“agnès b. RADIO”にチューニングせよ:ゆう姫 & NEKFEU interview

デザイナーのアニエスベーがセレクトした音楽が流れる“agnès b. RADIO”。そのローンチ前夜、YOUNG JUVENILE YOUTH のゆう姫をパーソナリティに、OKAMOTO'Sのオカモトレイジ、フランス人ラッパーNEKFEUをゲストに迎えた一夜限りの“ラジオステーション”が出現した。

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sep 21 2018, 5:37am

なぜagnès b.がラジオ? その最大の理由は、1975年にアニエスベーがブランドをスタートさせて以降ずっと、“音楽”というカルチャーとの絆を築き上げてきたことにある。デヴィッド・ボウイやパティ・スミスといったロックスターから、フレンチポップ界やヒップホップの若手ラッパーまで幅広い交友関係を結んできたことや、数多くのミュージシャンに衣装を提供し、幾度となく彼らとのコラボレーションを手がけてきたことからも明らかなように、agnès b.のアイデンティティは、さまざまなジャンルの“音楽”とそれを担う素晴らしいアーティストへの愛情に根ざしているのだ。

自身が運営するギャラリー〈Galerie du jour agnès b.〉で前衛的なカルチャーやミュジックシーンをバックアップしている彼女にとって、公式サイトでローンチする音楽配信サービス“agnès b. RADIO”は、実にナチュラルな取り組みだ。9月11日のキャンペーン開始前夜、agnès b.青山店が一夜限りのスペシャルな“ラジオステーション”と化した。パーソナリティにYoung Juvenile Youthのゆう姫、ゲストにOKAMOTO'Sのオカモトレイジ、フランス人ラッパーNEKFEUを迎えたローンチパーティーが開催された。

アニエスベーが音楽やアートなどのストリートカルチャーへの貢献が評価され、パリのヒップホップカルチャーセンター〈LA PLACE〉の代表に就任したことも特記事項だ。フランスを拠点に活躍するNEKFEUはこう話す。「〈LA PLACE〉は、僕が自己表現をしようと決めた若い頃から求めていたような場所。そんな最高にクールなところがオープンしたことを心から素晴らしいと思っているし、90年代、ラッパーのために服を作っていた彼女が〈LA PLACE〉の代表になることは然るべきことだったと感じているよ」

彼の友人で「前回来日したときには、ほぼ毎日会っていました(笑)。いつか一緒にプロジェクトをやろうとも話しているんです」というYoung Juvenile Youthのゆう姫は、アニエスベーが“ラジオ”というフォーマットで音楽を発信することについてこう語る。「私は“誰かに紹介されて音楽を知る”ことが実は多くて、そういう音楽の知り方を面白いと思う。自分の世界が広がる感覚があるんです。それにagnès b.というブランドには、音楽やアートの世界を大事にされているイメージもありますから」。ラジオはまさに“誰かに紹介される音楽”の代表格だし、そのイントロデューサーによるパーソナルなセレクトが心に響くこともある。「ジャンルを問わず、どこに音楽があろうと今は楽曲へのアクセスのされ方が平等になってきています。プラットフォームの差がだんだんとなくなってきている。だからこそ、リスナーの人たちが自分自身で聴く曲を選んで、いろんな音楽を通して多様な感性を身につけて、自分のスタイルを見つけていく——その喜びを感じてくれる人がもっと増えたら良いなと思っています」

この夜に“オンエア”されたラジオさながらのトークは、ゆう姫がパーソナリティを務めてゲストにオカモトレイジ、さらに彼女とNEKFEUによる2本立て。会場をひとつにまとめあげたのは、Young Juvenile YouthとNEKFEUによるミュージックライブだった。

「僕はパリジャンで、アニエスべーも創造力溢れるパリジェンヌだから共鳴する部分があると思っていたし、彼女に対して抱いていたイメージと実物の彼女が同じであることが本当に嬉しかった」と、NEKFEUは笑顔で話す。彼女が“ラジオステーションを開局”したことは、「agnès b.というブランドが内包するアーティスティックで“クレイジー”な空気感が具現化した結果であって必然的」だという。「それは自由を謳うかのようで、まさに彼女自身を表現するものだとさえ思う。そして、とりわけ若者に対して『あなたは何でもできる』という彼女の声が聞こえてくる。僕はブラックミュージックからスタートしたけど、今こうしてagnès b.とコラボレーションができている。つまり、興味があることは何でも挑戦すべし、ということだね」

9月の最終週から10月第1週にも、青山店で開催されるプログラムがあるとのこと。まだゲストは明らかになっていないが、少なくともagnès b.と音楽の蜜月関係を体感できる素晴らしいアーティストが招かれることは間違いない。“agnès b. RADIO”のスペシャルサイトもオープンしたので、スケジュールはそちらをチェックしよう。

またとない機会だ。最後に、2人に一曲ずつお気に入りの楽曲をセレクトしてもらおう。ゆう姫からは、Smerzの『Oh my my』。「僕は日本に恋に落ちてるよ」と話すNEKFEUからは、クリスタル・ケイと彼による『Nekketsu』。さあ、ご堪能あれ。