アートに吹きこむ生命のサイクル:ミシェル・ブラジー展

日本では初となるミシェル・ブラジーの個展が銀座メゾンエルメス フォーラムで開催中。日用品をモチーフにしながらも、“詩的”と評される彼の作品とは?

by Kanayo Mano
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05 October 2016, 2:55am

Photo: ©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d'entreprise Hermès

1966年、モナコで生まれたミシェル・ブラジーは、現在の拠点であるパリに落ち着くまで、ニースの美術学校で学び、その後マルセイユに移るなど、南仏で暮らす時期が長かった。パリのような都市と比べ、美しい海に陽の光が降り注ぎ、自然がより身近に感じる南仏の風景は、自然の息づかいを感じさせるブラジーの作風を育んできたのかもしれない。型落ちしたパソコンのキーボード部分に植物が寄生した作品や、寒天がひび割れと剥離を起こすことによって描かれる壁画など、ブラジーの作品は初期から一貫して、自然とともにあった。

一見、アートとは程遠いように感じる日用品や自然物を扱いながら、詩的と評されるブラジーの作品の特徴は、作品そのものが時とともに移り変わっていく姿にある。昆虫や微生物でさえも彼の作品に"参加"し、人の力だけでは成し得ない色彩やフォルムを作り出す様は感動的だ。ブラジーの"リビング・アート"を見ているうちに、鑑賞者である私たちにも、作品と同じ時が流れ、同じ空間、同じ空気を吸って生き、そして朽ちていく運命にあることを気づかせてくれる。

各国でさまざまな展覧会に参加してきたブラジーだが、意外にも日本での個展は今回が初となる。まさに生命のサイクルを想起させる「リビングルーム」と名づけられた本展で、ユーモラスで温かなブラジーの視点を体感してほしい。

Photo: ©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d'entreprise Hermès

「リビングルームⅡミシェル・ブラジー展」
会期:開催中~11月27日(日)
会場:銀座メゾンエルメス フォーラム
東京都中央区銀座5-4-1 8階
開館時間:11:00~20:00(月~土、最終入場は19:30まで)
11:00~19:00(日、最終入場は18:30まで)
休館日:不定休(エルメス銀座店の営業時間に準ずる)
入場料:無料

Photo: Le Portique / Simon Desloges Courtesy of the artist and ART : CONCEPT, Paris

Photo: ©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d'entreprise Hermès

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Text Kanayo Mano

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