ふたりの自分をつなげて

自身のポートレイトを撮り続けているFumiko Imanoが発売した写真集「We oui!」。3月20日に、発売を記念し原宿のBOOKMARCにてサイン会を行った彼女に、10年間撮りためた、自身の写真をつなぎあわせた双子シリーズに込められた想いを訊いた。

by Noriko Wada
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03 April 2017, 7:20am

今回の写真集タイトル「We oui!とは?
このシリーズを撮り始めたのはロンドンから帰国して落ち込んでいた時期なんです。2人いるから1人よりもパワーがあって、なんとなくポジティブな気がして。作るたびに楽しくなっていきました。その2人というので「We」、フランス語でYesという肯定的な意味の「oui」を合わせました。ウィウィっておしっこという意味もあるし、やってることがおしっこくさいというか子どもっぽくいたいという気持ちもあって、このタイトルにしました。

10年撮り続けたんですよね?
2001年から撮っていました。この本に入ってるのは2001年から2012年くらいまでですね。

撮り始めたきっかけはなんだったんですか?
ロンドンには5年いたんですけど、帰国したときにカルチャーショックとギャップに直面しました。ロンドンでうまくやっていたけど、日本帰ったらなにもできないという無力感に襲われて。日本の文化に負けるというか。あと、ずっと学生で子どもみたいだったのにいきなり日本人女性、大人として生きていけないというプレッシャーと責任に押しつぶされそうになりました。そこから双子作品をシリーズ作り始めたら少しずつ元気になりました。

いままでも双子の作品は作っていたんですか
偶然切り取ると双子になるなっていう遊びはあったけど、そこまで深く考えてなかったんです。帰国後は、双子作品をつくることがセラピーになりました。落ち込んでるけど元気なふりをしてたら本当に元気になった気がして。ひとつ作るたびに、標本集めのような、コレクターになったような気分になりました。

とても客観的ですね。新しい自分に出会う感覚なのでしょうか?
パーソナルなものを出す気はないので、作品を発表するのは第三者の気分になったとき。あんまり自分のなかでパーソナルすぎたらしばらく温めておきます。

でも自分だから難しいですよね。
すごく難しい!いまはInstagramとかSNSで簡単になっているけれど、私の世代はありませんでしたから。調べものも図書館、みたいな。いまはセルフィーを撮って世に出すことに慣れすぎているんじゃないかなと思いますね。わたしもこういう作品を出しているけれど、Instagramにセルフィーをアップすのは勇気が要ります。アップしたあとすぐに消したりします(笑)
イエール国際フォトフェスティバルで初めてセルフポートレートのシリーズを出したときもすごく勇気が要りましたね。

10年撮り続けてきたなかで変化はありました?
帰国したての頃の写真は、一時期は辛すぎて見れませんでした。いまでも、撮ったときの時代とそのときの心境とか覚えています。あと、ずっと前の写真だから私にとっては古いものになっていて、初めて見る人はどう思うんだろうと興味がありますね。

一番好きな一枚は?
表紙かな?楽しかったから。2004年にファッションデザイナーのシャルル・アナスタスとパリで暮らしていたときです。ロンドンから日本に帰ってきて苦しんでいることを彼に言ったら「パリに来て一緒に住もうよ」と提案されてみんなで住んでました。

表紙が青と赤の2種類ありますよね。
本当は青だけだったんですけど、届いたら赤もあったんです(笑)。

今回パブリッシャーから出版するのは初めてですよね。アメリカの Little Big Man (リトル ビッグ マン) 社から出すことになったきっかけは?
題府基之くんの写真集を出してる出版元なんですけど、私のことを知って写真集も買ってくれていたらしくて。題府くんが展示会の写真をtwitterにポストしたらたまたまあたしが写っていて、Little Big Manから反応があって題府くんがツイッター上でつなげてくれたんです。

今後の展開を教えてください。
今は自立したい(笑)。子どもでいたかったけど、現実的に子どもでいられなくなってきている自分がいるので。自費出版で9冊つくって、今回パブリッシャーから初めて出版することになったけど、同じことを10年以上やってきて、これから新しいことしたい。

では、最後にi-Dの読者に一言お願いします。
悲しくなるように作ってはいないので、この写真集を見て、元気になってくれたり、笑ってくれればと思います。

Fumiko Imano

BOOKMARC

Credits


All Images by Fumiko Imano
Text Noriko Wada

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