Aisho Nakajimaについて知っておくべき10のこと

抜群の歌唱力、彫刻的な肉体美──類稀なる個性を兼ね備えた注目の新星シンガーAisho Nakajima。彼の奇妙な冒険はここから始まった。【2020.07.20「Giddy Up」のMV追加】

by Momo Nonaka; photos by Hideya Ishima
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03 July 2020, 2:12am

Aisho Nakajimaが2020年4月に突如リリースしたデビュー・シングル「Over This」は、新鮮な驚きをもって迎えられた。それまでInstagramやYouTubeなどで肉体美を誇示するセクシーなスタイリングとメイクを披露していた彼は、シルクのようなハイトーンを優しく響かせる比類なき声を持ったシンガーでもあったのだ。プロデュースはMIMI dft。5月にはノーティなラップ曲「Giddy Up」で、また違った表情を見せている。

Aisho Nakajima(中嶋愛章)は1997年生まれの22歳。愛知で育って18歳でシドニーに渡り、昨年から東京を拠点に音楽活動をスタートしたばかり。オリジナル曲を作りはじめたのは去年の秋からというから驚きだ。アーティストとして猛スピードで進化中の彼に、これまでの来歴を教えてもらった。

1. 幼少期は英語で育つ

岐阜生まれの愛知育ちです。あまり詳しいことは話せないというか記憶が全然ないんですけど、僕はよくわからない家庭で育って。6人きょうだいの末っ子です。小さい頃はいくつかの家族といっしょに住んでいて、うちでしゃべるのは英語。小学2年生までホームスクールで、小3から小学校行きはじめて日本語を覚えたって感じです。速攻いじめられましたね。なんか知らないけど僕って「人と違う」扱いをずっとされてきて。ここは僕には合ってないってずっと思ってきました。

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2. ギャル魂

学校はなじめなかったんですけど、中2ぐらいから他の学校の荒れてる人たちと繋がってなかよくなって。中2のときに遊びで「ヤマンバメイクしてみよ~」みたいな感じになって、ほんとテキトーに友達とプリクラを撮ってそれをmixiとかDecologとかにあげたら、名古屋のギャルサーの人たちから勧誘がバーンと来て。そこで僕もギャルサーに入り2年ほどサー人やってました。みんな僕より年上だったけど秒でなかよくなって、そこから栄とかで遊ぶようになりました。

3. ポップ・ディーヴァにあこがれて

音楽はちっちゃい頃からずっと大好き。中学の頃は本当にメジャーなJ-POPのアーティストばっかり聴いてました。パラパラ踊ったりもしてたので、そういう歌も大好きでした。その前から洋楽も一応聴いてはいて、高1ぐらいからはずっとそっちの方に。レディー・ガガ、ケイティ・ペリー、ケシャ、ニッキー・ミナージュ……やっぱりクリエイティブなアーティストが大好きです。いつか共演したいのはアリアナ・グランデ。絶対アリアナと歌いたい! それは夢ですね。

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4. 気づいたときにはゲイ

親とか周りから「ゲイは地獄に行く」ってずっと言われ続けてて。けっこうトラディショナルな親なんですよ。自分は気づいたときにはゲイだったので何が悪いのか全然わからなくて、16、17、18の頃が人生でいちばんメンタルがやられてた。精神的におかしくなっちゃって、1年以上微熱が続いて病院にも行って精神安定剤を1年以上飲み続けても何も治らなかった。

5. シドニーのLGBTコミュニティ体験

高校卒業してお金貯めて、ワーキングホリデーでシドニーに行きました。はじめての海外、はじめての飛行機。カルチャーショックがほんとにすごくて、自由な国で精神的にも元に戻って微熱は秒で治りました!(笑)シドニーはLGBTのカルチャーがものすごくデカいんです。ほんとに楽になって、友達もたくさんできて、すべて変わりました。視野も広がったし。

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6. メイクから自分を知る

メイクが大好きで、メイクアップアーティストになりたいって思ってたんです。でも、いろいろやっているうちに、やっぱ自分は裏方じゃないんだなって思いました。ヤマンバメイクやってた頃からそうですけど、自分の中に「目立ちたい」っていう気持ちがあったんです。人にメイクをするより自分で自分にクリエティブなことをするほうが楽しいです、僕は。

7. MIMI dftとの出会い

MIMIちゃんと出会ったのは2019年の9月、音楽やろうってなったのは11月とかですね。いきなりインスタフォローしてきた女の子がいて。共通の知り合いが多くて、その子が「友達にプロデューサーがいて絶対合うから」って言うので「じゃあ茶しばきましょー」ってなって。それが3人はじめましてだったんですけど、偶然みんな同じ駅に住んでたんです(笑)。それでもっとなかよくなって今に至るって感じです。MIMIちゃんとは趣味が本当に合って、お姉ちゃん的存在。だいたい「最近いい曲聞いた?」ではじまる。

8. カバーからオリジナルへ

音楽はずっと好きでカバーとかはしてたんです。レディー・ガガとかビリー・アイリッシュとか。バイトでもウェディングとかフェリーとかで歌ったり。でも、自分がアーティストとしてオリジナルをやりはじめたのは去年からです。レコーディングも作詞作曲もしたことなかったから、どっからはじめたらいいかわかんなくて最初は最悪でした。ほんとに1曲目なんて誰にも聴かせられない! その次に書いたのが「Over This」。これは過去につきあいそうになった男のことを思い出して書きました。その次が「Giddy Up」。スラングばっかの曲です。ラップだとまったく違う性格が出てくるんですよ、僕。

9. 2つのアルバム構想

好きな音楽、けっこうバラバラなんです。最終的にはR&Bポップになるのかもしれないけど、今は僕のいろんな面を出していきたい。コロナの自粛期間も製作と仕事でめっちゃ忙しかったです。ほんとにそれが楽しいって思えました。シドニーは日本ではあたりまえじゃないことがあたりまえでほんと楽しかったし、自分を知れた部分もありますけど、自分がやりたいことはできてなかった。今はやりたいことができていてしあわせだなって思います。行ったことにも後悔してないし、帰ってきたことにも後悔してないです。これからアーティストとして自分がやりたい音楽をリリースしていって、ごっちゃごちゃになるかもしれないけど、まずはポートフォリオ的なアルバムにまとめる感じになると思います。コンセプトを決めたアルバムはその次、来年やりたいですね。

10. 目指すのはグローバルなポップスター

ポップスターになりたいっていうのはありますね。コーチェラ絶対に出たいです。あとリアーナがSAVAGE X FENTYっていう下着のブランドをやってるんですけど、そのショーでもアーティストが歌っていて。そういうファッションやメイクと一緒になった表現もやりたい。音楽、メイク、ファッション、そのみっつでようやく自分が表現できると思ってるんです。グローバルアーティストになりたいですね。まず音楽を知ってもらって、日本のカルチャーも変えたいなって思いもあります。日本ってゲイというとすなわちおネエみたいに見られてる部分が大きいと思うんですよ。それが本当に嫌で。自分のセクシュアリティを隠している人も多いし。あたりまえにオープンでいられるように、あたりまえのことをあたりまえにしようって思っています。

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Aisho Nakajimaの3rdシングル「Fuck U tonight」は本日から各種ストリーミングサービスで配信中。

Aisho Nakajima, 新曲
Aisho Nakajima 3rd Single「Fuck U tonight」

Credit

Photography Hideya Ishima
Styling Moana Naruse

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