Photo courtesy of Netflix. 

今こそ観たい、セックスポジティブなNetflix青春ドラマ5選

健全な恋愛関係、性的同意、受容の大切さを教えてくれる5本のドラマを紹介。

by Corey Bates; translated by Nozomi Otaki
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23 March 2020, 4:15am

Photo courtesy of Netflix. 

glee/グリー』や『スキンズ』といえば、インクルーシビティを描くテレビドラマの草分け的な作品だが、最近の青春ドラマはよりクィアに、そしてよりセックスポジティブに進化している。時代を鑑みればそれも当然だろう。

なかでも優れた作品はいくつかあるが、特にNetflixは私たちを未来へと導くリーダー的存在だ。超能力を持つクィアの若者から、学校での性教育の不足を補うべくクリニックを始める高校生まで、Netflixは十代の若者に、セックス、セクシュアリティ、ジェンダーの話題は決してタブーではないのだと教えてくれる。これらの作品が提示するのは、健全な恋愛関係、性的同意、受容の大切さだ。

家で過ごす時間が増えている今こそ観るべきセックスポジティブな青春ドラマを、i-D編集部が厳選して紹介。

『ノット・オーケー』

チャールズ・フォースマンのグラフィックノベル『I Am Not Okay With This』を原作とする本作は、高校生活のイヤな部分を包み隠さずさらけだす。思春期のメロドラマ的な部分に焦点を当てているが、どんなに些細な〈恥〉も本人にとっては死活問題なのが実にリアルだ。

また、本作は秘密に満ちた作品でもある。秘密の力、秘密の片想い、そしてなんの前触れもなく密かに迫り来る死の恐怖……。ソフィア・リリス演じる主人公のシドニーが、自らの怒りをうまくコントロールできないのも無理はない。

『このサイテーな世界の終わり』のジョナサン・エントウィッスル監督と『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のプロデューサー、ショーン・レヴィがタッグを組んだ本作は、超能力をテーマに据えつつ、自らの内と外に存在するホモフォビアや、食料品すら買えない貧しさなど、現実世界の問題に向き合っている。

とはいえ、陰うつで暗いシーンばかりではない。ワイアット・オレフは、完璧なファッションセンスを持つ大麻とレコード鑑賞が趣味の青年、スタンリーを好演。VHSオタクで引き立て役の彼は、シドニーの親友でもある(彼女自身は不服そうだが)。また、前戯で顔以外の場所にあるニキビを見せ合う、奇妙なセックスシーンもある。

他のNetflixオリジナル作品と比べると、LGBTQ+/セックスポジティブな描写は少ないかもしれない。しかし、LGBTQ+とセックスがストーリーラインにうまく溶け込んでおり、それらに真摯に向き合っている作品だ。

『セックス・エデュケーション』

『セックス・エデュケーション』はその名のとおり、思春期の勃起不全から公共交通機関における性的暴行まで、性にまつわるあらゆる事象を描く。主人公はエイサ・バターフィールド演じるオーティス・ミルバーン。彼はジリアン・アンダーソン演じる著名なセックスセラピストの母親、ジーンから得た知識を活かし、密かに想いを寄せる相手、エマ・マッキー演じるメイヴ・ワイリーと協力して、学校でアンダーグラウンドなセックスクリニックを始める。

本作は誠実な対話を通してセックスというテーマをひも解き、子どもも大人も楽しめるウィットと感動をふんだんに盛り込んでいる。また、キャラクター描写も従来のステレオタイプにとらわれず、作中でもっとも性欲が強いのが、エイリアンのポルノを描いている、膣痙攣に悩む少女だったり、学校の問題児がセクシュアリティに悩みを抱えていたりする。オーティスの〈クライアント〉たちは自らの悩みがもっとも恥ずかしいことだと信じ込んでいるいっぽうで、作中では、どんな性機能不全、性的指向、性病も、非難の的になることはない。

今年1月に公開されたシーズン2で描かれた、高校における適切な性教育の欠如は、本作の舞台である英国に限らず、世界共通の問題といえるだろう。うれしいことに、シーズン3の製作もすでに決定している。

『ザ・ポリティシャン』

現代の政治を鋭く風刺するライアン・マーフィー作品に登場するキャラクターはことごとくクィアだが、彼の作品の肝はそこにはない。本作『ザ・ポリティシャン』は波乱やスキャンダルに満ちていて、殺人未遂まで起きるが、キャラクターがクィアであることがストーリー展開のカギを握っているわけではないのだ。

ベン・プラット演じる本作の主人公、ペイトンは、ルーシー・ボイトン演じる生徒会長選挙の対抗馬、アストリッド・スローンに、もうひとりの候補者である彼女の恋人に惹かれているのでは、と指摘されても、それを否定することはない。彼はただ、他人のセクシュアルフルイディティ(※セクシュアリティや性的アイデンティティの変化)を攻撃したって学級委員長の座は勝ち取れない、と言い聞かせるだけだ。

