マドモアゼル・ユリアが止まらない

東京エレクトロシーンのプリンセス、ジェレミー・スコットのミューズ、そしてスタイルのアイコンなど、やることなすことすべてが注目を集めるマドモアゼル・ユリアが自身のファッションレーベルを立ち上げた。そんな彼女にポケモンGO、原宿、Hariboとのコラボについて聞いた。

|
13 October 2016, 9:05am

Photography Darren Luk

マドモアゼル・ユリアは、20代女性なら誰もが嫉妬せずにいられない人生を歩んでいる。DJとして世界中のエクスクルーシヴなパーティで引っ張りだこの彼女だが、その合間にはファッションウィークで最前列に席を設けられ、リアーナと遊び、服のデザインに精を出し、となにしろ忙しい——はずだが、彼女はさらに突き進む。数々のファッションキャンペーンに起用され、今やステラ・マッカートニーやジェレミー・スコットのミューズとなるなど、その存在感は輝きを増すばかりだ。そんな多忙な彼女をi-Dは捕まえ、音楽について、ゲームについて、原宿で育った少女時代について、そして彼女が立ち上げたファッションレーベルGrowing Painsについて話を聞いた。

今日の予定は?
原宿で友達に会う予定です。

世界を飛び回っているけれど、今まで訪れたなかで最も好きな場所はどこですか?
ロンドンが好きです。どこか東京に似ているから。その「どこか」が何なのかはわからないけど。人かな。人のコミュニケーションの仕方かもしれない。ロンドンの人たちの、あのあり方がしっくりくるんです。ロンドンは音楽、アート、ファッションのカルチャーも素晴らしいですし。

あなたが育ったのは、独特なスタイルとカルチャーで有名な原宿。どんな子ども時代だったのでしょう?
原宿は、日本だけでなく世界から多くのひとが——特にファッション好きのひとが集まるエリア。子どもの頃、たくさんのクールな大人に出会えたのは、それが原宿だったからこそで、そこで知り合った人たちから、ファッションや音楽、さまざまなカルチャーについて多くのことを教わりました。そうしたことがあって、私のキャリアが開けたんだと思っています。

世界で社会現象になっているスマホゲーム「ポケモンGO」がとうとう日本でもダウンロード可能になりましたが、あなたもやっているのでしょうか?
やっているんですが、家の周りの公園がレアなポケモンの出没場所になっていて、ちょっと迷惑にすら感じています。なんだか疲れてきちゃっていますね。でもゲームは好きです。最近は「チェインクロニクル」にハマってます!

あなたのバックグラウンドと、音楽作りを始めたきっかけについて教えてください。
10代のときはバンドをやっていたんですが、メンバーのひとりがロンドンに行くのを機に解散したんです。友達からパーティでバンドとして演奏してくれって頼まれていたのに、断らなきゃならなかった。でもその友達が「ならDJやってよ」と。DJならひとりでできるからって。それがきっかけでした。DJになろうなんて思ってもいませんでしたが、歌うことは私にとってすごく自然なことでした。

若くして音楽を始めたわけですが、それ以来、日本の音楽シーンもあなたの音楽も変わりましたか?
日本の音楽業界は世界のどこの音楽業界とも違って、日本特有のテイストが流行りますね。それもいいんですけど、一方で、知らないものを受け入れようとはしない傾向にあるんですね。私も大手レコード会社と5年間契約していましたが、3年前にそこを辞めました。もっと違うことをやってみたかったんだけど、レコード会社はそれを理解しようとも受け入れようともしなかったので。私はただ良い音楽を作りたかったから、インディペンデント系のレーベルで音楽を作って、昨年末にEP『Yulia』をリリースしたんです。友達で、アニマル・フィーリングズ(Animal Feelings)の名で活動してるシドニー出身のオリ・チャン(Oli Chang)は素晴らしいDJなんですが、彼が住んでいるニューヨークに行って、EPを制作しました。

あのEPは素晴らしい出来ですね。あなたみたいなDJが他にも日本にはたくさんいるのでしょうか?
私がDJを始めたころは、数えるぐらいしかいなかったけど、だんだんと増えていって5年前には結構な数がいました。でもまた今もそんなに多くないですね。

あなたはDJでありシンガーであり、一方でジュエリーや洋服のデザインも手がけているわけですが、どれが一番好きなのでしょうか?
どれが一番というのもなく、どれも大好き! Growing Painsはまだ立ち上げたばかりだから、今はそれにベストを尽くしています。

あなたのレーベルについてもう少し詳しく教えてください。
世界の音楽や映画、アンダーグラウンドのカルチャーやムーブメントといった、いろんなタイプのアートにインスパイアされて、洋服を作るようになったんです。それがGrowing Pains。さまざまな視点からクリエイティビティを表現したファッションブランドです。自己表現としてのファッションを楽しむスピリットとユーモアを祝福するためのプロジェクトでもあります。

ジュエリーのレーベルGIZAも立ち上げていますが、それも続けているのでしょうか?
GIZAは今、コラボレーションアイテムしか作っていないんですよ。最近ではHariboとのコラボでiPhoneケースをリリースしました。

今の自分のスタイルを言葉で言い表すとすると?
ファッションでは色んなテイストのものが好きだけど、今一番気になってるのは日本のアンティーク着物です。

ジェレミー・スコットやステラ・マッカートニーのミューズとして、去年は彼らの広告キャンペーンにも起用されましたが、どうやって彼らと出会ったのでしょう?
ジェレミーには東京で会いました。彼は東京が大好きで、共通の友達がいたんです。その友達を介して知り合って、すぐに仲良くなりましたね。その後、私がロサンゼルスに行くたびに遊んでもらっています。ステラも東京で会いましたね。ステラも、仲の良い友達が紹介してくれたのがきっかけでした。

世界を股にかけてパーティを盛り上げているあなたですが、特に印象に残っている思い出などあれば教えてください。
リアーナとの出会いは印象的でした。パリで、ファッションウィークの時期にあるパーティに行ったら、リアーナがそこにいたんです。その頃は知り合いじゃなかったんですが、会場で彼女から私に手を振ってくれたんです。彼女のボディガードが私のところへ来て、リアーナが呼んでるから来てくれって。それで行ったら、彼女、私のことをInstagramで知ってたって言うんですよ。それからは、近くにいると必ず会うような仲です。

これまでで一番良かったギグは?
韓国で開催されたChanelのパーティですね。DJとしていつかChanelと一緒に仕事をしてみたいと思っていたから、夢が叶いました!

最後に、観光ガイド本には出ていないけれど知っておくべき日本観光の秘訣みたいなものはありますか?
実は普通のツアーが好きだったりするんですよね。ハハハ。でもヴィンテージのファッションが好きなら、下北沢には行くべきです!

@mademoiselle_yulia

Credits


Text and photography Darren Luk