90年代のケイト・モスとアレキサンダー・マックイーンを描いたTVドラマが製作決定

スーパーモデルたちが席巻した90年代のファッション界を描いた、モーリーン・キャラガンの『Champagne Supernova』がテレビドラマ化される。

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sep 26 2017, 10:05am

Dave Benett via Getty Images

「スーパーモデルが世界を席巻した時代——あの時代は二度と来ない」と、写真家のピーター・リンドバーグは2013年に語っている。彼が「あの時代」と言っているのは、"ビッグ5"と呼ばれた元祖スーパーモデルたちが現れた時代のことだ。ケンダル・ジェンナーやLVMHを軽視するつもりはないが、良くも悪くもソーシャルメディアとラグジュアリーブランドがファッション界に変革をもたらしているいま、90年代はこれまで以上に懐古的に「あの時代」として見られている。

モーリーン・キャラガン(Maureen Callaghan)による著作『Champagne Supernova』は、まさにその時代を追ったドキュメンタリーだ。しかし、それはファッション・デザイナーのアイザック・ミズラヒを追ったドキュメンタリー映画『Unzipped』とは毛色がまったく違う。2014年に刊行された『Champagne Supernova』は、ランウェイを圧倒した元祖スーパーモデルたちが、絶対的と思われたその地位を、「ヘロイン・シック」に取って代わられるまでを物語として描いている。ヘロイン・シックはそれまでファッション界を席巻していた健康的な美とは対照的に、痩身のモデルたちが目の周りをアイラインで黒く囲うなど不健康なイメージで90年代中頃に人気を博したスタイルだ。だから、『Champagne Supernova』の主役はクローディア・シファーでも、ナオミ・キャンベルでもない。天才アレキサンダー・マックイーン、ニューヨークの神童マーク・ジェイコブス、そして彼らふたりのミューズとなったケイト・モスが主役だ。この3人が、80年代末から90年代初頭にかけてファッション界を彩った絢爛の美に対する、解毒剤として語られているのだ。

『Champagne Supernova』の著者キャラガンは、タブロイド紙『New York Post』の記者だが、当の3人への取材は一切していない。実際に取材しているのは数人のエディターやスタイリスト、クラブキッズだけで、引用している発言も彼らからものに限られている。要は、テレビ番組を作るのに最適なネタなのだ。制作会社Filmula社のCEO、ジョニー・リンと、プロデューサーのベン・シールズ・ケイトリンはこれに飛びついた。「私たちは、この物語をテレビでお届けできることを嬉しく思っています」と、ケイトリンは『The Hollywood Reporter』に語っている。「ファッション業界を変えた90年代のニューヨーク・ファッションを描いた物語を視聴者の皆さんに届けられるよう、制作にあたります。きっと良いものをお届けできるでしょう」

Credits


Photography Bobrowiec
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.