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子役スターから一流デザイナーへ オルセン姉妹のファッション変遷

ボヘミアン・グラムからグランジ、The Rowまで、オルセン姉妹の誰もが憧れるスタイルを紹介。

by Zoë Kendall; translated by Nozomi Otaki
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01 March 2021, 2:55am

Photos via Getty Images and WireImage

ミレニアル世代の絶対的なファッションアイコン、オルセン姉妹。『フルハウス』から『ニューヨーク・ミニット』、THE ROWまで、メアリー=ケイトとアシュリーは実に30年以上にわたって根強いファンとファッション愛好家を魅了してきた。

 ふたりが数々の困難を乗り越え、子役スターから米国を代表する大人気ブランドを立ち上げるまでに成長したのは、彼女たちのたゆまぬ努力、ビジネスでの機転、そしてファッションがあったからに他ならない。

ボヘミアン・グラムからゴス、ハイ・グラマー、ミニマリズムまで、遊び心に満ちたスタイルを見せてきたメアリー=ケイトとアシュリー。2000〜2010年代を象徴する数多のトレンドを生み出し、塗り替え、ヴィンテージから定番アイテムまでファッションの普遍的なテーマや、Balenciagaのシティバッグ、レギンス、オーバーサイズなど、その時代を定義づけるアイテムに挑戦してきた。

そんな彼女たちの90年代から今日までのスタイルの変遷を振り返り、豪奢なレッドカーペットルックから、今すぐにでも真似したいストリートスタイルまで、特にアイコニックなファッションを厳選して紹介する。

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Photo by Ron Galella, Ltd./Ron Galella Collection via Getty Images.

1995年『ひとりっ娘2』プレミア上映

 現代のファッションアイコンかつ一流デザイナーへと成長する前、オルセン姉妹は『フルハウス』のミシェル役で私たちの心を鷲掴みにした。一卵性ではないもののふたりで同じ役を演じ切り、その後も『ふたりはふたご』や『ひとりっ娘2』などのTV番組や映画で共演。双子というアイデンティティが彼女たちの〈戦略〉のひとつだということは言うまでもない。そのため、彼女たちはしばしばお揃いの双子ルックで公の場に登場した。そのひとつが『ひとりっ娘2』のプレミア上映の超キュートな花柄セットアップだ。

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Photo by Ron Galella, Ltd./Ron Galella Collection via Getty Images.

2001年『ラッシュアワー2』プレミア上映

1990年代生まれなら、当時映画界に頭角を現しつつあったオルセン姉妹を観て育った、というひとも多いだろう。子役スターとしての地位を足がかりに、双子は十代になってからも『The Adventures of Mary-Kate & Ashley』『ふたりはお年ごろ』などのTV番組への出演をはじめ、書籍、商品、メイクアップラインなど多方面で活躍した。2000年代はじめに思春期を迎えたふたりは、目の上で切り揃えた前髪をセンターバングに伸ばし、ブロンドのハイライトを入れた。彼女たちの年齢にも時代にもぴったりなヘアスタイルだ。それでもトレードマークである双子ルックはそのままで、世紀の変わり目のティーンアイドルにふさわしい、背中の空いたホルターネックのトップスにローライズのドレスパンツというコーディネートを披露している。

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Photo by Gregg DeGuire/WireImage.

2004年 ハリウッド・ウォーク・オブ・フェームの星形プレートに名を刻む

18歳を迎えたばかりの2004年、メアリー=ケイトとアシュリーは自らのプロダクションDualstar(『パスポート to パリ』や『ニューヨーク・ミニット』などのヒット作を製作)の共同最高責任者に就任。子役スターのイメージを覆そうとしていた。だからこそ、この頃からそれぞれ独自のスタイルが発展していったのだろう。

