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戦う監督、クロエ・セヴィニー

女優として活躍するクロエ・セヴィニーが初めて映画監督に。作家ポール・ボウルズ原作の短編小説『Kitty』の映画化に込められたフィルム業界の未来。

by Emily Manning
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26 May 2016, 11:11am

「私は20年間、映画の世界で仕事をしてきているけど、これまで一緒に仕事をした女性監督はたったの3人しかいない」とクロエ・セヴィニー(Chloe Sevigny)は昨年11月、本誌に語っていた。彼女の長年の友人であり、数々のクリエイティブなコラボレーションを共にしてきたタラ・サブコフ(Tara Subkoff)による映画『#Horror』のプレミア上映後の発言だった。「時代も状況も変わってきたけど、それでも私たちは、古いステレオタイプを打ち崩すべく闘い続けなきゃならない」とクロエは続け、「ポジティブに、創造して、トライし続けて、働き続けて、何でもやり続けて」と世の女性たちを後押ししている。かくいう彼女も、自身の言葉通りに行動しているようだ。カンヌ国際映画祭の国際批評家週間で映画監督として、デビューを果たしたのだ。

Image via @chloessevigny

彼女の作品は、アメリカの作家ポール・ボウルズ(Paul Bowles)による短編小説『Kitty』を映画化したもので、主人公の若い女性が、子猫になりたいという願いを叶えるという内容だ。国際批評家週間の最終日に上映された短編映画3本のうちの1作となっている。クロエは、第55回となる今年の国際批評家週間で唯一出品を果たしているアメリカ人監督でもある。また、カンヌ国際映画祭の出品ラインアップを見てみると、今回のコンペティション部門では、出品された7本の長編映画のうち、女性監督によるものは1本のみで、全体としても女性監督の作品が占める割合はたった15%だった。これは、国際批評家週間がカンヌ国際映画祭本体と同様にジェンダーのバランス感覚を欠いていることを意味している。

i-Dはクロエの功績を讃えるとともに、映画業界を誰にでも平等なものとすべく戦い続ける彼女に感謝の意を表したい。

Credits


Text Emily Manning
Still via i-D's Guide to Being a New Yorker with Chloë Sevigny
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.