コロナ禍で加速する、若者たちのオンライン・デート

新型コロナウイルスの感染拡大とともに、Tinderの使用頻度やオンライン・デートも増加している(「あつまれ どうぶつの森」でのデートまで!)。現実世界での孤独を癒すため、今日も私たちはオンラインへ向かう。

by Mary Retta; translated by Ai Nakayama
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04 June 2020, 11:26am

新型コロナウイルスの猛威が世界各地を襲い、ソーシャル・ディスタンシングが新しい〈当たり前〉になっているこの世界で、私たちの孤独感は強まる一方だ。

家族や友人たちと直接会うことも、当分の間は実質的にできないが、それでも人びとは、好きなひととのFaceTimeやZoom飲み会、Netflixのバーチャル鑑賞会など、あらゆるクリエイティブな手段を考案し、家にこもることで募る孤独感と闘っている。ソーシャル・ディスタンシングの最中でも、生活の刺激を失わないためのさまざまな工夫がなされているのだ。

TinderHingeBumbleLexHerなどをはじめとするマッチングアプリでは、ソーシャル・ディスタンシングが日常となって以来、ユーザーのアプリ使用時間が増加しているという報告もある。ユーザーのニーズに応えるために新たな機能を加えたアプリもある。

League Liveというアプリではビデオチャットの機能が追加され、Tinderは〈パスポート〉という、ユーザーが生活圏外での出会いを探せる機能の無償提供を決定した。さらに、自宅にこもっているユーザー向けの新しいマッチングアプリやサービスが数々誕生している。

Love Is Quarantineは、Instagramで運営されているマッチングサービス。Netflixオリジナルのリアリティショー『ラブ・イズ・ブラインド』の精神に基づいており、人びとはマッチングすると、電話、もしくはFaceTimeデートができる。Instagramのフォロワーは5月4日現在で1万9000人を超え、日々新しいバーチャルカップルが誕生している。

4月11日にはアリッサというユーザーが動画を投稿し、おこもり中の恋人ロイとの「ステキなデート」について語った。ふたりは「1時間以上」好きな食べ物について語ったり、ボードゲームに興じたりしたという。

また、南カリフォルニア大学の学生3人が立ち上げた、米国内の大学生限定のマッチングサービスZoom Universityは、4月末時点で全米の大学から5万人以上のユーザーが登録している。

「ちょうど『ラブ・イズ・ブラインド』を観終わって、自分もバーチャルデートをしてみようかな、と思ってたんです」と語るのは、ブリンマー大学(Bryn Mawr College)4年のイネス・パーセル。彼女はZoom Universityで何度かオンラインデートを楽しんだという。

「おそらく相手のひとに直接会うことは一生ないと思うけど、でも他校の学生たちと出会えるのはすごく楽しい。今は難しい時期だけど、自由な時間はたくさんある。こうやって新しいひとたちに出会って、新鮮な会話を楽しめるのはいいことだと思います」

本来は出会いを目的としていないサービスを使用し、新たな相手と出会っているひともいる。特に十代は、単にDMを送り合うだけではなく、TikTokや「あつまれ どうぶつの森」を新しい恋人候補との出会いの場として使っている。

また、2分のライブビデオチャットができるアプリ、Glimpseでのクイックデートも人気だ。これなら、一晩で何人もの恋人候補と会うことができる。同アプリの共同創業者ヘレナ・マークは、3月にFacebookのミームグループに同アプリの広告を投稿して以来、大学生を中心に一気にユーザーが増加したという。ユーザーは平均して3〜4日連続でアプリにログインし、新しいデート相手たちと出会っているそうだ。

「このアプリでは最長2分のビデオチャットしかできないため、会話が終わるときには物足りなさを感じます。だからこそ、Glimpseはクイックデートに最適なんです」とマークは説明する。

「新型コロナウイルスのパンデミックが始まり、外出自粛となって以来、私たちのアプリは驚くほどの人気を誇っています。人びとが孤独を感じているのは悲しいことですが、そんなときに私たちがこのサービスを提供できているのはうれしいですね」

ニュージャージー州に暮らす19歳のサラは、GlimpseやLex、Bumbleなどのアプリを使って外出禁止期間中もいろんなひとと出会っている。

「前よりマッチングアプリを頻繁に使っているのは、COVID-19の拡大以来、アプリのユーザーが急激に増加したから」と彼女はいう。「つまり出会えるひとが増えたってことだし、女子は男子よりもメッセージを返してくれる率が高い。私の感覚では、マッチングサービス市場はパンデミック前に比べてかなり活発になってるし、ユーザー人口もかなり増えてます」

「友だちづくりも楽しいけど、コロナが終息したら実際にデートできるひとを探したいですね。恋人と過ごす日々はステキだと思うから」

こんなにも混乱を極め、不確実な世の中で、多くのひとがオンラインデートを楽しんでいるというのは不思議に思えるかもしれないが、実際、その行動は理にかなっている。たまにネット上で誰かと出会うことは、永遠に終わらないように思える家での自由時間を過ごす暇つぶしになるのだ。

パンデミックが始まる前から、驚くほど多くの米国人が「自分は孤独だ」と認識していたというデータが発表されており、特にミレニアル世代など若者たちの割合は恐ろしくなるほど高く、疲れきった状態や深い絶望感、また友人がいないことを訴えている。

米国において、新型コロナウイルスは〈孤独のパンデミック〉の原因ではなく、この問題を表面化させただけにすぎない。また奇妙な連関ではあるが、このウイルスのおかげで、ひとびとが恥やスティグマを背負うことなく、自分の抱える孤独感を表明できるようになってもいる。

孤独感は今の時代の悲しき副作用のように思えるが、ソーシャル・ディスタンシングは現在、世界中で新型コロナの感染者数を減らすためにできる、非常に重要な対策だ。そんな時代背景のなかで新しく登場したのが、Quarantine Togetherという人気マッチングアプリ。このアプリは、毎日手洗いをリマインドしてくれ、手洗いをしたことを確認すれば、その日のバーチャルブラインドデートをセッティングしてくれる。

「みんながちゃんと家にこもり、手を洗い、健康でいるために奨励されているアクティビティをしながら安全でいることができるための手助けをしたかったんです。それで、ちゃんとやるべきことを実行しているひとたちにマッチングやデートという報酬を与えることにしました」と語るのは同アプリの創業者のひとり、ダニエル・アマディザデだ。

「今は誰もが孤独で、当然デートをしたり、誰かと出会いたいと思っていますが、みんなが本当に欲しがっているのは、人と人とのつながりを得られる場なんです。ひとびとの孤独感を癒すと同時に、家にいよう、と呼びかけることのできるサービスを提供できてうれしいですね」

世界各地で起きているコロナ禍、そして孤独感の蔓延は、簡単にどうにかできるものではない。だからこそ私たちはみんな、ネット上でのロマンスという〈ご褒美〉を得る権利がある。COVID-19の拡大以来、頻繁にTinderを使っているというニュージャージー州在住、22歳のユメも完全に同意だという。「私がネットに入り浸ってるのは退屈だからだけど、ひととのつながりを求めてる、というのもあります」と彼女はいう。

「家にこもっていることで、寂しさが募ったり、これまでの意義深い人間関係やひととのやりとり、親密さを懐かしく思ったりする。ネットで、知らないひととメッセージをやりとりすることは、パンデミックで失われてしまったものへのワクワク感をもたらしてくれるんです」

This article originally appeared on i-D UK.

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