Photography Mitchell Sams

友情、愛、美しさ:Charles Jeffrey Loverboy 19AW

ザ・ワッピング・プロジェクトで開催されたショーは、楽しく、爆発的で、大混乱のまま幕を閉じた。

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11 January 2019, 3:56am

Photography Mitchell Sams

2019年秋冬コレクションで、デザイナーのチャールズ・ジェフリーは、〈Bright Young Thing(光り輝く若きもの)〉という異名を裏切ることなく、LOVERBOY史上最大で最高のショーをつくりあげた。そこにはこのうえない友情、愛、美しさがあふれていた。

スコットランド人デザイナーのチャールズは、2016年春夏のFashion East MANでのデビュー以来、すっかりロンドン・ファッションウィークの常連だ。今回彼がショーの会場に選んだのは、インダストリアルな雰囲気を醸しだす、元水力発電所のザ・ワッピング・プロジェクト。会場の外には、ふたつの樽やアンティークのベビーカーが燃えていた。『ピーター・パン』の迷子たちが、身の安全を図るため、ベビーカーから落ちるかわりに火を放ったのか、という印象。

会場のなかに入ると、使われなくなったエンジンが置かれており、LOVERBOYというブランドの成り立ちを想起させた。LOVERBOYの成り立ちはまるでFactory Recordsのようで、イーストロンドンにあるカルト的人気を誇るヴェニュー〈VFD〉でのクラブナイトから始まった。チャールズが、数々のアーティスト、ミュージシャン、フォトグラファー、ろくでなしたちをキャスティングし、ローテーションで出演させていたイベントだ。そのコミュニティ精神は、今回のコレクションにも色濃く表れていた。この4年間、チャールズの創作プロセスに関わってきてくれた友人や仲間を称える、LOVERBOYらしさにあふれたショーだった。

charles jeffrey loverboy

チャールズ自身の愉快な一面が、そのまま表れていたコレクションといえるだろう。基本は、フラッパードレスや細長のシルエットなど、デカダン的な1920年代に根ざしていると思われるが、チャールズ・ジェフリーの作品であることは疑いようもなかった。マティスの切り絵にインスパイアされたカットアウト、タータンチェックの生地、アンドロジナス的なルック…。第二次世界大戦で世界が混乱に陥る10年前に、写真家セシル・ビートンがとらえた勇猛果敢な被写体たちがよみがえったようだ。私たちも現在、それと似た世界に生きている、というLOVERBOYのメッセージは、今回のショーノートにも明記されていた。それに加えて、ピーターパンが迷い子たちに伝えた教え、「自分より小さなものは、すべて面倒を見てあげるんだよ」も。

1920年代は、軽薄さが美徳とされた最後の時代であり、今回のコレクションも、チャールズにとっての明確な変化を示すような仕上がりだった。彼はデザイナーとして、ついに完全なる自らの世界をつくりあげたのだ。年を取らないはずのピーターパンが、成長を遂げた。そして彼は、大いなる冒険へと歩を進めていくのだろう。

charles jeffrey loverboy
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This article originally appeared on i-D UK.