DRESS VETEMENTS FROM DOVER STREET MARKET GINZA. VEST AND CHOKER STYLIST'S OWN.

the game maker:水原希子・第2章

5月19日に創刊したi-D Japanのカバーストーリー。フォトグラファー・荒木経惟が撮り下ろしたファッションストーリーと水原希子インタビュー。

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07 juni 2016, 9:45am

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彼女がひとたびスタジオにあらわれると、現場が色めく。美しさと瑞々しさは相変わらずだが、最近は堂々とした貫禄をも感じさせる。決して威圧的ではない、いい意味でのそれだ。今回の表紙を撮りおろした写真家・荒木経惟がスタジオ入りして彼女と熱い抱擁を済ませると、準備は万端とばかりに撮影が始まった。水原希子、25歳。モデル業に女優業と、彼女をテレビや雑誌の表紙で見かけない日はない。世間の浮わついた意見などには目もくれず、何ものをも恐れない勇気と行動力の持ち主だ。日本をベースに多国籍な背景を持つ自身のアイデンティティに誇りを持ち、日本からアジアのマーケットへと飛び出そうとしている。そんな日本で頂点を極めた彼女が、今見つめるその先の世界を語ってくれた。

——同世代の人たちについてはどう捉えていますか?
「現在は、17歳から30歳くらいまでの世代で才能のある人たちがたくさんいるのが目に見てわかる時代だなと思います。SNSのおかげで日本にいても、海外で面白いことをしている人たちを知り、出会うことができる。すこし前までは日本と外国のあいだにある見えない壁を感じていたけれど、いまは若い子たちがとても自由。「このニュージェネレーションで楽しいものを作ろうよ」っていうパワーをすごく感じるから、いい時代に生まれたなと思います。本当に毎日いろいろなところで新しいものを吸収し、刺激を受けることができるし、面白い人が増えていると感じています。私がモデルを始めた12年前といまを比べるともう全然違いますよね。当時は第3次ギャルブームで、 "ガングロ"がいたり、着ぐるみを着て渋谷の街を歩く女の子たちがいたり、倖田來未が流行っていたりして。女の人のアティチュードがとにかく強かったと思います。その後は、おとなしくて控えめな女の子が多くなっていった気がするけれど、最近、違う形の強い女の人が増えてきていると感じます。きっとみんな保守的なものに飽きてきたんじゃないかな。時代の盛り上がりを肌で感じていますね。そういったムーヴメントに私も加担したいと思っているし、この時代を強く信じています」

——SNSは積極的に使っていますよね。どんな使い方をしていますか?
「私もやっと英語が上達してきたので、SNS上で出会った友人とも積極的にコンタクトしています。InstagramやSnapchatは、コンタクトはもちろん、センスを交換できるのが魅力。24時間で消えるSnapchatは、瞬間に起きていることを周りと共有できる。興味のある人がなにに惹かれて影響を受けているかがわかるから、ハマっていますね」

——インスタに上げたイメージがたまに世間で騒がれたりもしています。
「そうそう。でも私は「Nipple is nipple. So what? It's not a big deal」って感じ。だけどそういうことがあるたびに、私を見てくれている人たちがたくさんいるんだって実感します。私自身は何も変わってないんだけど、自分が活躍するにつれて私を見ている人が変わって、それによって人に批評されることがすごく増えていて。私は1回も自分を好感度で売ろうと思ったことないし、スタンスは変えていません。多くの人が見ると、こういうことが起きるんだっていうのを最近すごく実感しています」

——『ノルウェイの森』以来女優として、またモデルとしてグローバルに活躍しています。今後の展望を教えてください。
「今年は中国での映画がいくつか決まっているんです。やっと決まってすごく嬉しいです。自分はアジア人としてのルーツを大切にしたいと考えています。日本からアジア、アジアから世界に向かって行くことが理想と感じています。私は日本や韓国、アメリカの文化に触れながら育ってきました。それはある意味オリジナルだと思っています。そしてその恵まれたオリジナリティを活かして活躍したいと思ったんですよね」

——アジア圏の人たちと働くようになって、そこから得たものはありますか?
「日本人以外のアジアの人はみんなすごくアグレッシブ。アジアでは、中国が1番。韓国の人も言うときは言うし、エンターテインメント性に富んでいます。新しいことをするのが大好きで、真似をするのも上手。何でもチャレンジするし、柔軟性がありますよね。受け入れの幅も広いんですが、その国のカルチャーを理解して、リスペクトする姿勢が大切だと思っています。パッと中国に行って仕事をもらおう、なんて甘い考えだし、そこで仕事をさせてもらうためには、私から中国の文化を学んで好意を見せないと、と思って今勉強しています。今はそれが純粋に楽しいんですよね。アジアに行く機会が増えたことで、客観的に日本を見て感じるのは、すごくオリジナリティに溢れた国だったのに、今は少し埋もれている気がします。私はアジアがひとつになれば、エンターテインメント性に満ちた、すごいものができると思っています。でもそれが政治的な理由やライバル意識でうまくいっていないから、それは私たちの若い世代で変えていきたいし、アジアで団結していいものを作って世界に発信したいと思っています」

——10年後、あなたはどのようになっていたい?
「35歳か……。ユニオンみたいなものを作りたいですね。若いアーティストや、アップカミングな女優や歌手、クリエイターなどを集めて、新しいものを発信できる場を作りたいと思います。女優の仕事も、その頃までにはセレクトして、本当にやりたいものだけをやるというスタンスになれていればなと思いますね。次の世代の人へアドバイスを。好きなことをひたすらやり続けてほしい。ビジネスマインドではなくて。それは後からついてくると思うから」

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SWEATER DIOR.

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Credits


Photography Nobuyoshi Araki
Styling Erika Kurihara
Hair and make-up Katsuya Kamo
Hair and make-up assistance Yui Hayashi (Kamo Head)
Styling assistance Katsuyuki Naito and Ayano Santanda
Model Kiko Mizuhara at Asia Cross
Text Kazumi Asamura Hayashi
Special Thanks Takayuki Mashiyama at Taka Ishii Gallery