Photography Hugo Scott

ストレートアップス:ブラジルで黒人・LGBTQとして生きるということ

極右大統領の誕生を控えたブラジルで、i-Dはよりよい社会を望む13人のアーテイストに話を聞いた。

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07 november 2018, 5:08am

Photography Hugo Scott

オリンピックやW杯のホスト国として、ここ5年での進歩を世界からも称賛されてきたブラジルだが、現在重大な社会危機に直面している。ことの始まりは、ブラジル初の女性大統領ジルマ・ルセフが弾劾裁判で罷免された2016年。ルセフ元大統領側は、当時副大統領であったミシェル・テメル(のちに大統領代行を経て第37代大統領に就任)による謀略により大統領の座を追われたとされている。ミシェル・テメルは、2%というブラジル歴代最低の支持率を記録した。

そして2018年3月、ファヴェーラ(ブラジルにおけるスラム)出身の黒人レズビアン女性の国会議員で、ブラジル黒人運動の象徴的人物であるマリエール・フランコ(Marielle Franco)が、リオデジャネイロの街なかで射殺された。現代の公共の場での未解決犯罪のなかでも、その残忍さは際立っている。それ以後、暴力がストリートを席巻し、日々人種差別、ホモフォビア、トランスフォビアが横行。それに異を唱える者への攻撃が止まない。フランコの暗殺のわずか数ヶ月後には、22歳のノンバイナリートランスのヴィジュアルアーティスト、マテウサ・パッサレーリ(Matheusa Passarelli)が殺害された。

大統領選の決選投票は、ふたりのまったく異なる候補者で争われた。左派、労働党の党首フェルナンド・アダジ VS 極右、社会自由党の候補で有権者の支持を大きく集めた元軍人ジャイル・ボルソナロ。ボルソナロは60年代の軍事独裁政権を公然と支持している。例えば女性代議士との対話中に「私は君をレイプしない。だって君はレイプするに値しないから」など、あからさまな人種差別、ホモフォビア、階級差別、性差別的な発言を繰り返し、マイノリティを中傷している。ラテンアメリカ、そして世界に広がるポピュリストの波の先頭にボルソナロは立っているのだ。〈ブラジルのトランプ〉と呼ばれ、時にはアドルフ・ヒトラーにもなぞらえられることもある彼は、熱帯の一国において、ファシズムや恐怖政治を体現している。

そして10月28日の決選投票で、ボルソナロは勝利した。i-Dはボルソナロ勝利が確定する前のブラジルで、自らの存在のため、抵抗を運命として受け入れているブラジル人の若者たちに話を聞いた。彼らは、愛とコミュニティの原理に基づいて、今よりももっと明るい未来を手にすることを諦めてはいない。

Wesley Baiano
Weslley Baiano

ウェスリー・バイアーノ(Weslley Baiano)、18歳。モデル、ダンサー、パフォーマー

——ブラジルで黒人LGBTQであるというのはどういうこと?
愛されつつ憎まれて、目立つ存在でありながら見えない存在でもある。

——あなたが所属するクリエイティブ・コミュニティのどんなところが好き?
物事の対処のしかたが自由なところ。そうすれば全てがもっと楽になる。

——ブラジルの何を変えたい?
みんながもっとひとつになって、みんなで問題を解決したい。

——今、どんな行動をとるべきだと思う? どうやって手助けができる?
エゴや個人主義をいったん横に置いておく。

——もし世界にメッセージを送るとしたら何を伝えたい?
これまで築き上げられてきたあらゆるスタンダードを、早急に破壊しなければ。

@weslleybaiano

Igi Ayedun
Igi Ayedu

イギ・エイダン、28歳。イメージ&コンテンツデザイナー、マルチメディアアーティスト、画家

——あなたが所属するクリエイティブコミュニティのどんなところが好き?
抑圧されても、限界を知らないクリエイティビティ。

——ブラジルの黒人をとりまく状況って?
とにかくイメージとお金の問題。私たちは、常に自分の行動、自分の存在、自分の希望について自問自答しているから、ゆっくり休息する暇もない。ブラジルの人種差別は社会構造的に根深くて、黒人はいつも劣った人間として見なされる。

——ブラジルの何を変えたい?
ブラジル人たちが抱いている善悪、美醜、豊かさと貧しさ、黒人白人、バイナリーとノンバイナリーのイメージ。今のブラジルでは全てカネ次第だから。

