リカルド・ティッシがGivenchyを去る

12年間にわたり、多様なクリエイティブ・ファミリーをGivenchyで築き上げてきたリカルド・ティッシ。彼が去ったことを、ブランドが発表した。

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feb 3 2017, 10:26am

Givenchyは、これまで12年間にわたりクリエイティブ・ディレクターを務めてきたリカルド・ティッシがブランドを去ったと認めた。WWDの取材に対しGivenchyは、2017年秋冬メンズ・コレクションと2017年オートクチュール・コレクションがティッシにとって最後のGivenchyコレクションとなり、今年3月5日に予定されているパリ・ファッションウィークでのショーは行なわないこと、またスタジオによるデザインのコレクションをショップ向けにショールームで展示・販売することを明かした。

ティッシはInstagramに「心からの感謝の言葉を、#givenchyと#lvmh、僕の素晴らしいチーム、マジカルなアトリエ、そしてGivenchyでの93コレクション実現とクレージーな冒険に満ちた12年間に関わってくれたすべての人々に送りたい。昼も夜も君たちが送ってくれた惜しみない愛とサポートを、僕はこれからも一生忘れない。#love #givenchy #forever」と投稿している。

発表された声明のなかで、LVMH社のベルナール・アルノー氏は「リカルド・ティッシが築き上げたこの12年間の功績は、Givenchyにとって成功と繁栄の継続を体現した素晴らしい歴史の一章であり、このメゾンの発展は彼の貢献なしには語れない。我々は彼に心からの感謝の念を捧げる」と書いている。

ロットワイラーや星、チェーンなどのプリントを用いてスポーツウェアにビーフィーな美しさを築いた2011年秋冬コレクションから、多くのコピー商品を生んだ2010年春夏コレクションのモノクローム・テーラリング、繊細なシースルー素材を用いながらもフェザーを多用してパワフルな服を作り出したクチュール・コレクションまで、ティッシは見間違いようのない独自の世界観をGivenchyで打ち立てた。

ショーマンとして、彼はこれまでマリーナ・アブラモヴィッチと共に2016年春夏コレクションを制作し、ニューヨークで発表するなどしてきた。このパフォーマンス・アートの女王とのコラボレーションによって生み出されたショー——夕陽が沈んでゆくハドソン川に僧たちが唱える聖歌が響き、パフォーマーたちは野外舞台で儀式のように舞った。

アブラモヴィッチはティッシの、そしてGivenchyのファミリーとなったアーティストのひとりだ。他にも、アイコニックなモデルのマリアカルラ・ボスコーノ、ポップカルチャー界のスター、キム・カーダシアンやカニエ・ウェスト、ニッキー・ミナージュなどがティッシ(Givenchy)ファミリーとして知られている。またティッシは、他のデザイナーたちに先駆けていち早くリア・Tなどトランスジェンダーのモデルを起用したデザイナーでもあった。

Givenchyを後にしたティッシが向かう次なるメゾンは、これまで彼の起用を懇願してきたVersaceではないかと噂されている。ティッシがジャンニ・ヴェルサーチ作品の大ファンであることは周知の事実であり、また彼はGivenchy 2015年秋冬『ファミリー』キャンペーンでも共演するなどドナテッラ・ヴェルサーチとも親しい。

Credits


Text Charlotte Gush
Photography Mert Alas and Marcus Piggott
The Lovers of Life Issue, no. 305, Pre-Spring 2010
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.