ゴーシャの最新写真集:i-D独占先行公開

ピッティ・イマージネ・ウオモでのコレクション発表と、新たな写真集出版を目前に控えたゴーシャ・ラブチンスキー。彼が初めてロシア以外で撮った写真が収められた『The Day of My Death』から、その一部を発売前に独占公開。

by Steve Salter
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21 June 2016, 3:05am

モスクワのスポーツ会場からロンドンのギャラリー、パリのランウェイ、そして今、フローレンスのたばこ工場へ——ゴーシャ・ラブチンスキーの芸術性に溢れたビジョンは、その純粋な目的を見失うことなく、表現形式を変えながら世界を巡っている。フォトグラファー、映像作家、そしてファッションデザイナーとして、彼は複数の表現フォームを駆使し、ロシアのアンダーグラウンドに生きる若者の生き様を描き出すことができる稀有な語り手だ。ピッティ・ウオモ2017年春夏で、ゴーシャはロシア・ルネッサンスの世界を披露する。「特別なことがしたかった」とゴーシャは言う。「コレクション、短編映画、そして写真集。この3つの手段でメッセージを伝えたい」。ゲストデザイナーにクリエイティブ面での完全な自由を与えることで知られるピッティ。ゴーシャが持つ創造的宇宙へと私たちをより深く引き込んでくれる完璧なプラットフォームになるにちがいない。

Cinema / Kids』、『Youth Hotel』に続き、出版社IDEAから販売されるゴーシャの写真集『The Day of My Death』。前2作は、発売と同時に売り切れた。彼が発表する作品には熱狂的な期待が寄せられるのが常だが、今回の作品にはさらに熱狂すべき理由がある。今作がシリーズで初めてロシアの外で撮影された作品であることに加え、すべてがモノクロであり、またそのネオクラシカルなスタイリングも相まって、とても詩的な仕上がりを見せているのだ。表紙は男性用のテーラードジャケットを着て煙草を吸っている女優レナータ・リトヴィノヴァ(Renata Litvinova)が飾っている。

映画と同様、『The Day of My Death』は、イタリアが生んだ映画・詩・文学の巨匠パゾリーニから着想を得て作られ、また同氏に捧げられた作品だ。「大芸術家パゾリーニと向き合ってみたかったんだ。彼が打ち出した概念や、彼が生みだした詩には、今の僕に訴えかけるものがあった」とゴーシャは説明する。彼がレンズを通して見たフローレンスは、ポストカードに見るような風景写真ではない。ポンテヴェキオやミケランジェロ広場、ヴァザーリの回廊など、撮影に選ばれた建物には、工業用に建てられたものや政府関連の施設が多い。彼はムッソリーニ時代のイタリアとソビエト連邦に通底している美学を見出しているのだ。「僕が問うているのは、"今、ヨーロッパとは?"、"国々は団結してるのか?それともバラバラなのか?"、"グローバル、そして個性とは何か?"ってこと」。ゴーシャは、これまで以上に核心的な疑問に考えを巡らせているようだ。

スタイリングは、これまで長きにわたりゴーシャとコラボレーションをしてきたロッタ・ヴォルコヴァ(Lotta Volkova)。長年の友人でもある彼女は、自ら制服を着て、作品の中にも登場している。今月下旬のリリースを前に、ゴーシャのレンズを通して彼が描くフローレンスのファンタジーを深く感じてみてほしい。

「私がこの世を去る日

緑豊かに温かいシナノキの下

私は落ちる 死の闇へ

しかし太陽が そしてシナノキが

それを晴らしてくれるだろう

美しい男の子たちが

校舎から飛び出して

今しがた私が後にした光の中を

駆け回る

そして彼らの巻き髪が 額にはらりと落ちる」

ピエル・パオロ・パゾリーニ

ゴーシャ・ラブチンスキー写真集『THE DAY OF MY DEATH』は、6月27日(月)より東京のDover Street Market Ginzaとオンラインストア、ideanow.onlineDSM E-Shopで購入可能。

ゴーシャ・ラブチンスキー写真集『THE DAY OF MY DEATH』
判型:ソフトカバー、104ページ、210 x 280 mm
出版:IDEA部数:1,000部
価格:7,000円

Credits


Text Steve Salter
Photography Gosha Rubchinskiy
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.

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