——米国人にブラジルの何を知ってほしい?
かなりカオスな政治情勢だけど、今私たちは、ブラジル史にも残るであろう運動の真っただ中だってことを忘れちゃいけないと思う。今この国で起きていることは、20世紀の圧政により生まれたカウンターカルチャー的な芸術運動とすごく似てる。だけど、ブラジルのモダニズムやトロピカリアとは違って、今のブラジルの最新の芸術運動は、アカデミーじゃなくてストリートで起きてる。ブラジルにおける反逆の主役は、ゲットー出身クィアの反体制主義者たち。

——もし世界にメッセージを送るとしたら何を伝えたい?
「もし愛か憎悪、どちらかいっぽうを選ばなければいけないのなら、愛を選ぶ」― マテウサ・パッサレーリ

@igiayedun

Slim Soledad
Slim Soledad

スリム・ソレダッド(Slim Soledad)、20歳。モデル、DJ、パフォーマー、ダンサー、イベント〈Mil Grau〉と〈Chernobyl〉のプロデューサー

——ブラジルの黒人LGBTQが置かれている状況って?
デリケート。大きな進歩をしていると同時に、クーデター後の新政権のせいで後退もしてる。私たちのコミュニティは、社会の周縁でどうにか生き延びている。社会的に多大なる不平等を被っている。でも、私たちはその境界線を押し広げていくことができるはず。黒人でも自己表現ができる場をもったり、映画に出たり、定員システムのおかげで大学に通えてる人もいる。

——ブラジルで黒人LGBTQであるというのはどういうこと?
ひとことでいうと〈不安定〉。この国はすごくLGBTQへの嫌悪感や人種差別が強いから。私たちみたいな少数派グループは、毎日のようにいやがらせの被害に遭ってる。言葉の暴力だけじゃなく、身体的な暴力も。だけど、私たちには価値がある。規範に従わないから、ある人びとにとっては〈恐怖〉なのかもしれない。でもだからこそ私たちはすばらしい。私は自分の肌が好き。だけど幼い頃から、ずっと差別を受けてきた。大半の白人は、自分を人種差別主義者だとは思っていないだろうけど、黒人の身体への圧力を蔓延させていることには気づいてない。

——もし世界にメッセージを送るとしたら何を伝えたい?
外に出ること。情報をどんどん得ること。研究すること。学ぶこと。知識は誰にも奪われないから。知識があればあるほど、いろんな物事が動き出す。

@slimsoledad

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Kelton Campos.

ケルトン・カンポス(Kelton Campos)、21歳。ヴィジュアルアーティスト

——あなたが所属するクリエイティブコミュニティのどんなところが好き?
常にいろんなモノを与えあっていること。私たちはみんな、泡のなかにいると思っている。その泡は無数の粒子から構成されていて、ひとつひとつの粒子それぞれが、いろいろなことを教え合ってる。お互いに愛し合い、守り合うことのできる私たちは、とても美しいと思う。

——あなたの仕事について教えて。
私はサンパウロ市のブラジランジアに住んでる。私の活動は、自分が育ったファヴェーラに特化してて、同郷の人たちと組んで仕事をするようにしてる。彼らに少しでも存在感を与えたいから。美しいゲットーだから、世間の人びとや組織がこの地域に抱くステレオタイプを越えた作品をつくりたい。

——ブラジルで黒人であるというのはどういうこと?
混乱。ブラジルに生きる黒人としてのアイデンティティを理解するためにたくさんの文献を読んでるところ。ディアスポラの結果、私という存在が生まれた。だけど、私たちの闘いの武器となる言説は、米国の状況を反映したものばかり。もちろんアフリカ系米国人の葛藤については敬意を表したいけど、ラテンアメリカにおける黒人についてももっと議論されるべきだと思う。

——ブラジルの良いところは?
ブラジル人としていろんな苦難に直面するけれど、社会的、経済的なシステムが確立していないからこそ自分たちの好きなように様々なことができる。そこがいちばん好き。

@1nn6

Lay
Lay.

