女性主人公の映画が興行収入的により良い成績を収めていることが最新の研究で判明

「女性の映画は稼げない」神話が崩壊した。

by Roisin Lanigan; translated by Ai Nakayama
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07 januari 2019, 10:25am

なぜだかわからないが、ハリウッドでは「女性が主人公の映画は、男性主人公の映画よりも稼げない」という神話が長らく存在していた。そんな神話があるから、これまでずっと、サントラにほぼTHE MOLDY PEACHESしか使われていない、前髪長い系の物憂げな白人男子の自分探しを追うインディ映画や、空を飛んだりロボットと戦ったり何やかんやする筋肉ムキムキの男性(名は大体クリス)のシリーズ大作ばかりが上映され、私たちはそれに耐えざるを得なかったのだ。しかし最新の研究で、この神話がただの神話に過ぎなかったこと、実際はむしろ女性が主人公の作品が興行収入的により優れた成績を収めていることが判明した。あー、助かった!

この事実を突き止めたのは、テック系企業Shift7とCAA(Creative Artists Agency)が実施した研究。女性主人公の映画の興行収入は平均3億1800万ドル(約354億円)、男性主人公の映画は平均2億4300万ドル(約270億円)で、女性主人公作品のほうが好成績だ。〈Deadline〉が報じたところによると、本研究では、2014年1月から2017年12月に公開された計350本もの映画(うち105本が女性主人公作品)を分析。製作費1億ドル(約110億円)を超える大作映画でもジェンダーの興行収入格差は大きく、女性主人公の映画のほうが7200万ドル(約80億円)多い結果となった。

本研究の結果について、CAAの研究者クリスティ・ハウベガーはこう説明する。「このデータは、〈女性主人公の映画は稼げない〉という思い込みを否定する結果になりました」。「映画館に訪れる観客の半数が女性です。それなのにこの業界では、女性主人公作品は興行的に劣っているとされていたんです」とクリスティは指摘した。

本研究では、ベグデルテストの結果が、興行収入に影響することもわかった。ベグデルテストとは、ジェンダーバイアス測定のために用いられるテストで、複数の女性のキャラクターが登場し、女性同士が会話するシーンがあるか、その会話のなかで男性に関する話題以外が出てくるかを問うもの。2012年以来、10億ドル(約1100億円)以上の興行収入を記録した作品はすべて、このベグデルテストをパスしている。

もちろんこの研究ひとつで、映画業界に長らく蔓延してきたダイバーシティの問題が解決するわけはない。しかし、この研究が何らかのかたちで問題解決に寄与するのであれば、それはすばらしいことだ。観客が、白人男性について、そして白人男性の闘いについて描いた映画〈以外〉の作品にお金を払っているのであれば、映画会社のお偉いさんやスタジオも、白人男性以外の声や、白人男性以外のストーリーを取り上げない理由がない。「これは、あらゆる人たちをスクリーンで観たい、という観客の願いを証明する強力なデータです」ソニー・ピクチャーズの元会長で、CAAのメンバー、エイミー・パスカルは断言する。「ハリウッドの意思決定者たちは、この事実に注意を払うべきです」

This article originally appeared on i-D UK.