また、テオ・ジャーメイン演じるペイトンのキャンペーンマネージャー、ジェームズはトランスジェンダーだが、作中では彼のアイデンティティには一切触れられない。本作にトランスフォビアは存在せず、彼の性転換にまつわるストーリーも語られない。彼はただ彼自身として、そこに存在する。

さらに、グウィネス・パルトロー演じるペイトンの母親、ジョージーナはある女性と不倫関係にあるが、作中で問題になるのは、彼女が不倫をしていたという事実だけだ。

性的同意の描写に関しては、やや時代遅れな感も否めないが、本作はジェンダーノンコンフォーミングのレズビアンであるキャラクター、スカイ・レイントンを含め、非常に幅広い人間関係の変化を描いている。本作でもっとも目を引くのは確かにクィア描写だが、サンタバーバラの上流階級の私立高校を舞台に、多様なアイデンティティを意欲的に取り入れている。

なお、配信開始日は未定だが、シーズン2の製作も決定している。

『サブリナ:ダーク・アドベンチャー』

パンセクシュアルの魔法使いから魔法のBDSMダンジョンまで、本作はセックスやセクシュアリティに真っ向から対峙する。チャンス・パードモ演じる主人公サブリナの従兄、アンブローズはパンセクシュアルだが、それが彼の特徴にはなるわけではなく、彼のセクシュアリティは敬意を持って扱われ、描写されている。

彼のデートの相手が男性から女性に変わっても、それがジャッジされたり騒動に発展したりはしない。彼の両方の性への恋愛感情は、作中で同様に受け入れられている。また、ラックラン・ワトソン演じるスージーがテオという青年の姿に変わるさいも、彼の葛藤に触れながらも、洗練された描写で丁寧な説明がなされている。

ただ、アンブローズが偏見の目で見られることはないいっぽうで(魔法界は人間界のグリーンデイルよりもLGBTQ+フレンドリーだ)、テオは中性的な見た目のせいでサッカーチームからいじめに遭う。テオのストーリーはジェンダーノンコンフォーミングのひとびとが日常的に受ける拒絶や冷やかしを描いているが、それだけでなく、テオがサポート制度の力を借りて自ら立ち上がる姿にも焦点を当てている。本作は、いじめから、自分には恋人ができないのではないか、という不安まで、トランスジェンダーが毎日のように直面する問題を臆することなく映し出す。

また、本作はセックスに伴う責任についても触れ、セックスは心の準備さえできていれば、不安がったり警戒する必要はなく、楽しむべきものなのだ、ということを明示している。キーナン・シプカ演じるサブリナが恋人とセックスするか悩んでいるとき、ジャズ・シレア演じる彼女の親友、ロザリンドが、「本当に彼のことが好き?」「信頼してる?」「無理強いされてない?」と決断を下すための最適なチェックリストを教えてくれる。

『サブリナ:ダーク・アドベンチャー』パート4は年内に配信予定。

『ユニークライフ』

本作は、キーア・ギルクリスト演じる自閉症スペクトラム障がいを抱える高校生サムが、家族とともに高校最終学年から大学生活へと向かっていく姿を描く。シーズン1で、サムは初めての恋人づくりへの第一歩を踏み出す。決して恋愛上手とはいえないサムだが、彼の周りには手を差し伸べてくれるひとが大勢いる。

ニック・ドダニ演じるサムの親友、ザヒドはサムの両親同様、どちらかといえばためにならないアドバイスばかりしているが、彼の力になろうとしているのは確かだ。何度かデートに失敗し、片想いの相手に告白してフラれたサムは、最終的に、ジェナ・ボイド演じる卒業生総代を務めたクラスメイト、ペイジが自分に想いを寄せていて、彼の初めての恋愛をリードしたいと思ってくれていることに気づく。

本作の主役はサムだが、ブリジェット・ランディ=ペイン演じる彼の妹のケイシーも、物語が進むにつれて中心的なキャラクターになっていく。彼氏と健全で誠実な関係を築いているケイシーだが、徐々にファイヴェル・スチュワート演じる親友のイジーに複雑な想いを募らせていく。ネット上ではふたりの恋愛成就を望む意見が優勢だが、イジーもケイシーも、周りの目を恐れているのか、もしくは変化を怖がっているのか、自分たちの関係の変化をなかなか受け入れられずにいる。

本作は、ここで紹介した他の作品と比べると、LGBTQの描写は少ないかもしれない。しかし、注目すべきは、自閉症スペクトラム障がいを抱える十代の生活にフォーカスした作品は非常に稀だということだ。

This article originally appeared on i-D UK.

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