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華麗なる復活? 30年代から振り返る〈見せTバック〉小史

好むと好まざるとにかかわらず、見せTバックを目にする機会はこれからどんどん増えていくだろう。ここでは、歴史的には男性が着用するものだったTバックの歴史を、1930年代からさらっとおさらい。

by Erica Euse; translated by Ai Nakayama
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19 July 2019, 9:51am

This article originally appeared on i-D US.

好むと好まざるとにかかわらず、見せTバックを目にする機会はこれからどんどん増えていくだろう。ここでは、歴史的には男性が着用するものだったTバックの歴史を、1930年代からさらっとおさらい。

ここ数年、Tバックは少しずつ復活の兆しをみせている。最近では、2020年春夏コレクションのショーで、ベラ・ハディッドがローライズのラメ入りブラックパンツの下に、ゴールドチャーム付きアンダーウェアを戦略的に覗かせていた。それからほどなくして、デザイナーのヘロン・プレストンもよりリラックスしたTバックルックを発表。ゆるっとしたパンツにTバックを合わせていた。

もちろん、見せTバックが流行したのはこれが最初ではない。女性たちは近年、主にレースのブラトップや、腰骨をみせるセクシーなハイライズボディスーツで下着をオープンにみせてきた。若い女性のあいだではいわゆる〈おばあちゃんパンツ〉が流行しているいっぽうで、見せTバックの人気が上昇しているのは面白い。

Tバックは古来からさまざまなかたちで存在してきたが、歴史的には男性が着用するものだった。1930年代には、万博のために行政から衣服の着用を命じられたため、バーレスクのダンサーがGストリングを履くようになったが、Tバックが少なくとも水着としてメインストリームになるのは、デザイナーのルディ・ガーンライヒ(Rudy Genreich)がTバックビキニを発表した1970年代以降のことだ。

「長年、Tバックはいかがわしいものと認識されていました」と説明するのはフィラデルフィア美術館のLe Vineコスチューム&テキスタイル・アソシエイトキュレーター、クリスティーナ・ホーグランド(Kristina Haugland)だ。「実にきわどく、大半の女性は手を出さないものとされていたんです。80年代後半になると、Hanky Pankyがより履き心地の良いTバックを発売し、人気が高まりました」

そして2000年代初頭、Tバック人気がついに爆発。1999年には『Wall Street Journal』紙が、「メインストリームのマーケットを席巻しようとしているTバック」と題した記事を掲載。 Frederick's of Hollywoodのようなセックスショップから、Saks Fifth AvenueのようなラグジュアリーストアへとTバックが扱われる場所が移ったことをレポートした。またトム・フォードは、Gucciの1998年の春夏コレクションのランウェイで、モデルのTバックの紐を見せるスタイリングを披露し、Tバック人気をさらに加速させた。

こうして小さなTバックは、隠すものではなく見せるものとなった。クリスティーナ・アギレラからジリアン・アンダーソンまで、すべての女性たちがローライズパンツやドレスに、ハイライズのGストリングを合わせていた。

「2003年以降のVictoria Secretのカタログを持っているんですが、そこではTバックがファッションの最新アクセサリーとして扱われています。背面に施されたビジューといっしょに見せる、というかたちで」とホーグランドは指摘する。「このトレンドを、ティーンの女の子たちが性的な魅力をアピールするため、としてみる向きもありましたが、流行だから着る、というひともいましたね」

しかし多くのトレンド同様、ほどなくして流行は移り変わった。2004年にはランジェリーブランドAdam + Eveの創業者アダム・リップス(Adam Lippes)が『New York Times』の記事で、女性のあいだで〈Tバック疲れ〉が広まっている、と発言した。「どんどん細くなるTバックに、女性は疲れ始めているんです」

それでもTバックは、いまだに有名セレブのパンツから覗いている。Tバックブームは再来するのだろうか? 2018年、ジェニファー・ロペスがNatasha Zinkoのパンツに合わせ、チェック柄のTバックの紐をウエストラインに覗かせていた。今年5月のメットガラでは、ヘイリー・ビーバーがAlexander Wangのベビーピンクのドレスに合わせ、同ブランドのチャーム付きTバックを着用していた。2020年春夏コレクションが何らかの指標になるとすれば、過去の遺物だと思っていた2000年代のさまざまなトレンド同様、デザイナーたちが見せTバックを再び流行させようとしていることは間違いない。