Rhizomatiks、俺らの周りではコードが全て

昨年末、Rhizomatiksの創立10周年を祝う大忘年会「C.R.E.A.M.」が開催された。会場のContactには彼らと馴染み深いDJやアーティストたちが集結し、特別な一夜を彩った。

by i-D Staff
|
26 January 2017, 1:40am

株式会社であり、クリエイターズ・コレクティブでもある——このバランスが、Rhizomatiksを世界的に稀有な存在へと押し上げている。齋藤精一、真鍋大度、千葉秀憲、石橋素らを中心とする30-40人ほどの組織が最先端のテクノロジーによって創造し、「アルス・エレクトロニカ」や「カンヌライオンズ」といった数々の広告賞とデザイン賞を受賞して影響を与えてきたモノとコトは、アート、デザイン、建築、音楽、映像、身体……と、その領域はとどまることを知らない。現代思想における多用構造の概念「リゾーム」を語源とするRhizomatiksにとって、「非階層的、非法則的、非統一的」にあらゆるものへと根を伸ばし続けてきたこの10年間は素晴らしいプロセスだったはずだ。

2016年7月に創立10周年を迎えたRhizomatiksは、体制を再編。メディアアートなど技術と表現の可能性を探求する「Reserach」、都市空間からイベントまで場を創る「Architecture」やブランド、広告の設計を手掛ける「Design」の3部門を設立し、より細部での深化も推し進めながら、今まで以上の創造を目指すという。

Daito Manabe + Setsuya Kurotaki from Rhizomatiks

しかし、再編は整頓と明確化に過ぎないはずだ。Rhizomatiksのコレクティブとしての精神性は、今回の創立10周年記念イベントのタイトルとメインヴィジュアルでも表現されている。フードを被って集うクルーの写真、その中央にあしらわれたロゴマーク、そしてイベントのサブタイトル「code rules everything aroud me (俺らの周りではコードが全て)」は、全てWu-Tang Clanの名曲「C.R.E.A.M.(cash rules everything aroud me)」へのオマージュだ。これは真鍋大度をはじめヒップホップ・マニアの多いRhizomatiksが、強烈な個性が集いながらも自由奔放に活動してきた伝説的なヒップホップ・グループをリスペクトしている証でもある。そして、テクノロジーで音楽シーンに革新を起こしてきたRhizomatiksの現在の姿は、遊び心を欠かすことのない仕掛けで音楽にアートとしての価値や解釈を追求してきたWu-Tang Clanと重ねることができる。

Rhizomatiksの10年にとって、音楽は重要なフィールドであり続けてきた。プロジェクションマッピング、筋電位センサーと電気刺激デバイスを用いたダンスへのアプローチ、人間サイズの巨大シンセサイザー、ダンスとドローンのシンクロ、人工知能のDJ。国内外のアーティストたちと行ってきたMV制作やライブの技術演出といったコラボレーションだけでもプロジェクトは数え切れない。そして、テクノロジーとエンターテイメントの可能性を追求する彼らの挑戦の数々は、アーティスト、パフォーマー、オーディエンスなど、音楽の現場に集まるあらゆる人々の関係の中でこそ、次元を超えた感動へと結実してきた。

Daito Manabe from Rhizomatiks

創立10周年記念イベントは、Rhizomatiksが愛するアーティストと音楽を集まった人全員で楽しむ空間が展開された。渋谷Contactのメインフロアとラウンジでは、ヒップホップやジャングルからジュークまでを展開したDaito Manabe + Setsuya KurotakiとSeiichi SaitoのRhizomatiksクルーに加え、昨春に真鍋大度をコラボレーターに招いてUSツアーを行ったビートメイカーNosaj Thingが貴重なDJセットを披露。強烈な音楽性もさることながらエンターテイメント性の高いパフォーマンスでフロアをロックしたSeihoや岡村靖幸をようするOL Killer、いぶし銀のテクノ・スペシャリストとしてパーティの雰囲気をビルドアップしたAOKI takamasaやAmetsub、華麗さと渋さが同居するハウスDJを披露したLicaxxxに、UKガラージやUKファンキーを詰め込んだセットでラウンジをにわかに盛り上げたChocola B、といった実に多彩な面々による、豊富な音楽で終始賑わい続けていた。そこに大がかりな演出や仕掛けなどはない。ただ自由に体験すること。テクノロジーと音楽に踏み込む前提にあるRhizomatiksの音楽に対する愛情や根本的な想いが、祝賀会と大忘年会ならではの空気の中で存分に感じることができた。

Seiichi Saito

Nosaj Thing

Seiho

AOKI TAKAMASA

Ametsub

Licaxxx

Shinichi Miter + Yasunari Masuda

Minoru Hatanaka

Chocola B

Jun Ishihama

Credits


Photography Takao Iwasawa
Text Hiromi Matsubara

Tagged:
Daito Manabe
Nosaj Thing
shibuya
event
Rhizomatiks
ametsub
seiho
aoki takamasa
chocola b
jun ishihama
licaxx
minoru hatanaka
seiichi saito
setsuya kurotaki
shinichi miter
yasunari masuda