レイ(Lay)、26歳。ミュージシャン、フェミニスト・ラッパー

——ブラジルのLGBTQをとりまく状況って?
大虐殺。この国の政治が向き合うべき問題として、これ以上に大事なものってない。だって、これって生きる権利の話だから。現行の法律は家父長制が強いから、改正すべき。それが闘いのゴール。

——ブラジルの黒人をとりまく状況って?
著名な黒人知識人がいない時代に育ち、黒人としての自分の存在を否定するように教え込まれてしまった。白人社会のもとで。ブラジルでは、私たちのアートや美学はとても称賛されるけれど、ホワイトウォッシュされてしまう。アヴァンギャルドな黒人コミュニティは、アートを通して自らの居場所を捜し求めてる。でも、この国の人種差別的な体制のせいでその挑戦が妨害されてる。経済的、政治的、心理的に。

——あなたのコミュニティのここが最高、っていうところは?
サバイブする力。今のところ、それがいちばんすてきだと思う。この国唯一の女性大統領が弾劾され、政治家のマリエール・フランコが殺され、蛮行が横行している今、明日も今日と同じように目覚めて音楽をやれることが奇跡みたいに思える。

——ブラジルの何を変えたい?
家父長的で、資本主義的で、人種差別的な体制。

@layfestyle

Ricardo Boni Estileras
Ricardo Boni.

リカルド・ボニ(Ricardo Boni)、21歳。ファッションデザイナー、〈Estileras〉の共同創業者

——ブラジルのLGBTQをとりまく状況って?
ブラジル全体が危機に瀕していると思う。私たちはバカにされ、殺され、私たちの身体に対する心ない言葉を広められ、暴力がふるわれている。市場は変化しつつあるけれど、私たちは雇用されない。私たちの仕事は評価されない。カラフルなポスターや〈Love〉ボタンは広まっているけれど、いまだに下等階級。巨大ブランドが出資する〈LGBTQA+フレンドリー〉を標榜する場所でも同じ。

——ブラジルでLGBTQであるというのはどういうこと?
私の家族は私に圧力をかけたり、自分らしくないことを強要したりするような家庭じゃなかったから、私は恵まれてる。そこから、人間の多様性の力や、全ての人びとに敬意を払うことを学んだ。

中学を卒業した頃から、規範とはズレた服装をするようになった。今でも、周りからの視線や嘲笑を感じるし、何をされるかわからないって思いながら街を歩く怖さがある。風変わりな人は、自分のことについて説明しなきゃいけない。自分の服装、ふるまい、自分が呼吸をしているんだ、っていうことについても。それがLGBTQA+としてブラジルで生きるってこと。

——ブラジルの何を変えたい?
もっと交差的な議論が必要だと思う。セクシュアリティ、ジェンダー、社会的文脈と合わせて人種を語る必要がある。マイノリティにももっとチャンスが与えられないといけないし、政治的にも社会的にも高い意識が求められている。国内のいろんな地域がもっと密につながって、抵抗のアートを通した交流をしていく必要がある。

——もし世界にメッセージを送るとしたら何を伝えたい?
〈イエス〉と〈ノー〉のあいだにある、〈たぶん〉。

@estileras

Brazil

エドゥアルド・コスタ・ヘイス(Eduardo Costa Reis)、29歳。〈Brechó Replay〉の共同創始者

——あなたの仕事について教えて。
〈Brechó Replay〉はInstagram上のクリエイティブプラットフォーム。そこでは自分たちが手がけたプロジェクトを掲載していて、結果だけじゃなく制作のプロセスもシェアしてる。

——ブラジルで黒人LGBTQであるというのはどういうこと?
抑圧の対象。あと研究対象。

——あなたのコミュニティのここが最高、っていうところは?
家族と呼べるところ。しかも、ブラジルに根づいたキリスト教的な意味での家族とは違う。

@brechoreplay

Brazil
Loic Koutana (left).

ロイック・クタナ(Loïc Koutana)、23歳。フランス/コンゴ/コートジボワールの血を引いたモデル、コンテンポラリーダンスパフォーマー

——ブラジルの黒人LGBTQをとりまく状況って?
ブラジルは世界でも有数のトランスジェンダー人口を誇るけど、同時に、トランスジェンダーの殺害件数も最多。ブラジルに来てそれを知って、すごく衝撃を受けた。その事実は、この国における矛盾をよく表していると思う。みんな、自分らしくあるために、自分たちの自分らしさを守るために闘っているけれど、LGBTQシーンも、黒人コミュニティも、絶えず迫害を受け、瀕死の状態。数ヶ月前には、大切な友人をひとり失った。若くて、特別な才能があるトランスジェンダーのアーティスト、マテウサ。ただの統計じゃなくて、実際に人が殺されているんだ、って思い知らされて、怖くなった。

