孤独になるための4つのヒント

しばしのあいだ、独りになって、自分自身と対話を——。

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30 August 2017, 10:54am

進んで孤独を味わいたいという人は少ない。独りでいることすら、ときに心地悪いものだ。だって孤独はクールじゃない。これほど個人であることの重要さが叫ばれている昨今だが、「独りの時間」はなぜだかそれほど重要視されていないように思う。一年中誰かしらの画像や動画が世界に公開され続けていて、それを評価し合う——いまはそれが日常化している。それでも、私たちはあいかわらず、多くの時間を独りで過ごしている。本を読むのも、考えるのも、自分をどう表現すべきか悩むのも、すべて"ロンリー(独り)"という体験と空間のなかでしかなしえない。スマホが気になってしかたない——それも"あなた"という独りの人間のなかで起こっていることだ。ネット上に築き上げられた"あなた"という人物は、残念ながら本当のあなたではない。そのガジェットのスイッチを切って見ると、そこには物静かで弱々しい自分がいるのに気がつくだろう——それはなかなか惨めなものだ。

孤独とは辛く、恥ずかしくもある感情だ。それはファッショナブルとは正反対のものと、現代社会では考えられている。コミュニティ(共同体)は素晴らしいものだ。しかし、それにとらわれるすぎて、一人ひとりの自立性を台無しにしてしまってはならない。生きていれば、孤独に耐えなければならないときが必ず訪れる。それは、愛や怒りと同じように自然なことであり、朝起きたときに目やにが出ているのと同じくらい不可避なものだ。友達や知り合いが多ければ多いほど、ふとしたときに感じる孤独感は強い。悲しいことに、私たちが生きる現代において孤独はよくないものとされている。そして、その心理が巧妙に利用されてまでいる。不安は人々を巧みに資本主義へと駆り立てる。ひとはシェアや「イイね」を繰り返すことで、現実社会での孤独を忘れようとする。つながっていると思っていた友達がシェアや「イイね」をしてくれないと、途端に社会から断絶されてしまったかのような孤立を感じてしまう。

悲しみや焦りはどうしたって楽しいものではない。ほかに何も手につかなくなるほどの圧倒的な感情だ。だけどそうした感情は、人間という生き物の複雑さや、自分自身との対話がいかに大切かを教えてくれもする。孤独は人生や世界を理解するためのフィルターのひとつだ。しかし、孤独感を受け入れるには時間と手間がかかる。それに役立つかもしれないいくつかの方法を紹介する。


<鏡の中の自分を見つめてみる>
「誰も気にかけてくれない」なんて考えるのではなく、「独りの時間を作っているのだ」と考えてみよう。すると、"独りでいる"のが、自分で選んだ状況になる。!"楽しさや満足感はひとから与えられるもの"という考えをやめるのだ。そして、自身との対話を通して、自分よりよく知ろう。いかにも安っぽく、抽象的すぎるアドバイスかもしれないが、ひとは実に簡単にセルフケアを実践できる。子どもの頃や10代のことには誰もがやっていたこと——私たちのアイデンティティである肉体を注視し、肉体的、感情的、そして精神的存在である"私"の中につながりを見出していく。それがセルフケアだ。しかし、私たちはいつしかそうすることを忘れてしまう。テレビドラマを観るのに忙しくなり、お茶を淹れることに追われ、幼馴染の婚約パーティに呼ばれなかったといじけたりするので手いっぱいになってしまうのだ。自分の肉体を溺愛する必要はないが、しかし自分の魂が宿るその肉体を愛し、受け入れてあげられなければ、「自分が消え言ってしまうんじゃないか」という感覚に飲み込まれてしまう。

<一緒にいて素直になれる人を知る>
孤独と向き合うと、友達の不在が痛いほどに感じられるようになる。だからといって、友達が減ったわけではない。両親以外誰も連絡をくれないと感じてしまうなら、まずは両親にメッセージを送ってみればいい。しかし、自分が友達だと思えるひとのことは信用しよう。孤立感は決して一方通行の思いじゃない。友達たちにもあなたからのメッセージを待ち焦がれた経験があるはずなのだ。あなたを温かく包み込んでくれるひとに連絡をとってみよう。そして、気分が塞いでいると正直に伝えてみよう。インターネット上に転がっているパロディ画像でも使って、気持ちを伝えてみて。メッセージを送る気にならないなら、SNSでそんな友達をタグ付けしてパロディ画像をアップすればいい。彼らが手を差し伸べてくれないなら、少なくとも彼らがあてにすべきでない存在なのだということがわかる。それに、ほとんどのひとはあなたに向ける心を持っている。そういうものなのだ。そうであってほしい。

<寝てしまう>
気が沈んでいるひとに、「ベッドに潜り込んで、好きなだけそこにいなさい」なんて言うべきじゃない——それはわかっている。でも実際、孤独感に打ちひしがれているとき、寝て忘れるというのは有効な手段だ。2週間ずっと夜8時に寝てしまう——それでもいいじゃん。天気の良い日曜にカーテンを閉め切った部屋で引きこもるのも悪くない。そうするべきだと私は思う。人生は長い。精神的に疲弊しているときに一日ぐらい青空を見逃したからってどうってことない。意識を捨ててみるのも大切なのだ。真夜中に散歩へ出かけたり、バスに乗ってルートを一周してみるのも良いかも。少しにあいだ考えるのをやめて、心が必要なだけの休憩を与えてあげてみてはどうだろう?

<料理をしてみる>
自分のために何かをするというのは、案外難しい。自分を楽しませるために料理をすると考えるとき、誰もが「食べるのは私なのに、なぜイチから料理をしなければならないのだ?」と考えてしまうだろう。みんながパーティで美味しいフォカッチャやスフレを食べているときに、ダンスもろくに踊れない自分は、独り寂しく、もう古いスイートポテトを食べていたりするのだから……。ならば、自分のなかに眠るフードライターを呼び起こしてみよう。もしくは有名フードライターが書いた本でも読んでみたらいかがだろうか。フードライターのナイジェル・スレイター(Nigel Slater)なら何と言うだろう? きっと、「インターネットでしか見たことがないひとたちでいっぱいのパーティに、EVISのジーンズを履いて出かけるなんてまっぴら」と言うだろう。「レモン・ポレンタケーキを作る材料でも買いに出かけ、夜の11時に作り始めたケーキを11時45分には食べる。そしてなかなかおさまらない満腹感にお腹をさすりながらベッドに入る」と。これを、読書や散歩、映画、セックスにおきかえてみてもいい。友達などといるときよりも楽しめるものはたくさんある。

結論
ネガティブ思考のループから抜け出すには時間がかかる。それも、気が遠くなるほどに多くの時間を要するものだ。何年もかかるかもしれない。その事実から目を背けたいならそれでもいい。ただ、目の前にある現実を生き抜いていくしか、私たちには手立てはない。そうしていれば、あなたを孤独にしている根本的な理由を知るときがきっとくる。そして、それが何であるかを知れば、それを解決していくこともできるだろう。人生は不思議なもので、誰にとっても難しく、大変なものだ。あなたはどこまで行ってもあなた——だから今はまずスマホの電源を切って、自分自身と遊んでみて。

Credits


Text Bertie Brandes
Screenshot from Welcome to the Dollhouse
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.