 それを最も良く表しているのがハリウッド・ウォーク・オブ・フェームでのセレモニーだ。自らスタイリングを手がけたことがひと目でわかる出で立ちの彼女たちは、各々のワードローブを象徴するようなヴィンテージのミディドレスを着用しているが、共通点はそれだけだ。アシュリーはくすんだカラーパレットとエンパイアウエスト(※ハイウエストで切り替えのある直線的なシルエット)などクラシックなルックで、アクセサリーは控えめ(ヌードネイルやドレスとマッチした色合いのシューズ)。いっぽうメアリー=ケイトは、体の線に沿ったラベンダーのホルターネックドレスと大ぶりのシャンデリアイヤリングに、対照的なネイビーのベルベットパンプスとショッキングピンクのネイルを合わせるなど、幅広いスタイルを融合させている。

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Photos via Pinterest.

2005年頃 ニューヨーク大学時代のストリートスタイル

 メアリー=ケイトのニューヨーク大学時代のストリートスタイル抜きに、オルセン姉妹のスタイル変遷は語れない。彼女のボヘミアン・グランジスタイルは、アスレジャー、ヴィンテージの掘り出し物、デザイナーズアイテムを、〈私は気にしない〉というアティチュードのもとに組み合わせることで完成している。今のストリートスタイルの基準やオルセン姉妹の最近の私服と比べると、このルックは明らかに例外的だ。しかし、メアリー=ケイトの2000年代半ばのスタイルは、ファッションアイコンの卵の進化において非常に重要な位置を占めている。彼女のスタイルはTumblrに革命を起こし、ゼロ年代を象徴するトレンドを生み出した。Alexander McQueenのスカルスカーフを流行させたのも、Balenciagaのシティバッグを最初期のイットバッグのひとつへと押し上げたのも彼女だ。

 すでにご存知のひとも多いだろうが、他に彼女が着用したことで人気を博したアイテムとしては、大ぶりのサングラス、スカートやドレスとレギンスの組み合わせ、超ロングなスカーフ、ターコイズアクセサリー、ダメージジーンズなどが挙げられる。さらにアシュリーの大学在学中のスタイルも外せない。メアリー=ケイトより控えめなファッションを好む彼女のスタイルは、決して気取らず、カジュアルでありながら、洗練されていてフェミニンだ。もちろん、アシュリーがメアリー=ケイトのようなグランジアイテムを一切身につけなかったというわけではない。彼女もまた、青みがかった白のシティバッグを愛用していた。ただ、彼女はメアリー=ケイトのようなオーバーサイズのフーディやスウェットの代わりにゆったりとしたカシミアカーディガンを、タイトなキャミワンピースの代わりにコンパクトなコットンのサンドレスを選んでいた。

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Photo by Peter Kramer/Getty Images.

2005年 メットガラ

メアリー=ケイトとアシュリーがNYでの新生活に慣れ、彼女たちの新たなルックが憧れの的となると、ファッション業界はすぐに興味を示した。2004年、ふたりはニューヨーク・ファッションウィークのフロントロウの常連となり、Marc Jacobs、Imitation of Christ、Oscar de la Renta、Calvin Kleinのショーに出席した。2005年には、コスチューム・インスティテュートの〈House of Chanel〉展開催を祝うメットガラに初めて招待される。しかし、ふたりは決してテーマに縛られることなく、アシュリーはOscar de la Renta のゴールドのドレスを、メアリー=ケイトはヴィンテージのロングドレスを着用。当時の彼女たちのプライベートのスタイルをさらに上品にしたようなルックだ。

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Photo by Lorenzo Santini/WireImage.