——ブラジルで黒人LGBTQであるというのはどういうこと?
私にとってはすごくポジティブ。ブラジルで生まれ変わった気分。フランスでは常に、周りからの視線に不安を抱いていた。でもこの国の自由への渇望やブラジル人たちの自信に触発されて、私も自分を受け入れることができた。私はこの国で、すばらしい経験をしている。

——あなたのコミュニティのここが最高、っていうところは?
フランスとアフリカの血を引いている私にとって、フランスのライフスタイルや、フランス人が抱いている自由や正義を欲する心がありつつも、アフリカ的な精神や家族のつながり、人生の幸福も失われていないブラジルは、完璧な場所。ブラジルの良いところは、人種のるつぼであるところ。

@lhommestatue

Brazil by Hugo Scott
MOOC Collective.

〈MOOC Collective〉―カタリナ・マーティンス(Catarina Martins)、ケヴィン・デヴィッド(Kevin David)、レヴィス・ノヴァイス(Levis Novaes)、リディア・タイス(Lídia Thays)、ルイス・ロドリゲス(Louis Rodrigues)、ラファエル・フィデリス(Raphael Fidelis)、ヴィンニ・テックス(Vinni Tex)、スヤネ・イナヤ(Suyane Ynaya)

——あなたたちが所属するクリエイティブコミュニティのどんなところが好き?
黒人クリエイターたちに広がりつつある新しい共同体感覚。

——あなたたちの仕事について教えて。
私たちは広告業のプロだと称することが多い。でもこのグループのなかで、クリエイションから完成品まで、いろいろな業務を抱えている。私たちが目指すのは、私たちの考えかたが、大学で学ぶような思想と大差なく有効だと示すこと。私たちMOOCは、何も育たないと思われていた大地に種をまく。変わらないものなんてないと信じてる。

——ブラジルの黒人をとりまく状況って?
絶えず進化している、というのが正しい回答だと思う。ただ、全員のことについて語るのは難しい。今、私たちみたいな若き、あるいはもう少し上の世代の黒人アーテイストは変わりつつある。自らの置かれた状況のなかにリファレンスを求め、米国の真似をやめ、自分たち自身が文化的、芸術的に有しているものに目を向けるようになった。道がどんどん明確になってきている。これこそ私たちが進む道。

——ブラジルで黒人であるというのはどういうこと?
この社会で黒人について語ることは、すごく入り組んだタスク。みんなそれぞれ唯一無二で、それぞれにしかない経験をしている。だけど〈黒人〉という言葉でひとくくりにしてしまうと、私たち全員が同じ体験をしているみたいに聞こえる。黒人コミュニティについて正しい知識を得ることが、大切な1歩になると思う。今は、それについての知識も簡単に得られて、社会でも、私たちの親の世代に比べれば、よりオープンに話すことができる。でも、私たちの子どもの世代の教育にはまだ組み込まれてはいない。

——米国人にブラジルの何を知ってほしい?
リオデジャネイロ、カーニバル、美人、ブラジルはそれだけじゃない。サンバ、ファンク、サッカー以外にも、多様な文化がある。地元に根付いた文化を調べてくれればすぐに知れるし、実際に足を運んで体験してみてもいい。様々な社会的バックグラウンドをもったいろんなグループと1シーズン過ごしてみれば、真の文化交流が生まれると思う。

@wearemooc

Brazil by Hugo Scott

イザック・ローハン(Isaac Lohan)、22歳。料理人、ヴィジュアル・プロテスター

——ブラジルのLGBTQをとりまく状況って?
今起きていることが恐ろしくてたまらない。でも立ち向かう準備はできてる。コミュニティは団結して、お互いをより深く知ろうと努力してる。私たちはブラジル全土に広がり、各地にLGBTQのために闘ってる人たちがいる。すばらしいことだと思う。

——ブラジルでLGBTQであるというのはどういうこと?
自由だと感じる。それに、唯一無二の存在でいていいんだとも感じる。毎日、自分は恐れを知らないサバイバーだと思ってる。

——あなたのコミュニティのここが最高、っていうところは?
団結力。仲間といると楽しいし、安心できる。コミュニティはどんどん大きくなって、私たちの勝利をもたらすと思う。

——米国人にブラジルの何を知ってほしい?
私たちはスペイン語話者じゃない。米国も私たち同様、すごく複雑な政治情勢に直面してるから、お互いからいろんなことを学べると思う。

