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蓮井元彦個展「Deep Blue - Serena Motola」

写真家の蓮井元彦が自身の個展を1月30日 (火) - 2月5日 (月)の間で開催する。モトーラ世理奈をモデルに彼女との撮影の思い出や「Deep Blue」という名の個展でありながらモノクロ写真を展示する理由を訊いた。

by Noriko Wada; photos by motohiko hasui
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19 January 2018, 1:05pm

暑くも寒くもない天気。
城ヶ島はいつもと変わらない様子で水は岩に繰り返し打ち付けていた。
観光客もまばらで、海岸までの道に並ぶ店に人はあまり入っていない。
制服はヨットの帆のようにバタバタとなった。
遠くに見える水平線と⻘い空。
岸壁の下には⻘と紺の混ざったような色をした海が広がった。
そこに立つ人と、その後ろに佇む景色との重なりを、写真に撮った。
色々な偶然が重なって、今を生きる私たちが、この日ここに居たことをいつか振り返える時の事を思った。
未来と過去が重なった時、写真の本質に少しだけ触れられた気がした。

水原希子や小松菜奈、二階堂ふみなどの女優やモデルといった10人の女性を被写体にした「10FACES」シリーズを撮ってきた写真家・蓮井元彦。今回、モデルのモトーラ世理奈を城ヶ島で撮影した個展「Deep Blue - Serena Motola」を開催、写真集を発売する。i-Dは彼にモトーラ世理奈との撮影や撮影場所の城ヶ崎、彼にとっての「青」について訊いた。

今回の写真展の作品を撮影するまでの経緯を教えてください。

自分のアトリエの前を楽しそうに通り過ぎる女子学生を見ていて自分が中高生だったころを思い出して、制服を着るのって少しの間なんだけど象徴的というか普遍的というか、面白いなと思いました。制服自体への興味から、作品に発展したという感じです。

モトーラ世理奈さんのどこに惹かれたのですか?

制服を着てもらって撮ると決めていたので、モデルは個性的で無国籍な雰囲気の人が合うと思いました。モトーラさんはお会いしたことがなかったのですが、制服が似合いそうだったのでお願いしました。普段口数が少なくたまにはにかんだりするところが「何か内に秘めた想いがあるのかな」と深読みさせられます。質問したときに返してくれるひとことふたことの言葉もどこかユニークな表現だったりして魅力的です。

湘南や逗子などの近場の海もあったと思うのですが、城ヶ島を撮影場所に選んだ理由は何ですか?

制服と並行して城ヶ島にも興味がありました。城ヶ島は休みの日にたまに行く場所で、写真を撮ったり散歩したりしていました。湘南のような海岸線の砂浜はなく岩場があるのですが、その地形がとても独特で、砂浜とは違い険しさがあります。
観光客も湘南などに比べると混んでいなく、岩場に行く途中に通るお土産物や海産物のお店に挟まれた細い道にも雰囲気があるんです。
僕は山形県の酒田というところで生まれたので、幼い頃によく祖父母に会いに行っていました。その際に日本海のごつごつとした岩場をよく電車の中から見ていました。夜に特急の窓から見える岩場と日本海の波のうねりは、怖かったです。城ヶ島の岩からも少し似たような怖さを少し感じます。でもどこか懐かしさも感じる。心象風景っていうんですかね。少なからず、そういうようなものを求めていたんだと思います。

蓮井さんにとって「青」はどんな意味を持ちますか?

青は海や空を連想します。自然の色の中で特に惹かれる色です。青春の青のように若さや純粋さ、濃い青からは怖さを感じたりもする色です。

撮影の一番印象深い思い出を教えてください。

どの場面も印象深かったので一番を決めるのは難しいのですが、暗い岩場の上にモトーラさんに横たわってもらった時に、「朝までここに寝ていたら水に浸っちゃうのかな?」って聞かれた事を覚えています。星空が綺麗だったからか、そういう自由なのっていいなって思いました。でもその直後、僕は岩肌につまずいて足をくじきました。半年たった今でも痛いです。

「Deep Blue」というタイトルですが、ヴィジュアルがモノクロなのが興味深いです。もし何か意味や意図などあれば教えてください。

今回の展示で作った冊子の「あとがき」にもそのことについて少し触れたのですが、最初この展示では海や空の「青さ」を表現したかったんです。だけど、僕は色を写して見せるのではなくて、色を想像するということに興味ありました。それで、あえて全点モノクロにしようと思いました。青と聞いて連想することも人それぞれ異なっているから美しいし、自分の中にある青を大事にしたいという想いでもあります。

一番気に入っている一枚とその理由を教えてください。

落ちていたスーパーのレジのかごをモトーラさんが被っている写真です。モトーラさんのユーモアのある雰囲気が表現できていると思います。

蓮井元彦 個展「Deep Blue - Serena Motola」
会期:2018年1月30日 (火) - 2月5日 (月)
会場:AL www.al-tokyo.jp
住所:東京都渋谷区恵比寿南3-7-17 1F 時間:12:00〜19:00
電話:03-5722-9799
会期中イベント
【オープニングレセプション】 2018年1 月30日(火)18 : 00 〜 20:30
【ギャラリートーク】詳細は決定次第、こちらのHPにて情報公開致します。