何事もなかったようにまた会うための心がけのつもりです。

──コロナ禍が落ち着いた後、日本の社会にはどう変わっていってほしいですか?

田島:100均のダイソーが一部店舗でストライキを実施しているというツイートをみて、胸がすくような気持ちになりました。一人一人が誰にも抑圧されず声を上げることができるようになり、それによって社会のより良い変化が起こることを望むばかりです。

Twitter:@okusya_model Instagram:@okusya_model

離れても連帯
Tagged:
COVID-19
Haruko Tajima