Luiza De Alexandre
Luiza De Alexandre

ルイザ・デ・アレシャンドレ(Luiza De Alexandre)、20歳。ヴィジュアルアーティスト、シンガー

——ブラジルで黒人LGBTQであるというのはどういうこと?
私はバイセクシュアルのシス女性で、パートナーといっしょにいるときは冷たい視線を感じる。私の友人たちはトランスジェンダーやノンバイナリーばかり。私は明るい肌の黒人だから、恵まれている立場にあると思う。中学3年のとき、仕事の面接のときは髪をきちんと梳かしなさいと校長先生にいわれて、黒人女性としての自分を意識するようになった。

——米国人にブラジルの何を知ってほしい?
経済的にも政治的にも危機的状況にあり、若いクリエイターにとってはすごくつらい。ブラジルでは、国民が政治に関われない時代。国民は無力で、情報も入ってこない。政府が情報を与えてくれないから、私たちは何も知ることができない。

——もし世界にメッセージを送るとしたら何を伝えたい?
すぐ先の未来について考えるべき。大量消費をこのままのさばらせておくわけにはいかない。ヒッピーの戯言に聞こえるかもしれないけど、これは本気。私たちの価値観を再考し、マイノリティについて本気で考える時代にあると思う。日々の生活のなかで私たちができるのは、エゴイストであることをやめること。

@luizadealexandre

Brazil by Hugo Scott
Yaminah Garcia.

ヤミナ・ガルシア(Yaminah Garcia)、21歳。サウンドアーティスト

——あなたの仕事について教えて。
サウンドエンジニアでDJ。ファッションや広告映像のサウンドトラックを制作してる。ときには独立系ブランドのモデルを務めることもある。〈AEAN〉という、黒人アートがあまり評価されていない場所で黒人アーティストを活躍させようと活動するグループにも参加してる。

——ブラジルのLGBTQをとりまく状況って?
ブラジルは巨大な国で、地域によって民族の比率も違うから、一般化はできない。場所によって経験も変わってくる。だけどみんな、人びとの無知には怒ってる。今年、黒人を苦しめてきた差別のせいでマテウサを失った。彼女はリオデジャネイロ市内で、残虐に殺された。私も、友人がワンピースを着ていたからという理由で、道で攻撃されたことがある。彼を守るために私たちは戦った。全てがありえないほど不安定。友人と道にいるだけなのに、差別のせいで突然攻撃や憎悪の対象になる。

——ブラジルで黒人LGBTQであるというのはどういうこと?
また、完全に受け入れられてるわけじゃない。でも、多様性を大事にするコミュニティの一員でいられることはすごく嬉しい。サイコパスの入植者ではなく、正直な人びと、王や女王たちの子孫であるのは誇り。

@yaminahgarcia

Brazil by Hugo Scott

ヴィクトリア・カロリーナ(Victória Carolina)、19歳。スタイリスト、ヴィジュアルアーティスト

——ブラジルの黒人LGBTQが置かれている状況って?
ブラジル人の半数以上が黒人なのに、植民地化のプロセスで、白人の身体が理想とされてきた。広告もそのスタンダードを推進し、排斥と人種差別を社会システムに組み込んでしまった。SNSのおかげで、多くの情報を得られるようになって、みんな実情に気づき、エンパワメントし始めた。将来の世代のために物事を変えようとしている。

——ブラジルで黒人LGBTQであるというのはどういうこと?
抑圧されてる。私は、この国のシステムにおける家父長的なステレオタイプには与してないから、私の身体は排斥され、その結果、私の声も無視されてしまっている。

——あなたのコミュニティのここが最高、っていうところは?
最高とはかけ離れてる。私は社会的な泡のなかで生きていて、コミュニティにおいていろんな問題を語り、聞き、自分自身に疑問を呈することができる。でもその泡の外では、ブラジル社会における危険と抑圧にさらされる。

@princesinhadazl

Brazil by Hugo Scott
Brasilandia's queer scene.
Brazil by Hugo Scott
Allan.
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Batekoo party
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Waslley Baiano, Pedro Ferreira, and Yaminah Garcia.
1540492655991-15
Aisha Mbikila
1540497098988-22
Lolla Venzon, Menina Venenon and friends.
1540492938486-19
Lu Safro and Mika Safro.
1540492976204-20
Lay and friend.
Brazil by Hugo Scott
Brendon Xavier.
Brazil by Hugo Scott
Renata Tavares.

This article originally appeared on i-D US.