リアーナがモトクロスで魅せたFenty x Puma 2018SSコレクション

モトクロスと蛍光サーフ・スタイルがぶつかりあったランウェイ・ショー。観客はなぜリアーナが「バッド・ガール」と呼ばれているのかを理解した。

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sep 20 2017, 3:56am

アメリカの軍事施設として使われていたパーク・アヴェニュー・アーモリー。マンハッタンのアッパー・イーストサイドに1ブロックを占めて建つこの宮殿のような建物は現在ニューヨーク・ファッション・ウィークで定番のショー会場となっている(音楽業界におけるマディソン・スクエア・ガーデン)。入り口ホール(『ハリー・ポッター』を彷彿とさせる雰囲気がある)に立つと否が応でも歴史を感じるが、この巨大スペースは利用者の意図に合わせてさまざまな世界観を演出することができる。アイ・ウェイウェイ(艾 未未)はそこに「ヘンゼルとグレーテル」をテクノロジーで表現し、マーク・ジェイコブスは『シンプソンズ』に出てくるような雲を浮かばせた。そんな場所でリアーナはピンク色の砂の山に囲まれたモトクロスのランプ(ジャンプ台)を出現させた。

これまでわたしたちに至高のコンサート体験を与えてきたリアーナ。彼女はFenty x Puma 2018年春夏コレクションでも、ニューヨークのファッション界が渇望してきたスタジアム級のスペクタクルを届けてくれた。バックステージから飛び出してきたモトクロス選手たちがランプに集まり360度フリップや空中トリックを見せ、宙を舞った。

ランウェイにもその影響を見て取ることができた。モトクロスの演出の中で、蛍光顔料を塗ったサーフウェアが作り上げられていた(モトクロスとサーフィンという取り合わせは意外にも不自然ではなかった。サーファーも絶好のスポットを全地形対応車ATVで探すのだから当然なのかもしれない)。ロゴが配されたモトクロス・パンツ、オーバーオール、アノラック、そしてウェットスーツに用いられる合成ゴムのディテール、ショートスパッツ、そしてシックなレーシング・ワンジーなどが異種の世界観をマッシュアップしていた。

ランプを囲む砂の山と同様に鮮やかなピンク色のユーティリティストラップが、バケットハットや、最先端素材とデザインのパンツ、ネオンカラーによってポップに演出されていた。ほかのアイテムにもストラップが用いられ、ハーネスのように使用していた。ストラップを配したジャケットはパラシュートのようだったし、マイクロメッシュのドレスにはボンデージの雰囲気が香った。

またストラップは、リアーナが近年、積極的にデザインをしているシューズにも多用さられていた。ドローストリング・ブーツ(編み上げブーツ)には蛍光オレンジのロゴ・ストラップが配されていた。そして、リアーナが築いているシューズ帝国に新たに加わった作品が、サーフィンのリーシュコードそっくりのアンクル・ストラップが付いたヒール・ビーチサンダルだ。ニューヨーカーはビーチサンダルとの相性が悪い。しかしそこは、「シュー・オブ・ザ・イヤー賞」を、女性として初めて受賞したリアーナ。このヒール・ビーチサンダルも大ヒット間違いなしだろう(前作よりもさらにソールを厚くしたCreeperシューズも、今コレクションで登場した)。

ショーは"エクストリーム・スポーツ夢の競演"さながらのひとときとなった。ミカ・アルガナラスがショーのオープニングを務め、ジョアン・スモールズ、アジョア・アボアー、カイア・ガーバー、レキシー・ボーリング(Lexi Boling)、セリーナ・フォレスト、ジャゼル・ザノーティ(Jazzelle Zanaughtti:ハンドルネーム@uglyworldwideで広く知られている)、サラ・ブラノン、そしてキキ・ウィレムスが続いた。中でも輝いていたのが、i-Dでも表紙を飾ったことのあるスリック・ウッズ。リアーナのミューズとなったウッズは、多様性溢れた今回のショーの様子をInstgramに投稿し、この夜の話題をさらった。

レーサーたちが最後のスタントを見せ去っていくと、後部シートにリアーナを乗せたレーサーが現れ、ランウェイとなったランプの周りを一周した。「バッド・ガール」の異名を持つリアーナ——その名が誇張ではないと確信する夜だった。



Credits


Photography Bobrowiec
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.