Quantcast

「自分たちをよりオープンに」 進化を遂げたThe XX

4年の沈黙を破り、2017年1月13日に、アルバム『I See You』をリリースするThe XX。バンドメンバー同士、そしてファンたちへ、より心を開いた内容になっているという、その最新アルバムへの想いを訊いた。

Minako Shimatani

Photo by Alasdair McLellan

今回のアルバム『I See You』のコンセプトを教えてください。
オリヴァー(以下O):それはとても難しい質問だね。
ジェイミー(以下J):コンセプトは特に設けていない。今回のアルバムが完成するまで、どんなアルバムにするか決めていなかったんだ。僕の見解では、グループであり友達である僕たちがお互いに、そして世界中のみんなに、より心を開いたアルバムだと思っている。だから、僕にとっては今までやったどのアルバムよりもオープンなものに仕上がっているよ。

前作のアルバム発売から少し時間が空いていますが、どのように過ごしていましたか?
O: 2年間ツアーをまわっていたんだ。そしてジェイミーは、その合間に自分のレコードを出したり、とても忙しく過ごしていたね。2013年のツアーが終わってから、すぐに新しいアルバムを作り始めたんだけど、制作して、考えて、を繰り返したりしていたら出来上がるのに少し時間がかかったんだ。2013年の終わり頃から曲を書きはじめて、最初のレコーディングセッションは2014年の3月頃だったから2年半ほどかかったね。これまでで一番誇りに思えるアルバムができたから、早く色んな人に聴いてもらいたい。

Photo by Kazumichi Kokei

アルバム制作にあたり、思い出に残っているエピソードなどありますか?
O: 一番忘れられないのは、いろんな場所でレコーディングをしたこと。アイスランドのレイキャヴィク、LAやニューヨーク、そしてテキサス州のマーファにも行ったんだ。特に思い出に残っているのは、シアトルからLAまでの道のりで、4日間海岸沿いをドライブしたんだ。みんなの音楽をシェアしながら、安いモーテルに泊まったりなんかしてね。

まさにロードトリップですね。
O: そうだね。本物のロードトリップだった。今までで一番美しいドライブで、LAに着いた時には、その旅からインスパイアされたまま、すぐにレコーディングに取りかかったよ。

Photo by Alasdair McLellan

みなさんは昔からの友達だと聞きました。
O: そうだよ。ロミーは3歳の時から知ってるし、ジェイミーは11歳から知っている。親友でもあり、兄弟のようなんだ。ほかのバンドだと「ドラマーを探してます」と、メンバー募集を出したりして結成しているバンドもいるくらいで、僕たちのようにこんなに親しいバンドばかりではないんだ。今回のレコーディング中や海外へのツアーに出かけると、特に自分の近くには親しい人がいてくれて幸せだと実感するよ。

音楽のことやコンセプトで意見が合わないことはありますか?
J: スタジオでは常にディスカッションをしてるよ。創り上げたものをバラバラにして、もう一回作り直すこともある。でも最後は必ず同意するんだ。特に音楽に関しては、お互いにとても素直だからね。
O: そうだね。3人ともそれぞれ違う個性があると思うんだ。だからお互いが違う見方もする。でも喧嘩はしないんだ。

Photo by Kazumichi Kokei

音楽を創り続ける原動力は何ですか?
J: 単にそれ以外やりたいと感じることがないからだと思う。ちゃんとした仕事をしたこともないしね(笑)。だから今でもこの仕事をさせてもらえることをすごくラッキーだと感じているよ。他のことをやっていることは想像できない。
O: 音楽がとにかく好きで、音楽の大ファンだから。それが理由で自分たちも音楽を作り始めたからね。もし自分たちが音楽からインスピレーションや新しい音楽に興味がなくなったら、その日は最悪な日になるね。そして、じゃあなんで作っているのか?ということを考えないといけなくなるから。

音楽を制作するにあたり、もっとも影響を受けるのは何ですか?
J: この二人(ロミー、オリヴァー)だね。本当にロミーとオリヴァーにはインスパイアされるよ。一人で音楽を制作するのとは全く違う。二人がいると様々なアイディアが飛び交うんだ。

