シモーナ・クスト:サンローランが惚れ込んだピンクの髪
ピンクの髪の力に彩られた16歳のシモーナ・クストを、写真家エイミー・トルーストが撮り下ろした。
This article originally appeared in i-D's The Superstar Issue, no. 354, Winter 2018
Saint Laurentの専任モデルとして注目をあつめた16歳のシモーナ・クストはピンクの髪の力に彩られている。かのケイト・モスが、ドナテッラ・ヴェルサーチェから Gianni Versace 1999年春夏コレクションのためにという依頼をうけて、髪をネオン・ピンクに染めたのは24歳のとき。
数日後ユルゲン・テラーは、真っ白なシーツのなかに顎まで潜り込み、染めたての鮮烈なピンクの髪が枕の上に散らばっているケイトを写し撮った。
けれど、数年後に彼女が明らかにしたことだが、ケイトががっかりしたことに、かの有名な写真が撮られたその日に、彼女はCalvin Kleinのリクエストによって、髪を自然な色に染めなおさねばならなかったのだった。スーパーモデルの生活たるや。
20年後、2018年にモスクワでスカウトされた新人モデル、シモーナ・クストはアンソニー・ヴァカレロの依頼によって同様に撮影をした。「Saint Laurentのキャンペーンのため、今年の夏にパレルモにあるサロンで髪をピンクに染めたんです」と彼女は説明する。
「今はピンクが自分の自然な色だと感じています。この髪の色が、自分をもっとパンクな気持ちにさせてくれました」数ヶ月後、シモーナは、2019年春夏コレクションにおいて語り継がれることになるSaint Laurentのショーで、水面を闊歩していた。
「誰も不快にさせたくはないですが、でもイエス・キリストの気分でした」とシモーナは、水が張られたランウェイを振り返る。「まっすぐに歩いて、それでもし落ちたら、ランウェイの端まで泳がなくっちゃ!ってこと以外は何も考える時間がなかったです」
間違いなく最も興味をそそる新人シモーナには、輝かしい未来が待ち受けていると期待せずにはいられない。けれど彼女にとっては、ファッションがすべてというわけではないらしい。今いちばん情熱を注いでいることを尋ねると「乳搾りが大好きなの、牛そのものも」と答える。たしかに彼らは、ピンクの髪に文句を言わないだろう。








Credits
Photography Amy Troost
Fashion director Alastair McKimm
Hair Duffy at Streeters. Hair colourist Lena Ott for Suite Caroline. Make-up Mark Carrasquillo at Streeters using NARS. Photography assistance Henry Lopez. Digital technician Matthew Kanbergs. Styling assistance Maggie Foster and Madison Matusich. Hair assistance Lukas Tralmer. Make-up assistance Marika Aoki. Casting director Samuel Ellis Scheinman for DMCASTING. Model Simona Kust at Ford Models.
This article originally appeared on i-D UK.