4月の音楽まとめ12選

4月にリリースした12のアルバム・EPを振り返って紹介します。これであなたのプレイリストは完璧。

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maj 2 2018, 10:42am

jan and naomi 『Fracture』
狂気を感じてしまうほどの美しさ......。寝かしつけが必要ない私たちのための子守唄は、夜を優しく包み込んでくれるはずだ。今作のアートワークはアーティスト集団Chim↑Pomが手がけている。人間誕生の讃美歌にも聴こえるし、黙示録に綴られた終末の前の静けさにも聴こえる。とにかく言いたいことはふたつ。メジャーデビューおめでとうヤンナオ!そして素晴らしい音楽をありがとう!

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カネコアヤノ 『祝祭』
日常のふとした、けれど忘れられないような瞬間がある。そんな一瞬を歌詞にちりばめながら、穏やかに柔らかく時間は過ぎていく。いつか振り返った思い出にカネコアヤノがいたらきっと幸せにちがいない。「君って歯並び悪いね 今気づいたよ」って言葉がこんなにも愛おしいのだから。

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小袋成彬 『分離派の夏』
あまりに文芸的で、あまりに繊細な歌声と歌詞。「少年期」をコンセプトに生み出された本作品は、“少年”の息づかいや眼差し、体温、鼓動、叫びが込められている。「本作品は『分離派』として生きた二十六年の弔いであり、慰みであり、癒しである。」と小袋はいう。それは誰しもの、弔いや慰み、癒しになるかもしれない。じんわりと苦い処方箋のように。

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Aya Gloomy 『陸の孤島』
彼女は常に進化している(日本語で歌っているなんて!)。「甘い」という味覚は痛みを和らげる作用があるらしい。この甘く退廃的な鎮痛剤は、なんの痛みに、どのように効くのか。聴いて感じてみてほしい。また、フォトグラファー茂木モニカが撮影した「PLAN B」での映像も配信中。Aya Gloomyが宇宙ツアー目前に失恋をした彼女がマネージャーに怒られてキーボードに向かうところからストーリーは始まる......。

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踊foot works 『odd foot works』
2020年へ向けて、賽は投げられた。初ライブから1年という短さで驚異の成長と認知度の高さ。ミックスエンジニアはGiorgio Givvnを迎えた全9曲は、息つぎを忘れてしまうほどに1曲1曲が全力投球だ。ポップのなかに潜んだ狂気、例えるならば「意味がわかると怖い話」のようなソレがそっと忍び込んでいる。依存症にお気をつけあれ。

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LISACHRIS 『ARIAKE』
静けさのなかで“未知”と出会う。彼女の見た目と裏腹なダークでマスキュリンな音は、得体の知れないものとの対峙にも聴こえる。「語りえぬものについては、沈黙しなければならない」とある哲学者は言ったが、魅力のあるものには語りえぬ何かがある。そんな彼女の音楽的沈黙なのかもしれない。


SANABAGAN. 『OCTAVE』
「8人で今までで一番遊んで一番真剣に取り組んだ作品。レペゼン平成ゆとり教育 SANABAGUN. 本気の悪ふざけ」だという約2年ぶりのアルバム。メンバーたちのアルバムトレイラーも本気。「これが、SANABAGAN.だ味わえ!」と放たれた16曲に、汗・涙・唾・雨が“再びの狼煙”として降り注ぐ。


あっこゴリラ『TOKYO BANANA 2018』&「余裕」
“レペゼン地球のゴリラッパー”あっこゴリラが2016年に自主制作盤としてリリースした『TOKYO BANANA』の2018年版。ドラマーとして在籍したレーベルへラッパーとして返り咲いたシングル「余裕」。この2枚を聴いたあとの心地よい満腹感(決して腹八分目ではない)と高揚感に“余裕”はない。


MIKI 『137』
折りたたんで大切にポケットに入れていたかのような、少年写真のジャケットが印象的。KANDYTOWNのクルーからBESや仙人掌、Nipps、B.D、故FebbそしてRaz FrescoやChelsea REJECTなど国内外のラッパーたちが集結している。MIKIがヒップホップ界の寵児だと示すラインナップだ。彼が寵児から革命児へと変貌する瞬間をこの一枚で感じてほしい。


イ・ラン 『神様ごっこ』
子どもの頃に感じていた疑問や葛藤、嘆きがざあっとさざ波のように帰ってくる。2016年にリリースした『神様ごっこ』の増補新装版は、長編エッセイに追記された2Pと韓国語の原詞つき。エッセイストでもある彼女のこの追記に胸を貫かれないようご注意を。


SUSHIBOYS 『WASABI』
平和で愛おしい、公園で日向ぼっこしているようなヒップホップ。「ゲートボーラー」のMVに出てくるおじいちゃんとおばあちゃん、そしておじいちゃんに扮したSUSHIBOYSの3人のアットホームな雰囲気に思わずクスッとしてしまう。ツンと鼻に残るような新鮮な6曲。


吉田凜音 『SEVENTEEN』
「今しかないきらめき」や「登校中の出会い」など1曲1曲に17歳の淡いテーマが込められている『SEVENTEEN』。水曜日のカンパネラのケンモチヒデフミやDÉ DÉ MOUSEによる作曲・編曲、おかもとえみによる作詞など豪華なコラボレーションで作り上げられた「17歳」は無敵でいてどこか儚い。17歳ってそんなお年頃なのだ。