今年の夏はナイキ・ヒールで決まり

古いNikeのスニーカーを、セクシーでサステイナブルなアイテムに生まれ変わらせるデザイナー、アンクタ・サルカにインタビュー。

by Sara Jane Strickland
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26 July 2019, 10:34am

Images courtesy of Ancuta Sarca 

アンクタ・サルカ(Ancuta Sarca)は古いNikeのランニングシューズを使ってアップサイクル・キトゥンヒールを作り、注目を集めているデザイナーだ。「スニーカーを別の場所に置き、まったく新しい役割を与えたかったんです。エレガントでフェミニンな姿につくりかえ、スニーカーの可能性を広げたかった」とサルカは語る。なぜNikeなのか?「Nikeのデザインがずっと好きだったんです。スポーツウェアの歴史においても重要な役割を担ってきた会社だし、それにあのロゴをヒールに使ったら意外性があって面白いかな、って」

古いスニーカーに女性性を与え、ファッションアイテムに生まれ変わらせるサルカ。もともと有する機能が消し去られ、キトゥンヒールのエレガンスによって様変わりしたスポーツウェアだ。彼女がこのアイデアをひらめいたのは、引越しの準備をしていて、いらないランニングシューズがたくさんあることに気づいたときのこと。そのまま捨てる代わりに、自分が普段履くようなシューズに変化させようと思いついた。サルカは4年前、卒業コレクションを作るさいに靴のつくりかたを独学で習得していた。自らの手で作業することを好んだ彼女は、4カ月かけて靴を分解し再度組み立てて、靴のつくりかたを学んだ。

最近では、ロンドンのパンクスポーツウェアブランドのSportsbangerとコラボし、売れ残りのエアマットレスから作ったアップサイクルアイテムを制作。また彼女は自らのブランドで、レースのラバーテーブルクロスでつくったアップサイクルカラーのあしらわれたブラックのビニールドレスを発表している。民主化後のルーマニアの、昔ながらの町で育った彼女が通っていた女子校の制服に着想を得たドレスだ。ラテックスやライムグリーンのフェイククロコダイルを使用し、ヒョウ柄のファートリムがあしらわれた赤のラテックスブーツと同素材のジャケットに、ホットピンクのボロボロのトップスを合わせるなど、エレガンスとトラッシュが融合したようなデザインが彼女の特徴だ。

「私が惹かれるのは、ボロでつくった嘘っぱちのきらびやかさやエレガンスや、セクシーでシックなアイテムを、〈セクシーやシック〉とは対極にあるものを使って生み出すこと。ビーサンでつくったブラックとオレンジのヒールが良い例です」

彼女は、人間の消費行動がこれまで環境に与えてきた影響を踏まえ、可能なかぎり古いアイテムを意識的に使おうと努力している。Fashion Revolutionが発売したZine『Fashion, Environment, Change』でタムシン・ブランチャード(Tamsin Blanchard)が述べたところによると、この15年で衣類の製造は約2倍に増加し、2018年、リサイクルされた衣類(寄付も含む)は、製造量のたった15%だった。

気候変動はファッションに影響し、その全容を急速に変えつつある。しかし、購入前後に発生する廃棄物への企業の対処法を管理できるようなインフラが整っていない現状では、サルカのような想像力豊かなクリエイターたちが先陣を切って問題に取り組む姿を応援するしかない。

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This article originally appeared on i-D US.

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