タイ発のボヘミアンなジェットセッターブランド「Disaya」。

ソーシャルメディアをツールにファッションのグローバル化が勢いを増すなか、アジア各地では、自国の文化に沿ったファッションを提案するデザイナーたちが、独自の進化を遂げ、アジアのファッション中心地・東京への上陸を突き進んでいる。そのなかでもロンドン、LAと、セレブリティからも注目を集める「Disaya」のデザイナー、ディサヤ・ソラクライキティクル来日に伴い、話を聞いた。

by Mihoko Saito
|
10 June 2016, 7:40am

今シーズン、日本に初上陸するタイのファッションブランド「Disaya」。近年、ビームスを始めとする日本のセレクトショップやブランドが続々と上陸したり、ドメスティックの若手デザイナーによるブランドが世界的に有名になるなど、ファションムーブメントが盛んに巻き起こっているタイ。なかでも、クリエイティブディレクターのディサヤ・ソラクライキティクル(Disaya Sorakraikitkul)のガーリーで独創的なコレクション「Disaya」はNo.1との声も上がるほど注目度が高い。ソウルシンガー、エイミー・ワインハウスがアルバム『Back to Black』(2006年)のジャケットでDisayaのドレスを着用したことがきっかけとなり、以来、テイラー・スウィフトやアン・ハサウェイにエマ・ワトソンなど多くのセレブリティがレッドカーペット等で着用していることで知られている。

ファッションに興味を持ち始めたのはいつですか?
はっきり覚えていませんが、子供の頃から興味はあったと思います。人形や自分のドレスを作ったり、それを着てファッションシューティングみたいなことをしていました。でも、小さい頃はファッションより絵を描くことに興味があったので、最初はロンドンのUAL(ロンドン芸術大学)のファウンデーションコースで、ファインアートと彫刻を専攻しました。だけど、どうしてもファッションを勉強したくて、セントラル・セント・マーチンズのウィメンズファッションのBAコースに進むことにしたんです。デザイナーのコースでは、ドレスを1人で作れるようにすべての行程を学びましたが、どのように、クリエイションのコンセプトを人々に伝えるかという、デザイナーのコミュニケーション術といった勉強が一番楽しかったです。

なぜロンドンを選んだのでしょうか?
ロンドンの街にクリエイティビティを感じていたからです。都会ということもありますが、世界中からたくさんの人たちが集まっていて、それぞれの人が自分のスタイルを持って自由に表現している。そのなかでセントラル・セント・マーチンズを選んだのは、自分自身が自由でいられることと、自分のスタイルを持って表現することが評価されるからです。

洋服をつくるときは何からインスピレーションを受けていますか?
卒業コレクションでは、東京からインスピレーションを受けました。東京に遊びに来たときにキティちゃんのぬいぐるみを身に纏っている女の子がいて、その子がキティちゃんと話している姿を見て「コレだ!」って。コレクションではキティちゃんではなくテディベアにしましたが、大きなジャケットで、裏返すとまるでテディベアのぬいぐるみを着ているようなデザインです(笑)。

2016年秋冬コレクションのコンセプトを教えてください。
ジャングルに入った感覚になるような、ウィリアム・モリスの作品からインスパイアされたコレクションです。サルやバード、マントヒヒにレオパードなど、たくさんの動物や植物をデザインに落としこんでエキゾチックに仕上げました。いつものDisayaらしい、フェミニンでガーリーなイメージは残しながらも、刺繡や3Dプリントなどの技術も取り入れつつ、アフリカンテイストを反映させています。タイは刺繡や縫製など手仕事の縫製技術がとても高いので、その独自の技術をいかして、テキスタイルやレースもすべて自分たちでカスタムしています。

タイで若い層を中心にドメスティックブランドが勢いを増している理由は何でしょうか?
タイの縫製や織物など服飾に関する伝統技術は世界的にも有名で、以前より、多くの若いデザイナーが活躍しています。デザイナーにとっても、そうした技術が身近にある環境はとても便利なことです。ソーシャルメディアによって数年前よりもファッションに憧れを抱く若者の数も増えたと感じますね。若い子たちは、InstagramやSnapchatなどを使って、着ている服や、食べたもの、聴いている音楽を発信しています。Instagramを使っている若い子たちの中には、有名人からフォローされている子もでてきています。今後、もっと個性を発信していくことが盛んになり、写真や映像を駆使して、自分の考え方や環境をよりグローバルに表現していくようになると思います。商業的なメディアのデジタル化が進むことで、私たちとメディアの距離はどんどん近くなっていくのかもしれません。Disayaでもソーシャルメディアに力を入れていますが、若い子たちにとってソーシャルメディアは欠かすことのできないカルチャーツールだと感じます。ちょっと前まではお客さんもソーシャルメディアを重視していませんでしたが、今ではむしろ求められていると感じますね。SNSを使ったフォロワーとのコミュニケーションはとても興味深いですし、ブランドにとっても重要なことです。この間もInstagramのキャンペーンのために東京で撮影したばかりです。若い層を取り巻くコミュニケーションツールには、今後も注目していきたいですね。

Credits


Photography Satomi Yamauchi
Text Mihoko Saito

Tagged:
Thailand
amy winehouse
fashion interviews
disaya