J・P・ロドリゲス&J・R・G・ダ・マタについて知っておきたい6つのこと

ジャン・ジュネやファスビンダーの系譜を受け継ぐ映画界の鬼才ジョアン・ペドロ・ロドリゲスと共同制作者ジョアン・ルイ・ゲーラ・ダ・マタ。ふたりの出会い、影響を受けた映画作品や監督、旅行と創作の関係について話を訊いた。

by Sogo Hiraiwa
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16 December 2016, 8:45am



1. 最初に観た映画は『ぼくの伯父さん』
「記憶にあるかぎりで最初に観た映画はジャック・タチの『ぼくの伯父さん』。6歳か7歳の頃、日曜日の午前に映画館でひとりで観たと思います」

2. 鳥類学者になりたかった
両親ともに科学者だというJ・P・ロドリゲス。彼自身も映画監督を志す前は鳥類学者を目指していた。「映画の魅力に引き込まれていったのは15歳の頃です。50年代のアメリカ映画を観たのがきっかけでした。それ以前は美術館に行ったり、バードウォッチングばかりしていました」

3. 欠かせない相方
J・P・ロドリゲスにとって公私にわたるパートナーであるジョアン・ルイ・ゲーラ・ダ・マタ。彼は多くの作品で共同監督としてクレジットされているが、ふたりの付き合いは古い。「ジョアン・ルイに会ったのが28年前で、彼に最初に見せた映画がジャック・ドゥミの『シェルブールの雨傘』(1964)。私はこの映画に出てくる歌を全部暗記していたので、ポルトガル語で歌いながら翻訳してルイにストーリーを説明してあげました」とJ・P・ロドリゲスは当時を回顧する。インタビューの現場で彼は、J・P・ロドリゲスの隣に座り、応答に詰まった監督にアドバイスをささやいていた。互いの感覚を深く共有し合うふたりは、切ってもきれない関係なのだ。

4. 好きな映画は……
インスパイアされた映画と好きな映画監督を訊くとJ・P・ロドリゲスは「それは難しい質問だよ!」と言いながら次のように答えてくれた。「チャールズ・ロートンの『狩人の夜』(1955)は、俳優が撮った映画として素晴らしい。サイレント期の監督では、エリッヒ・フォン・シュトロハイム、バスター・キートン、チャールズ・チャップリン、D・W・グリフィス、セルゲイ・エイゼンシュテイン……」。そして、ジョアン・ルイは「『めまい』『鳥』『マーニー』、ヒッチコックの映画すべて。監督だとジャック・タチとケネス・アンガーだね」と答えてくれた。

5. ジョアン・ルイは怪獣・特撮好き
「1970年代にマカオに住んでいましたが、ポルトガル語のテレビ番組が全くありませんでした」とジョアン・ルイは話す。「そのとき見ていたのが中国本土の番組——つまり文化大革命期の中国映画チャンネルと香港チャンネルです。ブルース・リーも好きでしたが、『ゴジラ』や『モスラ』といった60年代の日本の怪獣映画にも同様に惹かれました。それから『仮面ライダー』に登場する想像力に溢れた造形の怪人たち——『マジンガーZ』や『ロボコップ』のようなロボットは昔も今も大好きです。特に、鉄腕アトムは気に入っています」

6. 旅行と創作
数々の国際映画祭に招待されて世界を飛び回っているJ・P・ロドリゲスとジョアン・ルイは、プライベートでもよく旅行をするという。そして旅行先で出会った人々やそこでの体験はふたりの中で消化され、映画に反映されていく。「東京や京都はもちろん、天狗が支配する鞍馬の不思議な森も好きです」とJ・P・ロドリゲスは話す。ロカルノ国際映画祭2016で監督賞を受賞した最新作『鳥類学者』には"天狗"が大きなモチーフのひとつとして登場する。

Credits


Text Sogo Hiraiwa
Photography Kisshomaru Shimamura

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