フォトグラファーのアラスデア・マクレランが最新曲「On Hold」のMVも撮っていますが、なぜ彼を起用したのですか?
O: アラスデアは、以前にも数回僕たちの写真を撮ってくれていて、例えば最初のアルバムが発売されたときの『i-D』も彼に撮ってもらった。今回は、"オープンネス"や"温かさ"、そして"ユース"を表現したかったんだ。イメージボードを作っている時に無意識にピックアップしていた写真のほとんどが、アラスデアのものだった。だから、写真とミュージックビデオを依頼するのは自然な流れだったんだ。僕たちは彼の作品が大好きだし、今後ももっとコラボレートしていきたい。良い関係が続くといいなと思っているよ。

i-Dでもこのミュージックビデオにも出演しているモデルのパウロへインタビューをしました。なぜ彼を選んだのですか?
O: アラスデアがパウロとアリー(MVに登場する女性)の写真を送ってきたくれたんだ。そして、そのほかはみんな地元の子なんだ。こんなパーティがあるから来て、と拡散したら集まってくれた。みんなで楽しい時間を過ごせたよ。

The XXにとって、2016年はどんな年でしたか?
J: とても大切な年だった。僕は自分のツアーも終わり、このアルバムも仕上げたしね。色んなフェスでもライブをしたし、そしてまたバンドとしてこのように旅をしている。僕たちにとっては実りの多い1年であったね。世界は少しクレイジーだったけど。

Photo by Kazumichi Kokei

イギリスではブレグジット(Brexit)がありましたね。
O: 僕たちが望むような結果ではなかった、そして多くの若者が望んでいる結果ではなかったと思う。この決断をしたのは、もっと上の世代の人たちだと感じてるよ。アメリカを含めて、世界は確実に荒れている時なんだと思う。こんな時だからこそ、音楽やアートがより必要とされたり、欲している人が増えるんじゃないかな。この影響でどんな音楽が生まれるか楽しみでもある。イギリスではサッチャーの時代にパンクが生まれたりしたからね。

2016年、一番リピートした音楽は何ですか?
J: アルバム制作の際に聴いている音楽は全てリストにしているんだ。そして、ロードトリップをする時は音楽をお互いにシェアして、そこからインスパイアされたりしているんだ。そして、それを全部Spotifyにプレイリストとしてアップしてる。だから、僕たちが聴いてた音楽をみんなも聴くことができるよ。

日本でも聴けますか?
O: もちろんだよ。「in the studio」というプレイリストに全て入れているよ。

Photo by Laura Coulson

クリスマスはどのように過ごすの?
O: もちろん家族と過ごすよ
J: そう、ロンドンで過ごす予定さ。

もうプレゼントは買った?
O: まだだけど、明日買いに行こうかと思ってる。東急ハンズで、すべてのクリスマスショッピングを終わらせる予定なんだ。そしてクリスマスデコレーションもね。

今まででもらった最高、そして最悪なクリスマスプレゼントは?
O: 最悪なプレゼントはちょっとわからないけど、最高のは……ねー、ジェイミー何くれたっけ? きっとそれが最高なものだよ(笑)。あっ、そうそう僕が13歳の時に父が初めてのベースギターを買ってくれたんだ。ちょうど音楽を始めた時だった。

きっとご両親もみなさんのご活躍を嬉しく思っているのでは?
O: 僕たちはみんな、音楽が大好きな家族に育てられたと思うよ。人生初のライブやフェスに連れて行ってくれたのは、何を隠そう母親なんだ。とても協力的だったね。
J: 僕の父もオリヴァーがベースをもらった時と同じぐらいに電子ドラムを買ってくれたんだ。だからこれも運命ってことかな。

一番好きなクリスマスソングは?
O: Wham!の「ラスト・クリスマス」をカバーしたことがあるんだ。クラシックな曲だよね。だから、それが僕たちの一番好きなクリスマスソングだよ。

2017年の予定を聞かせてください。
O: ツアーだけ(笑)! 今年は6回の公演をしたんだけど、それは新しい曲にトライしたり、体を慣らすための準備だったんだ。来年の2月からは本格的にワールドツアーをスタートするから、来年にはまた日本に帰ってくると思う。フェスは自分たちのツアーと違ってコントロールできない部分が多いから、チャレンジではあるけどね。でも、好きなバンドやアーティストに会えるチャンスでもあるからとても楽しみなんだ。

thexx.info

@thexx

Beat Records

Credits


Text Minako Shimatani