16歳のデザイナー池谷陸:ロングインタビュー


どこにも属さずに“自分らしく”生きる新進気鋭デザイナーの池谷陸。ストリート界を魅了する彼が向かう未来とは?

by Kurumi Fukutsu
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21 July 2016, 6:35am

デザインはもちろん、映像やグラフィックも手がける若干16歳のデザイナー池谷陸が手がけるブランド、コムジュスイ(comme je suis)が今、多方面から注目を集めている。ダンサーとしてのバックグラウンド持つそのユニークな彼が発信する直感を大切にした独自の世界観、そして10代が考えるブランドのあり方や今後の展望などを等身大で語ってくれた。

——バックグラウンドについて教えてください。
東京生まれ東京育ちの16歳です。実は、EXILEのバックダンサーをやっていた経歴があって、小学2年生くらいからツアーをまわったり、EXILEだけでなくATSUSHIさんのバックダンサーも務めていました。ただ、高校進学も考えていたので、中学2年生の終わったタイミングでダンスは辞めました。そのあとに時間ができて写真を撮ったりし始めて、中学3年生の春休みにTシャツを作り始めました。正直、それまではダンスというものにのめり込んでいて、休みがなかったからどうしていいか分からなかったんですよね。それもあって、新しい趣味を見つけたというか。

——どうして服を作ろうと思ったのですか? ブランドを立ち上げようとした理由を教えてください。
当時は服を作りたいという気持ちはなかったんです。でも、もともとダンスをやっていたので、ルックスを気にすることが多くて、それで服が好きになって「作ってみよう!」っていう、あくまでも自然な流れです。プリントができる友達がいて、最初はやってもらっていたんですけれど、今はシルクスクリーンを使って自分でやっています。きっかけが何かあったということよりは、時間ができたことを含めてさまざまなタイミングが重なったことが大きいですね。親に相談してお金借りてスタートしたんですが、ダンスにしても服作りにしても、親がいつもやりたいことに対してサポートしてくれるので、それは本当に感謝しています。

——「comme je suis」というブランド名の由来は何ですか?
フランス語で"自分らしく"という意味のブランド名ですが、フランス映画がすごく好きということもあって、フランス語にしました。

——クリエーションにおけるインスピレーション源を教えてください。
一番のインスピレーション源になっているのは、デザイナーとかではなく友達です。同世代だとモデルの友人が多いんですが、本当に個性的な人ばかりなので、そこからいつも刺激を受けています。あとは、映画と音楽。ベルナルド・ベルトルッチ監督の『ドリーマーズ』の世界観が好き。音楽はコペンハーゲン出身のバンド、リス(Liss)が好きです。

—— 服を作ることで発信できることは何ですか?
歳は関係なく、いろんなことができるということですね。自分から発信することは正直特になくて、単純に僕のクリエーションを見て相手に何かを感じ取ってもらいたい。そういったきっかけづくりになればと思っています。あとは、SNSで終わりではなく、現場できちんと見て体感してもらいたい。同年代に知ってもらいたいです。

——服を作ることでどのようなことを感じますか?
自分が作ったものを着てくれているというその感覚が不思議ですよね(笑)。たまに街なかでも見ると、「あ、ここまで広まっているんだ」と嬉しいし、その広がり方がおもしろい。評価を自分の目で見ることができるという側面にすごく魅力を感じます。

——今、注目しているブランドやデザイナーはいますか?
Nasir MazharやD.TT.K。Gosha Rubchinskiyも好きです。好きなブランドに共通しているのは、独自の世界観があること。ただ服を作っているのではなく、彼らのライフスタイルが反映されている彼らにしかできないクリエーションです。

——普段は何をして遊んでいますか? 今楽しいことを教えてください。
レコード屋をまわること、セレクトショップのCANNABISの屋上で友達と話すこと、音楽を聞いたり映画を見たり。いわゆる"普通の遊び"をするのが今は楽しいです。友達やまわりの人たちの感性を共有できるし、そこから発見することが多いです。あまり歳も関係ないですし、とにかく同じような感覚を持っている人たちといることが刺激的です。

——生まれ育った東京についてどう思いますか?
さまざまな環境で生きている人がいて、本当におもしろいですし、そういう個性的な人たちと繋がるのも興味深いです。繋がるのは同世代でも自分よりも上の世代でも関係ないですね。年齢は関係ないです。

——今後予定していることや挑戦したいことを教えてください。
2017年春夏からコレクションとして展開していきます。そのためにショートフィルムも制作しました。自然な流れでここまできているので、掲げるべき大きな展望は特にないのですが、今後は空間を含めて全部手がけていきたい。とにかく僕の世界観を伝えていきたいと思っています。"遊びの延長"という言い方には語弊があるかもしれないけれど、好きなことが仕事につながり、それを楽しんでいるということは自分にとって本当に幸せなことなのかもしれません。ひとくくりにされるのも嫌ですし、自己流でできないこと、ものごとに染まるのも嫌だし染められるのも嫌。とにかく自分のスタイルを貫きたい。自分らしい生き方、人がすでに歩んだ道を行く意味はないと思っているので、そういう意志をものづくりに反映できればと思います。

Credits


Text Kurumi Fukutsu
All images by Riku Ikeya for comme je suis

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