編集部が選んだ、7月に訪れたいエキシビション5選
ボリビアで夢中のサボテン、愛猫の木彫りとロボット、7人による写真との対話......。7月に観に行きたい、厳選した5つの展覧会をご紹介。
マシュー・パラディーノ「9LivesAutoSaveCat」「High Desert Bloom」

サンフランシスコ生まれ、現在はボリビアを拠点に制作活動を行うアメリカ人アーティスト・Matthew Palladino(マシュー・パラディーノ)による日本初となる展覧会。本展は、2箇所での開催となり、NANZUKA 2Gではロボット型のネコを題材とした3Dプリンターを用いた半立体作品、3110NZ by LDH kitchenでは自身の新たな題材とするサボテンの水彩画作品がそれぞれ展示される。漫画やゲームなどのグラフィックイメージに影響を受けたパラディーノの作品は、ビビッドな色彩やグラフィカルなグラデーション、配置によってアナログとデジタルを往来する。
マシュー・パラディーノ「9LivesAutoSaveCat」
会期::2022年7月1日(金) – 7月30日(土) 11:00 - 18:00
原則無休(営業時間は渋谷パルコに準じます)
会場:NANZUKA 2G
東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 2階
「High Desert Bloom」
会期::2022年6月28日(火) – 7月30日(土)
火曜日 - 木曜日 11:00-16:00
金曜日 - 土曜日 11:00-17:00
日曜、月曜、祝日休業
会場:3110NZ by LDH kitchen
東京都目黒区青葉台1-18-7
「Photography? End?」

2015年に出会い、2019年からスタートした薄井一議、大島成己、オノデラユキ、北野謙、鈴木理策、似鳥水禧、濱田祐史ら7人によるコレクティブ活動「Photography? End?」。キュレーターの若山満大が7人に「人間としての総体を聞いていくこと」で彼らの活動がなぜ写真と呼ばれるのか?を探り、「写真の可能性と有限生を照らすこと」を試した本インタビュー集刊行を記念した展覧会だ。7人7色のヴィジョンと写真的経験が語られ、作家の共通/相反することを交錯する状態をストレートに提示する一冊は、通常盤の他、限定30部のスペシャルエディションも刊行される。会期中盤では、7人の作家によるトークイベントも開催されるので、ぜひ足を運んでみていただきたい。
「Photography? End?」
アーティスト:薄井一議、大島成己、オノデラユキ、北野謙、鈴木理策、似鳥水禧、濱田祐史
会期::7月1日(金) - 2022年7月31日(日 )11:00 - 19:00
月曜休館
会場:POST / limArt
東京都渋谷区恵比寿南2-10-3 1F
ハビア・カジェハ「MR.GÜNTER, THE CAT SHOW」

スペイン人アーティスト・ハビア・カジェハは、自国スペインや香港、フランスなど世界各国で展示を開催し、Mira MikatiやVansなどファッションブランドとのコラボレーションも行うなどグローバルに活動するアーティストだ。ルネ・マグリットや奈良美智、クリス・ヨハンソンのファンと公言するカジェハによる本展は、自身とパートナーであるアリシア・マルモルの愛猫が主人公「MR.GÜNTER(ミスター・ギュンター)」。大型の木彫立体作品やペインティング、ドローイングを含めた作品がインスタレーションとして構成・展示されている。パルコのエントランスで出迎える巨大ギュンターのパブリックアートもお見逃しなく。
ハビア・カジェハ「MR.GUNTER, THE CAT SHOW」
会期::2022年6月25日(土) – 7月18日(月) 11:00 - 20:00
原則無休(営業時間は渋谷パルコに準じます)
会場:PARCO MUSEUM TOKYO
東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコ 4F
入場料:一般 800 円(税込)/小学生以下無料
矢入幸一「SCENE」

モノトーンの色彩とオールドカートゥーンスタイルのペインティングを描く、1992年生まれのアーティスト・矢入幸一。レトロでポップなキャラクターには、表層的には描かれない視覚伝達デザインのテクニックと計算された作品構成要素が秘められている。本展では、物語を想像させる漫画の一コマのようなこれまでの作品と一貫しつつも、情報で溢れるよりリアルな現代社会のストーリーを彷彿とさせる作品が並ぶ。平面的なレイヤーを重ねて立体的なキャンバスをつくり、さらにスプレーやアクリル、プリンター出力などデジタルとアナログを織り交ぜ、テクスチャーやカラーのわずかな差異によってシンプルに見える一枚に様々な解釈を与える。
矢入幸一「SCENE」
会期::2022年6月24日(金) - 7月9日(土)12:00 - 19:00
祝日・日曜休廊
会場:GALLERY TARGET
東京都神宮前2-32-10
佃弘樹「The Darkest Hour」

1978年香川県生まれ、武蔵野美術大学映像学科を卒業後、東京を拠点に国内外で活動するアーティストの佃弘樹。幼少期から親しんできたSF映画やテレビゲーム、アニメーション、漫画、音楽、小説などが佃の作品に大きく影響を与え、幼少から信じてきた未来とその未来を生きる現在が自身が「外の世界(アウターワールド)」と呼ぶ作品に反映されている。本展は、コロナ禍やロシアとウクライナの戦争、中国とアメリカの対立、経済格差の拡大に起因する社会問題に対する作家のパーソナルな考えが、立体作品やペインティング、インスタレーションを通して表現されている。過去の記録的な情報と現在進行形の情報やイメージが複雑に融合し、近未来的なもう一つの「現実」が浮かび上がってくる。
佃弘樹「The Darkest Hour」
会期::2022年6月18日(土) – 7月17日(日) 11:00-19:00
月曜、祝日休業
会場:NANZUKA UNDERGROUND
東京都渋谷区神宮前3丁目 30-10