『i-D Japan no.5』エディターズ・レター

Kazumi Asamura Hayashi

4月5日(木)発売の『i-D Japan no.5』は“オリジナル”がテーマ。エディトリアル・ディレクターの林香寿美による「Editor’s Letter」をお届けします。

This article originally appeared in i-D Japan's The ORIGINAL Issue, no. 5, Spring/Summer 2018.

5号目となるi-D Japanでは、“original”をテーマに「今の時代のオリジナルとは何か?」「オリジナルなクリエーションは可能なのか?」という思いから誌面作りを始めました。

1980年にロンドンでi-Dを創刊したテリー・ジョーンズは、“originate, don’t imitate(模倣せずに、創りだせ)”を本誌の精神として掲げました。しかしながら今の私たちは、当時とは異なる時代を生きています。38年前に比べて、ユニークでいること、真に新しいものを生み出すことは簡単ではなくなったのかもしれません。それでも、私たちが生きる今日の社会において“オリジナルの可能性”が消えてしまったわけではありません。それを可能にするのはサンプリングのような新しい手法かもしれませんし、最新のテクノロジーかもしれません。思いもよらないところから突然生まれる可能性だってあるでしょう。本号の全体を通じてみなさんに投げかけた「あなたにとってのオリジナルとは?」という問いには、面白い答えや核心をついた答えもたくさんありました。ぜひ読んでみてください。

クリエイティブユースを特集したストレートアップスでは、フォトグラファーのTAKAYと永瀬沙世が東京から、エヴァン・ブラウニングがNYから個性的かつ独自性のあるモデルを集めて捉えています。i-Dの創刊号から続くこの名物企画は、都市ごとに考え方やスタイルが大きく様変わりすることを表しています。

そしてカバーシューティングでは、いま最も注目を集める若手写真家の一人であるハーリー・ウィアーとi-D UKのシニアファッションエディターのジュリア・サー・ジャモアが来日し、女優の小松菜奈を撮り下ろしました。今回の撮影に際してハーリーは「シンプルで気に入っている」という日本の国旗から着想を得たセットデザインを組み上げました。日本へ注がれるそのフレッシュな情熱と彼女独自の世界観が随所に盛り込まれたスペシャルな特集となっています。その撮影現場に立ち会えたことはとても貴重な経験でした。新しい時代の到来を感じることのできるファッションストーリーをここで紹介できることを、心から嬉しく思います。

あまりにも多くの情報で溢れるこの世界では、それに流されてしまうこともあるでしょう。それでも、すでに自分自身がとても特別でオリジナルな存在であるということを忘れず、つねに創造していってほしいと思います。


〈i-D Japan no.5 コンテンツリスト〉

◆ファッションストーリー
小松菜奈——夢のなかへ
水原希子&イッサ・リッシュ——私たちのアカシ
モトーラ世莉奈&中田啓介——最強のふたり
マナミ・キノシタ——私の場所
福士リナ、ハルナ・マツイ、島原健太、今井太郎——仰げば青空
フラン・サマーズ——ムーンウォークでかき分けて
Bente Oort——麝あれば香し

◆インタビュー
吉沢亮——流動的に、まっすぐに
吉岡里帆——彼女に挑戦状が届き続ける理由
北村匠海——蜘蛛の巣の上で
最果タヒ——いつか、街を歩いていたら
ELLE TERESA——女の子はみな武器を持っている
小袋成彬——人生というサウンドスケープ
オカモトレイジ——この男、人DJにつき
KING GNU——怒れるヌーたちの狂騒曲
恒松祐里——天真爛漫というたくましさ
TAWINGS——ガールズバンドの新しい夜明け
三浦透子——役という答えを導き出す面白さ
田中真琴——すべてを必然と自信に
ジョーン・ジョナス——もっとジョーン・ジョナスのように
土屋麗——国境を越えて
ジョージ・ヘンリー・ロングリー——アートよ、大胆に
ジョーダン・キャスティール——自分をさらけ出し、神秘的でいつづけること
グレース・ウェールズ・ボナー——遠くから眺める島

◆ ストレートアップス
東京テンペスト
次の道を切り開いてゆく
オリジナルなわたしたち

◆エッセイ
高山宏

◆i-Con
テリー・ジョーンズ

Credit


Photography Harley Weir
Styling Julia Sarr-Jamois
Hair Kota Suizu at Sept. Make-up Thomas De Kluvyer at Art Partner
Nana wears all clothing Asai.