2007年 パリ・ファッションウィーク

 オルセン姉妹もゴスファッションを通ってきたことを覚えているだろうか? 2007〜2008年にかけて、ふたりの双子スタイルは少しだけダークになり、ブラック、レザー、ドラマチックなアイテムが増えていった。

 メアリー=ケイトはより大胆に自らのファッションセンスを発揮し、たっぷりのフェザー、シフォンのロングドレス、プラチナブロンド、深紅のリップ、太めのブラックアイライナーで、グラムゴス寄りのスタイルに。彼女があのアイコニックなBalenciagaのハーネスブーツを(たいていはブラックタイツ、オーバーサイズのシャツ、マイクロショーツに合わせて)履いていたのもこの頃だ。いっぽうアシュリーは、彼女と対照的とまではいかないものの、レースやヴィクトリアンなアイテムを多用したロマンチックゴシックスタイルに、プライベートでも愛用しているオーバーサイズのレザージャケットを羽織ってレッドカーペットに登場した。

2010年 パリでショッピング

メアリー=ケイトとアシュリーの〈ゴス期〉は、一瞬で過ぎ去ったわけではない。2008年半ば、ふたりはハイグラマーの世界へと飛び込んでいった。すなわちプラットフォームのピンヒール、パワーショルダー、とがったシルエット、たっぷりのフェザー、(残念ながら)ファー、フリル付きの日傘、バーキン、小さなデコラティブハットだ。このスタイルが最高潮に達したのが2010年のパリ・ファッションウィークだ。シャンゼリゼ通りで買い物を楽しむ姉妹のルックは、超グラマラスで見所たっぷりだ。

2014年 タバコ休憩

2010年以降、世間の目から距離を置き、時間とエネルギーを自身のブランドThe Rowに費やしてきたメアリー=ケイトとアシュリー。それと並行して、ふたりの私服はよりラフで自然体なものへと変化していった。パパラッチが捉えたふたりのストリートスタイルはごく少なく、だからこそ注目度は高まった。彼女たちがキャッチされたのは、ほとんどが外で一服しているところで(その写真だけを集めたインスタアカウントもある)、そのルックからゴージャスなコートとスニーカー、ローファー、ブローグシューズの組み合わせなど、レイヤリングの極意を知ることができる。ヴィンテージのCéline、The Rowのウィメンズ/メンズアイテム、オーバーサイズのセーター、さらに大きなシャツなど、彼女たちの着こなしを学ぼう。

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Photo by Presley Ann/Patrick McMullan via Getty Images.

2017年 CFDAファッションアワード授賞式

 数年に1度だけ公の場に姿を表すオルセン姉妹のルックは、レッドカーペットの上でも私生活と同様、飾らないものになった。定番は非の打ちどころのないスーツ、シャツ、シンプルだがたっぷりとしたロングドレスで、色合いはすべてモノトーンだ。CFDAファッションアワード授賞式に出席したふたりは、自らのブランドのエレガントなアイテムを身にまとっていた。

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Photo by Neilson Barnard/Getty Images.

2017年 メットガラ

この頃には、オルセン姉妹はすでにメットガラの常連入りを果たしていた。2005年に初めて招待されて以降、ふたりはこのファッション業界を代表するイベントに14回出席している。これは過去最高記録にも迫る数字だ。

最近の姉妹はよりシンプルなレッドカーペットルックを好む傾向にあるが、メットガラは例外だ。決してテーマに従わないことで知られる彼女たちにとって、このイベントは自らの膨大なヴィンテージコレクションを披露する絶好のチャンスだ。Comme des Garçonsがテーマだった2017年、ふたりは自らの実験的なスタイルを体現するようなレースのレイヤード、ビーズアクセサリー、ファー、シルクという、史上最もオルセン姉妹らしいルックで登場した。

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Photo by Neilson Barnard/Getty Images.

2019年 CFDAファッションアワード授賞式

The Rowが2014年以降、毎年のように米ファッション業界で最も権威あるCFDAファッションアワードにノミネートされるなど、オルセン姉妹のファッション界での存在感は今も健在だ。ここ3年だけでも、ウィメンズウェア・デザイナー・オブ・ザ・イヤーとアクセサリー・デザイナー・オブ・ザ・イヤーを含め、5度受賞を果たしている。2019年、ウィメンズウェア・デザイナー・オブ・ザ・イヤーを受賞したふたりは、他でもないThe Rowの禁欲的とすらいえるルックを披露した。

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